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「会社は何もやってくれない」…大きな組織に所属する人ほど陥りやすい“危険な思考パターン”【アンガーマネジメント協会代表理事の見解】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月27日 11時15分

「会社は何もやってくれない」…大きな組織に所属する人ほど陥りやすい“危険な思考パターン”【アンガーマネジメント協会代表理事の見解】

画像:PIXTA

職場環境や体制が整っていないことに不満を抱いたことがある人は多いでしょう。特にコロナ禍においてリモートワークが急増した際、「会社は何もしてくれない」との声が多く聞かれました。しかし、企業の体制は短期間で整備できるものではないことが明るみとなった今、私たち自身がどのように対応するか、その柔軟性が問われる時代となりました。本稿では、研修講師として25万人以上にアンガーマネジメントを指導してきた戸田久実氏の著書『アンガーマネジメント大全』(日経ビジネス人文庫)から、会社に不満を抱いた際、それを自己成長の機会やキャリアアップのきっかけに変えるための実践的な方法について、一部抜粋・編集してご紹介します。

「会社は何もしてくれない」という考えはやめるべき

Q:会社の体制が整っていないことに不満がとまりません

A:いまできることに目を向けよう

「会社は何もしてくれない」という姿勢を「自分にできることは何か」という考え方に改めましょう。

コロナ禍では、リモートワーク環境の整備に対する不満を多く耳にしました。わからなくはないのですが、企業の体制はすぐに変えられるようなものではありません。自分の期待通りに、迅速には動けないものです。

不満がわいたとき、「会社は何もしてくれない」という考えを持っていると、余計にイライラしてしまうだけです。一方、やらなければいけない仕事を順調に進めるために「自分に何ができるかな?」と考えると、ストレスも軽減するでしょう。

すぐにリモートワークに移行すると予想していた企業は、はじめはそう多くはなかったはずです。緊急事態宣言が出たとき、在宅になる従業員をどう動かしていくか、決まっていない会社がほとんどだったのではないでしょうか。

従業員全員の無線LANの環境が整っているかどうかも把握できていない。でも、やらなければいけない仕事は山積みになっている。そんななかで、それぞれのチームが、とにかくやるべき仕事を進めた……という状況だったのではないでしょうか。

変化の大きい時代に「自分を合わせていく」

こういった状況下で、「何もしてくれない」と文句ばかりを言っている人は、どこに行っても不満を言う人です。ちょっと厳しい言い方になるかもしれませんが、「会社になんでもやってもらおう」とする考え方を改めてみることも必要かもしれません。雇われている限りは、「100%満足のいくものを与えてもらえるとは限らない」という意識を持ったほうがいいと思うのです。

コロナ禍でオンライン研修を数多く実施したのですが、そのなかでアンケートをとると、大きな組織に所属している人ほど「何もやってくれない……」と不満を述べる傾向がありました。

会社に守られ続けているなかで過ごしていると、いつしか「やってもらえて当たり前」という意識が芽生えてしまうのかもしれませんが、この感覚が根づいてしまっていると、不測の事態が起こったときに、対応できなくなってしまいます。

それまでの環境がガラッと変わったとき、わたしたちに問われているのは、どういう状況であろうと「自分がこの環境の変化にどう対応していったらいいのか」「自分にできることは何か」と考えていくことです。どんな状況であろうと、自分にできることを考えていくことが大切です。

不満ばかり言う人は、生き残れない

自分が変化に対応せずに、「○○がこうしてくれない」と言うのは、これからの変化の激しい時代を生き抜いていくには難しい考え方です。これからは、一人ひとりの対応力が、より問われることになるのでしょう。

雇われる側の視点しか持っていない人は、あまり「考えていない人」という印象を受けます。わたしがオンライン相談会を実施した際に、グチが出てくるのが多いのも、このタイプの人々でした。

フリーランスで働いている人はとくに自主的に動いていかなければ、もっと難しくなるでしょう。仕事に必要な環境や機器などは、自分でそろえなくてはいけません。出費はあるかもしれませんが、仕事が順調に進まないことでのストレスは軽減されるはずです。

組織が大きいほど、変化への対応に時間がかかる

会社員であっても、「やってもらえる、与えてもらえる」ことが当然ではありません。組織が大きいほど、変化に対応することにも時間がかかります。

組織が変わるのを待つのではなく、その前に自分に何ができるかを考え、取り組めることから着手していきましょう。そうでなければ、この先も時代の流れに乗ることはできません。

コロナ禍では、講師業も、個人の意識の差が仕事の明暗を分けました。個人で、オンライン研修の方法を勉強したり、すぐにオンラインの環境を整えた人は、いち早く盛り返しました。

一方、「研修会社やエージェントが何もしてくれないから、オンライン対応ができない」とグチをこぼしていた人や、準備をしていなかった人は取り残されていきました。オンライン研修の依頼に対応できず、仕事が激減したという話も耳にしました。オファーがこなくなったのです。

失業も珍しくなくなる時代です。会社員だからといって安泰とは言えません。どんなときも、自分でできることを考えて、動いていくクセをつけていきましょう。

戸田 久実

アドット・コミュニケーション株式会社代表取締役

一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事

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