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自民・公明は「過半数割れ」に 今後の日本株を見通す上での〈要点〉を整理【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月28日 11時20分

自民・公明は「過半数割れ」に 今後の日本株を見通す上での〈要点〉を整理【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】

(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「市川レポート」を転載したものです。

●自公は過半数割れとなり、今後は自公と立憲民主党、それぞれ連立政権の枠組みを探る展開へ。

●今後の日本株を見通す上で、目先は「政権の安定性」、「経済政策」、「企業業績」の3つが焦点。

●早期の政権安定や業績予想の上方修正なら株価に追い風だが、米要因もあわせ見極めが必要。

自公は過半数割れとなり、今後は自公と立憲民主党、それぞれ連立政権の枠組みを探る展開へ

第50回衆議院議員総選挙(定数465議席)は10月27日に投開票が行われ、28日の未明に全議席が確定しました。与党の自由民主党(以下、自民党)と公明党の議席数は215議席と、公示前の279議席を下回り、過半数(233議席)を割り込む結果となりました(図表1)。一方、立憲民主党と国民民主党は、それぞれ148議席(公示前98議席)、28議席(同7議席)と、議席数を伸ばし躍進しました。

衆議院は、自公のみならず立憲民主党も過半数に達していないため、今後はそれぞれ多数派工作によって他の野党の取り込みを図り、閣外協力を含め新たな連立政権の枠組みを探ることになると思われます。なお、日本維新の会の馬場伸幸代表や、国民民主党の玉木雄一郎代表は、与党政権への連立入りを否定する発言をしていますが、是々非々の立場で政策によっては協力する余地を残しています。

今後の日本株を見通す上で、目先は「政権の安定性」、「経済政策」、「企業業績」の3つが焦点

今後の日本株を見通す上で、目先は「政権の安定性」、「経済政策」、「企業業績」の3つが焦点と考えます。1つ目の政権の安定性について、この先の国会の流れは図表2の通りで、自公、立憲民主党いずれも他党と政権合意できなければ、首相指名選挙の不透明感は強まります。与党議席が過半数未達なら「少数与党」となる恐れもあり、政権不安定で短期政権に終わる場合、10月23日付レポートで解説した通り、株価にはマイナスの要素となり得ます。

2つ目の経済政策について、マーケットの観点からは、早期に新たな連立政権の枠組みが固まり、速やかに経済政策が実施されることが望まれます。経済政策は、当然ながら具体的な中身が重要であり、また、海外投資家にとってもわかりやすい内容であることが求められます。経済対策が相応に市場に評価されるものとなり、政策運営に対する不安が解消すれば、株価は持ち直していくと考えられます。

早期の政権安定や業績予想の上方修正なら株価に追い風だが、米要因もあわせ見極めが必要

3つ目の企業業績について、今週から国内3月期決算企業の中間決算発表が本格化します。主要企業の2024年度の業績予想は、売上高と営業利益が3%~4%程度の増益、経常利益と純利益は3%~4%程度の減益となっています(2024年8月14日時点)。中間決算において、これらの予想値が明確に上方修正されれば、政局が見通しにくいなかでも、株価を支える材料になると思われます。

最後に、米国要因にも一定程度、注意が必要です。今週は7-9月期実質GDPや10月雇用統計など、重要な経済指標が発表され、米ハイテク企業大手の決算発表も控えます。米景気の先行きと米ハイテク企業の業績見通しに安心感が広がる結果となれば、日本株には追い風です。また、来週11月5日には米大統領選挙の投開票が行われるため、大きな波乱なく通過できるかの見極めも重要となります。

(2024年10月28日)

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『自民・公明は「過半数割れ」に 今後の日本株を見通す上での〈要点〉を整理【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】)。

市川 雅浩

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

チーフマーケットストラテジスト

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