時給1,300円でビルの清掃を続けてきたが…腰は限界で働けず「年金月6万円・68歳女性」明日も見えずに絶望していたが、日本年金機構からの「緑色の封筒」に涙
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月27日 10時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
複雑な年金制度ですが、なかには「なんでこんな決まりが?」と首を傾げたくなる規定も。そのひとつが「在職老齢年金」。50万円の上限を超えると年金が停止になるという決まりに、憤りを隠せない人も大勢いるようです。
年金月6万円では暮らしていけず…68歳女性の苦難
厚生労働省『令和5年国民生活基礎調査』によると、「所得の100%が年金」だという高齢は41.7%、「80~100%」が17.9%、「60~80%」が13.9%と続きます。また高齢者世帯の生活意識として、「大変苦しい」が26.4%、「やや苦しい」が32.6%。実に6割弱の高齢者が生活苦を訴えています。
やはり年金がベースとなる老後の生活。特に年金収入が大きく増えるわけでもないのに、物価がどんどん上がっていく昨今は、高齢者を苦しめます。
――本当に、どうやって生きていけばいいのか
そんな愚痴を口にした山本靖子さん(仮名・68歳)。月の年金は6万円程度。これだけでやっていけるはずがなく、毎月3~5万円程度のお金を取り崩しながら生活しています。
山本さん、少し前まではビルの清掃員をしていました。時給1,300円で1日4~6時間勤務。月収は12万~15万円程度だったとか。そこに年金が月6円プラスすれば、「1人で暮らしていくには十分な金額でした」と山本さん。このとき散財をするわけでなく、コツコツとお金を貯めてきたから、今は生活が成り立っていると感じます。
生活保護を勧めてくれる人もいました。しかし、山本さんには生活保護費以上の預貯金があり、申請は認められることはなかったのです。
――この貯金が底を尽きるまでは頑張れということなんでしょうね
ちなみに山本さんが住む神奈川県のとある市の生活保護費は、68歳女性で生活扶助基準額が7万3,590円、住宅扶助基準額が4万1,000円(持ち家の場合は支給されない)、合計11万4,590円。生活保護を受ける場合は、あらゆる資産を活用し、それでもなお生活保護費を下回っていることがひとつの基準となります。
月年金6万円の68歳女性に届いた「緑色の封筒」その正体とは?
生活が苦しいのであれば、また働けばいいのではないか……そう思いますが、山本さんが仕事を辞めたのが、腰を痛め、立ち仕事が難しくなってきたため。
――だましだまし続けてきたのですが、もう限界と思って辞めました
――立ち仕事くらいしかしたことがなく……こんな私でもできる仕事はあるでしょうか?
今のところ職は見つからず、ただ年金と貯金の切り崩しで生活を続けています。「生活保護費を下回る生活費なので、最低限の生活以下ということでしょうか」と自虐的に話す山本さんには、絶望感すら感じられます。そこに1通の緑色の封筒が届きました。日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書」です。
これは所得額が一定基準額以下の年金受給者の生活を支援するために、年金に上乗せして支給されるもの。条件は「①65歳以上の老齢基礎年金の受給者」「②同一世帯の全員が市町村民税非課税」「③前年の公的年金等の収入額とその他の所得との合計額が基準額以下」の3点。③の基準額は、68歳以下(1956(昭和31)年4月2日以降生まれ)で78万9,300円。78万9,300円超88万9,300円以下の場合は、補足的老齢年金生活者支援給付金が払われます。
昭和31年4月2日以後の生まれで88万9,300円以下(789,300円~889,300円以下は補足的老齢年金生活者支援給付金が支給される)。給付額は月額5,310円を基準に、保険料納付済期間等に応じて算出されます。
手続きは簡単。請求書の太枠内(名前/連絡先/日付)を記して、切手を貼って返送するだけ。それで月5,000円で、1年で6万円が年金に上乗せされます。今の山本さんには、本当にありがたいお金です。
――久々にいい話で、嬉しくなっちゃった
涙ぐみながらも、少し前向きになった山本さん。腰を痛めて立ち仕事は難しくても、出来る仕事はあるはずと、仕事探しを再開したといいます。
[参考資料]
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