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大谷翔平選手、悲願へ…ワールドシリーズで「ドジャーズ」と「ヤンキース」が過去優勝した年の「米国実質GDP成長率」、驚愕の結果【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月23日 7時15分

大谷翔平選手、悲願へ…ワールドシリーズで「ドジャーズ」と「ヤンキース」が過去優勝した年の「米国実質GDP成長率」、驚愕の結果【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】

(※画像はイメージです/PIXTA)

メッツとのリーグ優勝決定シリーズ第6戦を勝利で飾り、4年ぶりとなるワールドシリーズ進出を決めたドジャース。大谷翔平選手の悲願でもあるワールドシリーズと、米国経済の「実質GDP成長率・平均」には意外な関連性があるようです。本稿では、景気の予告信号灯となり得る身近なデータとして、63年間続くメジャーリーグの「リーグ優勝チーム」と「米国実質GDP」の伸び率の関連性を取り上げます。エコノミスト・宅森昭吉氏の解説をみていきましょう。

4年ぶりに「ナショナルリーグ優勝」を果たしたドジャース

大谷翔平選手は10月20日(日本時間21日)のメッツとのリーグ優勝決定シリーズ第6戦で2安打1打点と活躍し、ドジャースは10対5で勝利しました。これでドジャースは4勝2敗となり、4年ぶりにナショナルリーグを制し、ワールドシリーズ進出を決めました。

ワールドシリーズを目指してエンゼルスからのドジャース入りした大谷翔平選手が、移籍1年目で悲願を達成しました。大谷選手のパドレスとの地区シリーズの成績は5試合で、20打数4安打、打率2割、1本塁打、4打点、0盗塁でした。メッツとのリーグ優勝決定シリーズの成績は6試合、22打数8安打、打率3割6分4厘、2本塁打、6打点、0盗塁と活躍しました。

ワールドシリーズでの、西海岸の大都市を本拠地にするドジャースの対戦相手は、アメリカ最大の都市ニューヨークに本拠地に置くヤンキース。東西の大都市を本拠地とする人気球団同士が対戦するのは、1981年以来43年ぶりです。この年は4勝2敗でドジャースがワールドチャンピオンになりました。

ドジャースが本拠地をLAに移してからの戦績は2勝2敗

1903年のワールドシリーズ開始以来、ドジャースは今回で22回目の進出になります(リーグ優勝は25回目。1890年、1899年、1900年にも優勝)。ワールドチャンピオンには7回なっています。ドジャースは1988年に6回目のワールドチャンピオンになってから2017年まで、29年間ワールドシリーズから遠ざかっていました。2017年はダルビッシュ有投手と前田健太投手がドジャースに在籍、2018年は前田投手が在籍し、両年ともワールドシリーズに進出しましたが、いずれも敗退。

コロナ禍で短縮シーズンとなった2020年に、32年ぶり7回目のワールドチャンピオンに輝きました。ドジャースの出場回数はともにナショナルリーグ最多で、メジャーリーグ第2位です。

一方、アメリカンリーグを制したヤンキースは今回で41回目の進出。過去27回ワールドチャンピオンになっています。出場回数と優勝回数はともにメジャーリーグ最多です。

ドジャースがニューヨークのブルックリンを本拠地としていた時代も含め、これまでワールドシリーズで11回対戦し、ヤンキースが8回、ドジャースが3回ワールドチャンピオンになっています。ドジャースが初めてワールドチャンピオンになったのはブルックリン時代の1955年で、このときの相手はヤンキースでした。

ただ、ドジャースが本拠地をロサンゼルスに移した1958年以降はワールドシリーズで4回対戦し、ヤンキースが1977年と1978年の2回、ドジャースが1963年と1981年の2回優勝と、ワールドチャンピオンをわけあっています。

人気チームのリーグ優勝年は平均でみて、実質GDP成長率が高い傾向

メジャーリーグは20世紀初期から長いあいだ全部で16球団でした。エクスパンションによって1961年にエンゼルス、レンジャーズの2球団が、1962年のアストロズ、メッツの2球団が創設され、1962年には全20球団になりました。現在の全30球団になったのは1998年です。

1961年以降のメジャーリーグの、アメリカンリーグとナショナルリーグのそれぞれの優勝チームごとに、実質GDP成長率の平均を計算しました。1961年から2023年までの63年間(ストライキで中止の1994年を含む)の実質GDP成長率・平均は+3.04%です。

ヤンキースはリーグ優勝回数15回で実質GDP成長率・平均は+3.69%です。ドジャースはリーグ優勝回数11回で実質GDP成長率・平均は+3.37%です。大都市を本拠地にする人気チームの両チームは、どちらも63年間の平均を上回るという結果になりました。

「米国実質GDP」が1~3月期と打って変わって伸び始めたワケ

米国の実質GDPを事前に判断するときに役に立つ、地区連銀のデータがあります。そのひとつは、アトランタ連銀が算出・公表しているGDPナウです。米国の実質GDP成長率のリアルタイムの推定値といえるものです。GDP成長率を計算する時点までに公表された関連する経済データを反映して推定値が算出され、データ発表日に合わせて公表されています。

類似データには、NY連銀が毎週金曜日に公開している推計値として、NY連銀スタッフ・ナウキャストもあります。10月18日現在では、これから公表される24年7~9月期の実質GDPアトランタ連銀の推計値が+3.4%、NY連銀の推計値が+3.00%と、どちらもしっかりした+3%台の前期比年率になっています。NY連銀の推計値では10~12月期の推計値が+2.61%となっています。GDPでみるかぎり、米国経済は底堅さが感じられます。

24年の米国実質GDPの前期比年率は、1~3月期が+1.4%と低い伸び率で24暦年の実質GDPの伸び率の鈍化要因になりました。しかし、4~6月期になると+3.0%としっかりした伸び率に。7~9月期をアトランタ連銀とNY連銀の推計値の平均、10~12月期をNY連銀の推計値の前期比年率+3.20%と+2.61%で延長すると、24年の米国実質GDPは前年比+2.82%と+3%に近い、しっかりした成長率になります。

24年1月調査ESPフォーキャスト調査では、24年米国実質GDPの前年比平均見通しは+1.43%と低い数字だったため、様変わりしているのです。ワールドシリーズに進出するのが、ヤンキース、ドジャースというリーグ優勝した年の成長率・平均が高いチームであることと整合的だと思われます。

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。

宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト)

三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。

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