「なぜ、また同じミスを?」ミスを繰り返す部下に疲れたあなたへ…怒りを減らしストレスを軽減するための〈8つの対策例〉【アンガーマネジメントのプロが提言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月29日 10時15分
画像:PIXTA
「どうして、また同じミスを?」「なんでこの報告をしないの⁉︎」そんな悩みを抱えた経験はないでしょうか。しかし、あまりにもミスが多い場合、こうした怒りを直接相手にぶつけることだけでは、状況改善にはつながりません。研修講師として25万人以上にアンガーマネジメントを指導してきた戸田久実氏は、むしろ期待を抑え、事前の対策やリスク管理を工夫することで、部下の成長を見守りながら、円滑な業務を進めるための方法が見えてくると話します。本記事では、戸田氏の著書『アンガーマネジメント大全』(日経ビジネス人文庫)から、ミスの多い部下への効果的な対応策ついて、一部抜粋・編集して紹介します。
ミスを繰り返す部下への対処法
Q:安心して仕事を任せられない人に直面して困っています
A:過度な期待をやめよう
ミスが多いとわかっている相手に安心して仕事を任せるのは難しいもの……。そんなときには、リスクが最小限ですむように対策を考えておきましょう。
安心して仕事を任せられないと、心配で気が気でない人も多いでしょう。「え⁉︎ どうしてここでそれをするの⁉︎」「なんでこんなことをしてしまったの⁉︎」「なんでこの報告をしないの⁉︎」このように、心配が高じてイライラしてしまうことはありませんか?
話の通じる相手であれば、「これはこうしてもらいたいんだ」「このように仕事をしてもらえないと、安心して任せられないんだ」と率直に伝え、すぐに対応してもらいましょう。ところが、なかには何度注意をしてもミスを繰り返す人も……。このタイプの人に苦労している管理職の人は、じつはとても多いのです。
あまりにもミスが多い場合、もしこちらが取引先の立場なら、「この人との仕事は安心できないな」と思った段階で担当を替えてほしいと要求してもよいと思います。それが難しい場合は、「この人と仕事をするうえで、最小限のリスクですむにはどうしたらいいのか?」と考えて取り組むといいでしょう。
たとえば、次のような対策をとるのはおすすめです。
〈8つの対策例〉
・重要な仕事を任せる割合を減らす
・ほかの人よりも頻度が高いチェックを行う
・ミスをする相手だとあきらめて、通常よりも細やかにチェックをする
・一人前にしようとするのをやめる
・イレギュラーなタイプと割り切る
・「ひとりで一から十までできるようにする」という発想を一度手放す
・「通常、人ってこう育つものだ」という自分のセオリーを一度手放す
・本来はひとりでやってもらいたいことでも、二人体制にする
こちら側が柔軟性を持ち、気持ちを切り替えてしまったほうが、気もラクになりますし、物事が建設的に進むはずです。また、1対1で対応していると、自分ひとりが被害を被ることになってしまいます。それは怖いので、かならず誰かを絡めて、チームで仕事をするようにしましょう。
・メールであればCCに誰かを入れる
・チームとして仕事をする
・仕事の重要度を相手の力量に合わせたところからはじめる
・ほかの人よりも高い頻度で進捗報告させながら面倒を見ていく
……など、さまざまな対応策を用意して進めていくことが必要になるでしょう。
あまりにも想像の域を超えたことをされたときは、極端な例で言うと、違う星の住人だと思ってお付き合いをしていきましょう。
「これくらいできて当然」は当たり前ではない
大企業の新入社員ならある程度の能力を担保できますが、この基準は、かならずしも当たり前ではありません。
例)飲食業界の採用
飲食業界で支店を多く持つある企業では、地方の工場作業員の採用で、割り算ができない人を雇うこともあるそうです。
「俺、割り算できない!」と、社長の前で宣言できてしまうような社員にも、手取り足取り一から教えていく必要があります。この企業の社長さんは「こういう人でも、少しずつ成長しますよ」とおっしゃっていましたが、「ある程度のレベルの人が入ってくるのが当然」という固定概念に縛られていないからこそ、丁寧な対応ができるのでしょう。
例)システム業界の採用
外国人の雇用をはじめた、システム会社の社長さんは、「多くの企業から外国人社員とのコミュニケーションの難しさを心配されるけど、日本人の新入社員も、日本語が通じないこともあるからね。外国人だから難しいと考えずに指導しているよ」とおっしゃっていました。
同様の話を、他企業でもよく耳にします。大変ですが、先輩、上司になる人は、仕事が任せられない人に対して、あらゆる策を用意することが求められるということです。
怒りをぶつけても、事態は好転しない
仕事を任せてハラハラすることが続くと、ついイライラしてしまいますし、ストレスもたまってしまいますよね……。
ただ、「いつになったら安心して任せられるんだ!」と不満をためることに時間を費やすのは時間の無駄です。不満に焦点を当てるとイライラやストレスがむくむくと膨れあがってしまいます。相手に対する怒りをぶつけたりしても、事態は好転しません。
どうしたら最小限のリスクですむのかを考え、対策のバリエーションをそろえておきましょう。打つ手をたくさん持っておけば、イライラを減らすことができますよ。
戸田 久実
アドット・コミュニケーション株式会社代表取締役
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事
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