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年金月40万円、資産7,000万円で悠々自適の生活を送るおしどり夫婦に「まさかの事態」。地獄を見た80歳夫が毎朝欠かさずやっているコト【CFPの助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月2日 11時15分

年金月40万円、資産7,000万円で悠々自適の生活を送るおしどり夫婦に「まさかの事態」。地獄を見た80歳夫が毎朝欠かさずやっているコト【CFPの助言】

(※写真はイメージです/PIXTA)

豊かな老後を送る目的で資産形成を行っている人も多いでしょう。リタイア後は夫婦で海外旅行を楽しんだり、仲間とゴルフを楽しんだりと計画するのは楽しいものです。しかし、それらは全て健康な身体でなければ行えません。本記事では、CFPなどの資格を持つトータルマネーコンサルタントの新井智美さんが、健康寿命を延ばすことの大切さについて解説します。

ゆとりのある老後生活にかかる費用は?

生活保険文化センターの資料によると、夫婦2人でゆとりのある老後生活を送るためには、毎月約38万円が必要※1とされています。ゆとりのある老後生活を送る用途として1番に挙げられるのは旅行やレジャー費用、そして2番目は日常の生活費です。また、趣味や教養に使いたいと思っている人も約50%いることを考えると、リタイア後は自由になった時間をいかに有意義に過ごすかがポイントとなっているようです。

しかし夫婦2人で受け取れる年金収入の平均額は約22万円※2となっており、毎月16万円の不足分が発生します。年間だと192万円。もし夫が平均寿命である81歳まで生きたとして、65歳時点で年金以外に約3,000万円の資金が必要です。ただ、これからの物価上昇などを考えるなら、4,000万円以上は最低でも準備しておきたいところです。

健康寿命とは?

健康寿命とは日常生活に制限なく過ごせる期間をいい、男性は約73歳、女性だと約75歳となっています。つまり、男性の場合平均寿命までの8年間、女性だと12年間は日常生活に何らかの制限を抱えながら生きることになります。

ただ、健康寿命は努力することで延ばすことができ、健康寿命を延ばすことで医療費や介護費用の節約にもつながるのです。

優雅な老後生活が一転して病院との往復だけに

80歳の達也さんは定年退職時に、退職金も合わせて7,000万円の資金を持っていました。マンションのローンも払い終え、2人の娘も結婚して可愛い孫に恵まれ、誰もが羨むような生活。娘夫婦はともに東京に住んでおり、達也さん夫婦は出身地でもある大阪で生活をしています。

定年後は、同じ年の妻・香織さんと毎年国内旅行に行くほか、2~3年に1度はヨーロッパ旅行を楽しんでいました。旅行はパッケージではなく、現地で通訳を付けてもらい、自分のスケジュールで観光地を回るプラン。そのほうが気軽で楽しめると思ったからです。

国内旅行は1回30万円、海外旅行のときには1回200万円近くの費用がかかりますが、達也さんには十分貯蓄もあり、年金も企業年金を合わせると月に40万円と多かったことから、生活に困ることはありませんでした。

時には孫の顔を見に東京に1週間程度滞在し、欲しいものは全部買ってあげる溺愛ぶりです。

その生活が変わったのは、妻の香織さんが突然病気にかかったときからです。

高齢者に多い脊椎間狭窄症

ある日、とてつもない腰の痛みを訴えた香織さん。急いで病院に行くと脊椎間狭窄症であることが分かりました。ただ、脊椎間狭窄症にはブロック注射で治ることもあり、香織さんも試してみましたが効果がありません。

精密検査の結果、香織さんの脊椎の周りには膿がたまっており、それが痛みの原因になっているとのこと。香織さんには糖尿病の持病があり、それが災いしたのかもしれません。抗生物質を点滴するもなかなか効果がなく、結局5ヶ月間入院することになってしまったのです。

入院中は横になっていることが多く、そうなると足も弱ってしまいます。車椅子での入院生活を余儀なくされ、途中からリハビリを行い始めたものの、退院時には杖が手放せない状態でした。

