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42歳長女「もう私にかまわないで」と言い残し行方知れず。時給1,150円でスーパーのレジ係を始めた「年金月12万円・68歳母」涙をこらえて半生を後悔

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月26日 8時15分

42歳長女「もう私にかまわないで」と言い残し行方知れず。時給1,150円でスーパーのレジ係を始めた「年金月12万円・68歳母」涙をこらえて半生を後悔

(※写真はイメージです/PIXTA)

進学、就職、結婚……実家を出るタイミングはいろいろですが、実家を出たいと願っても、出ることのできない事情があったり、出るタイミングを失ったりして、思いを叶えられない人も珍しくはないようです。

離婚時の養育費の取り決めと親の最終学歴の関係

最近、スーパーで働き始めた鈴木織枝さん(仮名・68歳)。働くのは20年ぶりのことだといいまます。

――娘が出ていってしまって。年金月12万円だと、生活が苦しくて

織枝さん、20代前半で結婚し、幼い娘たちをもうけますが30歳になる前に離婚。幼い娘をひとりで育て上げました。離婚した元夫からは養育費などは一切もらっていません。

――もちろん養育費はもらいたかったけど、絶対無理とわかっていたので、争うことをやめました

結婚した当初、元夫は働いていましたが、段々と家にいることが多くなり、離婚する直前は、働くことを放棄していたといいます。そんな元夫に養育費の取り決めを行ったところで振り込まれる可能性はゼロに近い、だから最初から養育費の取り決めなどは行わず、早く離婚することを選びました。

厚生労働省『令和3年度 全国ひとり親世帯等調査』によると、母子世帯のうち、離婚時に養育費の取り決めをしているのは42.9%。そのなかできちんと文章があるのは73.3%で、残りは文書なし。口約束などです。また母の学歴別に養育費の取り決め状況をみていくと、中学卒では28.2%、高校卒では39.5%、短大卒で59.6%、大学・大学院卒で67.0%と、養育費の取り決め状況と母親の最終学歴には密接な関係があります。

また養育費の取り決めを行わなかった理由を問うと、最多は「相手と関わりたくない」で50.8%。「相手に支払う意思がなかった」で40.5%、「相手に支払う能力がないと思った」33.8%、「取り決め交渉の煩わしさ」19.4%と続きます。織枝さんのように、相手に支払う能力がないと、早々に見限るケースは多いようです。

――そうですね。私、高校を中退しているので……もっと学があれば、見切り発車的な離婚はしなかったかもしれないし、そもそも、あんな人と結婚することなんてなかったのかもしれませんね

経済的に依存する母、実家を出るタイミングを逃した長女

自分の学歴にコンプレックスを抱いていたという織枝さん。「親が離婚しているか」とバカにされないためにも、長女・美香さんと次女・美樹さんの教育には全力を注いだといいます。「周囲からは教育に熱心すぎるヒステリックにみえたでしょうね」と織枝さん。塾に行かせるだけの経済的余裕はないし教えてあげられることもできないけど、勉強するように監視はできる……こうして美香さんも美樹さんも見事一流大学に合格。しかも学費も免除されるほど、優秀な成績だったといいます。

――これで私のような人生を歩まなくて済む。そう思いましたね

2人の娘は大学卒業後、就職先も一流。しかし美樹は早々に結婚し、実家を出たそうです。一方、美香は実家から出ることはありませんでした。しかし美香さんいわく、「母の束縛がひどかったから」といいます。

美香さん、新卒時の給与は22万円。手取りにすると18万円ほどでした。すると良枝さんから「私はもう十分働いたから、これからは美香の給与で暮らしていけるね」と仕事を辞めてしまったというのです。

――こんな状態で家を出ていくことはできますか? 当時はそういう言葉がなかったからわかりませんでしたが、今でいう毒親ですね

合同会社serendipityが毒親に関する調査を行った際、世間から毒親と揶揄される行動を並べ、「現在または過去に、自分の子どもに対してしたことがある言動で、思い当たることはあるか」」と説いたところ、全体では47.3%、父親では53.7%、母親では40.9%が「思い当たることはない」と回答。思い当たることでは「言うことを聞かせようと命令や指示をする」が最も多く、全体では25.9%、父親では21.6%、母親では30.1%。続いて「過保護」(全体で22.8%、父親が15.7%、母親が29.9%)、「子どものすることや交友関係、仕事などを把握・管理していたい」(全体が10.7%、父親が6.3%、母親が15.2%)。全体的に母親のほうが毒親になる傾向が強いようです。

美香さんに知らず知らずに執着をしていた織枝さん。その執着から逃れられず、実家を出るタイミングを失い続けた美香さん。しかしそんな生活も20年。かねてから交際していた男性との結婚が決まったとき、織枝さんの言葉に戦慄が走ったといいます。

――新居はどこ? 私の部屋はどのような感じ?

そもそも、美香さん、結婚を機にさすがに実家を出る決心をしていたそうです。しかしこの母親は、結婚後もついてくるつもり満々だ……限界を感じ、ある日、「もう私にかまわないで」と1通のメールを母に送ったあと、新居の場所も言わずに出ていった美香さん。途方に暮れた織枝さん。どんなに連絡を取ろうとしても、美香さんは出てくれません。美樹さんに連絡をすると、「お姉ちゃん、限界が来ちゃったね。毒親を卒業したほうがいいよ」とアドバイス。このとき初めて自分が毒親だったことを知ったといいます。

娘との関係もずっと間違えていたのか……織枝さん、今になって再び、高校くらいは出ていたら、自分に学があったらと後悔しているといいます。

[参考資料]

厚生労働省『令和3年度 全国ひとり親世帯等調査』

合同会社serendipity『【調査】もしかして、私って「毒親」⁉ 母親の35.3%が「毒親」なのかもと回答!』

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