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受験生の多くは気づいていない…入試直前、過去問より取り組むべき“たった1つのこと”【東大合格者が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月20日 6時15分

受験生の多くは気づいていない…入試直前、過去問より取り組むべき“たった1つのこと”【東大合格者が解説】

(※画像はイメージです/PIXTA)

入試の日が刻々と近づき、「解けない問題」に焦っている人も多いのではないでしょうか。しかし、偏差値35から東大合格を果たし、書籍『東大生が教科別にわかりやすく教える 受験勉強法大全』(幻冬舎)を監修した現役東大生の西岡壱誠氏は、「試験直前こそ勉強よりも戦略を練るべき」といいます。その理由と具体的な戦略について、本記事で詳しくみていきましょう。

戦略なくして合格なし…試験の“立ち回り”が勝敗を分ける

試験前にやるべきことってなんだと思いますか? 多くの場合、試験前は勉強しかしません。範囲の勉強をして問題を解いて、どうにかこうにか1点でも点数を高くしようと努力することだと思います。

でも、実は勉強以外にも試験直前にやるべきことがあります。それは、「試験でどう立ち回るか」という戦略を立てることです。

試験が近づいてくると、試験範囲の勉強の方が重要だと思ってしまいがちですが、それは少し焦りすぎでしょう。「急いては事を仕損じる」とはよく言ったもので、試験直前でも余裕を持って戦略を立てられた人こそが合格できるのです。

東大を含む難関大学もきちんと戦略を立てられた人が合格しますし、これは受験だけに限った話ではありません。野球やサッカーなどのスポーツでも、ただ速い球を投げたり、キック力が強かったりするだけでは相手に勝てません。相手チームの弱点を調べたり、プレーの傾向を研究したりして、戦略を立てることが相手に勝つ可能性を作り出すのです。

そんな「合格戦略」の立て方について紹介します。

100点を取るのではなく「合格」が目標

そもそも、試験における「戦略」とは何なのか。それは、「どうやって合格点を取るか」ということにほかなりません。

例えば100点満点の試験で70点を取れば合格できる場合、どこでどのように70点を取るのかを考えるのが戦略です。「英作文の問題で30点取ろう」とか「長文問題は苦手だから半分くらい点数が取れたらいいな」というように点数を計算して、どの問題で何点取れば合格点に達するのかを考えておくわけです。

これが非常に有効で、どの問題で得点すれば合格になるかをきちんと把握しておけば、自分がどこで得点しなければならないのか、また逆にどこで点を落としてもいいのかが理解できるようになります。試験において、この認識ほど心強いものはありません。

どの問題で得点を死守する?…「入試攻守シート」の作り方

合格戦略について理解できたら、具体的に戦略を立ててみましょう。まずは次のシートを見てください。

これは「入試攻守シート」といい、試験問題で「どの問題は得点を死守するのか」「どの問題は難しいから無理しないのか」を決めておくためのシートです。

問題1つひとつを分析し、「守る問題」と「攻める問題」を決める

その名のとおり、合格戦略において重要なのは「守る問題」と「攻める問題」を先に決めておくことなのです。ここでの「守り」と「攻め」とは何かを説明します。

・守り=何があっても得点しなければならない問題のこと

・攻め=難しいので最後に解く問題・最悪の場合は得点できなくてもいい問題のこと

多くの人は、普通に問題を解いて、いちいち「この問題では確実に何点取ろう」「この問題は難しいけど何点取れるようにしよう」などと考えないと思います。しかし、それだと「問題1つひとつの重要度」が分からなくなります。

問題1つひとつの重要度が認識できていないと、時間をかけなくていい問題に時間をかけてしまったり、逆に落とせない問題に時間をかけなかったりというミスをしてしまいがちなのです。

この2つの「守り」と「攻め」を考えることは、受験において極めて重要なのです。

「守り」で点が稼げていれば、「攻め」は解かなくてよい

「守り」と「攻め」について、もっと詳しく見ていきましょう。まず「守り」は言葉通り「点数を守る」問題です。

どんなに難しくても、傾向が変化していたとしても、「ここだけは点が取れるハズ!」という問題ですので、必ず正解を目指しましょう。これが多ければ多いほど合格が近づきますし、少なければ少ないほど不合格になりやすいです。

逆に「攻め」の問題は、「自分には難しすぎる」と思ってしまう問題を選ぶべきです。

難しいといってもいろいろな難しさがあります。時間をかければ解けるが、時間内に解くのが難しい問題なども「攻め」の問題といえますね。

東大数学で言えば最後に待っている地獄のように計算が難しい問題や数列や確率のところで現れる問題が多いです。そういう問題は「解けないもの」「解く優先順位が低いもの」ととらえてしまっていいと思います。重要なのは、問題が解けることではなくて合格することです。

極論を言えば、難しい問題を1問正解して、残りの時間が足りなくて3問不正解になるのなら、そんな問題は解く価値がないのです。「守り」で点が稼げているのならば、「攻め」で点を稼ぐ必要は全くありません。

東大の入試問題でも、多くの東大受験生にとって「攻め」としか言えない問題があります。国語の文系第4問はめちゃくちゃ難しくて、おそらくみなさん捨てているに等しいですし、英語の第4問A問題は解答目安時間で完璧に解くには時間的な制限が厳しいと言われています。

捨て問というのは明確に存在していて、その問題で時間が取られる学生をふるい落とすわけです。そういうトラップのような問題に対応するためにも、合格戦略を作る必要があります。

合格戦略を立てることは優先順位の高い「受験勉強」

ここでは「入試攻守シート」の作り方を紹介しました。当たり前ですが、受験勉強の目的というのは「合格」でしかありません。

もっと言えば、その目的のためになっていないことは勉強ではなく、その目的のための行為ならそれはどんなことでも勉強なのです。そう考えたときに、合格戦略を立てることは優先順位の高い「受験勉強」だと言えます。みなさんしっかりとこの点を考えた勉強をしてもらえればと思います。

西岡 壱誠

株式会社カルぺ・ディエム

代表

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