車を手放しているため、病院へはタクシーで

達也さんは75歳になったときに免許を返納しています。原因は右目が見えにくくなったことや、運転の反応が遅くなり、度々事故を起こすようになったことです。とはいえ、大阪は交通手段も発達しており、公共交通機関を利用することで特段不便さは感じていませんでした。

しかし香織さんは腰の痛みがあるため、必ず座れる状態の時間帯しか公共交通機関に乗ることができず、病院の診察時間によってはタクシーを使わざるを得ない状態に。長時間同じ姿勢で座っていると腰の痛みが酷くなるため、趣味の観劇も諦めなければなりません。

また、買い物も近くのスーパーではなく週に1度デパートに出かけ、食品などを買っていたことから、デパートまでもタクシーで通うことが多くなりました。腰の痛みを和らげるための鍼灸院通いも当然タクシー利用です。香織さんが通っている鍼灸院は保険がきかないことから、その出費も毎週だとかなりの額になります。

当然年に一度の国内旅行も2~3年に一度の海外旅行も今後は難しく、家で過ごす時間が多くなりました。

一度、帰省した娘の家族と一緒にレンタカーで遠出を試みたものの、恵子さんは1時間毎に休憩をしなければならず、その後も腰の痛みが続いたことから、新幹線での旅行も無理だという判断に。

病気の原因は意外なところに

恵子さんが腰を患った原因は、虫歯の治療を放置していたことでした。虫歯の細菌が腰のあたりに届き、それが膿を産む原因となっていたのです。きちんと虫歯の治療を続けていたら腰を患うことはなかったかもしれないと後悔しても時間は戻りません。

また、日頃から運動をする習慣がなかったことも退院後の回復に影響を及ぼしていました。退院後も家でリハビリを続けるよう医師から言われていたものの、恵子さんは全く行わずにいたのです。

健康寿命を延ばすコツとは

いくらお金があっても、身体が原因で行動が制限されると楽しみもありません。達也さんは恵子さんの事もあり、自分の健康寿命を延ばすことに取り組んでいます。

具体的には「朝起きたらストレッチを10分程度行う」ことや、「天気のいい日は自宅の周りを30分程度散歩する」などです。また、ボランティア活動に取り組みいろんな人との交流を深めることで、気分転換にもなります。

また、ちょっと調子が悪いなと思ったら無理をしないことも忘れていません。

現在80歳を迎えた達也さんは定期的な検診を行っているものの、特に異常はありません。ただ、疲れやすくなったことや、昨年熱中症になったこともあり、体調管理には気を付けています。

健康であってこその生活

恵子さんが入院していた5ヶ月間、達也さんは出前やできあわせの惣菜で食事をすませていたことから、痩せてしまったこともあり、現在では食事にも気を付けています。買い物は相変わらずデパートで済ませる生活ですが、恵子さんのためにもできるだけ長く生きていようと思っています。自分が亡くなった後、恵子さんが一人で暮らせるかどうか心配だからです。

ボランティア活動の仲間からは高齢者施設の利用にはお金がかかると聞いており、子どもにもなかなか頼れないという実態があることも理解しています。今では恵子さんも一緒にストレッチを行うなど、少しずつ身体を動かすことを心がけているようです。

60歳を過ぎても定期的なトレーニングを続けている人や、ジムに通い有酸素運動を行っている人を良く見かけます。また体操教室などに通うことで新しい友達ができ、楽しく過している人もいるでしょう。ただ、それは続けなければ意味がありません。三日坊主にならないためにも、自分を甘やかさない姿勢が大切です。

また、自分に合ったトレーニング方法を見つけることも重要なポイントです。1人で集中して運動したい人、仲間と一緒に運動したい人で選択肢は異なるでしょう。

いくらゆとりのある老後生活のためにお金を貯めていたとしても、健康でなければ楽しめないことが多くなります。最後に行ったスイス旅行が最後の旅行になるとは考えもしなかった達也さん。もっと早く健康でいられることのありがたみを知っておくべきだったと思うばかりです。

■参考サイト

※1: 老後の生活費はいくらくらい必要と考える?|リスクに備えるための生活設計|ひと目でわかる生活設計情報|公益財団法人生命保険文化センター

※2: 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要

新井智美

トータルマネーコンサルタント

CFP

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