勉強は「費やした時間」が重要ではない…「1日1時間」の勉強で東大合格の“猛者”も実践していた〈コスパ思考〉テクニック【現役東大生が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月22日 17時15分
(※画像はイメージです/PIXTA)
「東大に受かった」と聞くと、「さぞ寝る間も惜しんで勉強に勤しんだのでしょう……」と思いきや、東大合格者のなかには「1日たった1時間」の勉強で合格した人もいると、書籍『東大生が教科別にわかりやすく教える 受験勉強法大全』(幻冬舎)を監修した現役東大生の西岡壱誠氏はいいます。いったいなぜ、そんなことが可能なのでしょうか? 受験勉強で重要な「コスパ思考」を身に付ける方法について、西岡氏が解説します。
「1日たった1時間」の勉強で東大に合格した人は、“天才”?
みなさんは、自分の勉強の1時間の勉強効率を考えたことがあるでしょうか。または自分の勉強した1時間は、本当に1時間分の価値があったのか、しっかりと向き合ったことがあるでしょうか。
大学受験では、この思考が大事です。自分が今行った勉強が本当にかけた時間の分の価値があったのか、しっかり向き合わなければならないのです。
東大生のなかには、毎日1時間の勉強だけで東大に合格した人もいます。その人は平日も休日も、たった1時間の勉強時間だけで合格したというのです。
それを聞いて「うわあ、天才だなあ」と思う人もいるかもしれませんが、これには裏話があります。実はそういう人は、1時間の勉強効率をいかに上げるかということを徹底的に考えて勉強を構築しているのです。1時間で勉強を完結させると決めて、そのためにどんな勉強が必要なのかを当てはめていくというわけですね。
このような「最小の努力で最大の結果を求めよう」と考えるのを、「コスパ思考」と呼びます。「最大コストパフォーマンスの勉強」を意識していくことこそが、ここで学んでいただきたいことです。
時間と効率を意識して「高コスパ」を目指す
しかしこの「コスパ思考」を聞いたときに「たった1時間でいいんだ!」と考える人もいますよね。この話からみなさんが考えるべきなのは、勉強の効率って大事だって話です。
勉強の成績というのは「時間」×「効率」=「結果」で表すことができます。効率の悪い勉強をしていては全然成績が上がらないし、効率がいかに良くても勉強時間がゼロでは成績が上がりません。
先ほどの東大生の1時間の勉強は、10時間の勉強をするのと同じくらいの勉強効率だったのだと思います。だからこそ、勉強時間が1時間でも合格できたといえます。そして、同じことが受験生全員にできるかというと、そうではありません。
「制限時間」を設けることで、勉強の“ムダ”をそぎ落とせる
10時間勉強した方が、結局成績が上がる人もいます。正直な話、勉強時間を長くする方が、勉強効率を上げるよりも何倍も楽なのです。なぜなら、勉強の効率を上げようと考えて勉強の準備をするよりも、実際に勉強しちゃった方が早いという考えも一理あるからです。
「考えるよりもまず行動したい」というタイプは潔く毎日10時間勉強した方がいいと思います。でも、みなさん全員がそういうわけではないと思います。1時間で済むなら1時間にしてほしいと思いますよね。
そういう人にオススメなのは、制限時間を設けて勉強する訓練です。
例えば、1日1時間しか勉強できないけれど成績を上げたいとなったら、どんな勉強をしますか。おそらくですが、悩んで、周りに人や先生に話を聞いて、効果的なやり方を探すはずです。
そうやって探りあてた勉強法を使って1時間勉強するときには「無駄にしないように使おう」という意識で勉強できます。
このように、わざわざ1時間しか勉強できない状況を考えてみるのはいい方法だと思います。
これだと、自分の勉強のコストパフォーマンスを見直すきっかけにもなります。綺麗すぎるノートを作っていないか、配点にならないところばっかり勉強していないか、考える時間ばっかり使っていて全然勉強が進んでいないか……。
数え上げたら枚挙に暇がないですが、これらの無駄は、1時間制限で今後どんどんそぎ落としてもらえればと思います。「ああ、普段からこんな無駄な勉強していたんだなあ」と実感できるでしょう。
何ができればクリア?…目的と目標を明確にするシートを作ろう
もっとこれを加速させるためにやってほしいのは、上のようなフレームワークをすることです。これは、「目的」をしっかりと明示しつつ、その目的を達成できるかどうかを見ていくワークシートになります。
多くの人の場合、目的を持って勉強しません。だからこそ必要なのは、目的を持って勉強し、その目的を達成できたのかどうかを考えていくことです。後から振り返って、1時間で達成させる目的が1時間で終わっているなら何の問題もありません。
最悪なのは、そんなことも考えず1時間で達成させるべきことを2時間かけて「いやあ勉強したな」と思っているときです。そうならないように、目的を決めてその目的を達成するための勉強を進めましょう。
こうすることで、自分の勉強効率が可視化されていきます。最終的にやっている内容と時間が一致するようになってきたら、免許皆伝だと言えるでしょう。
勉強は「費やした時間」よりも「効率」が重要
大切なのは、勉強は「費やした時間」ではないということです。何時間も勉強しようとする場合、勉強時間に気を取られて肝心の成績や勉強効率がおろそかになってしまう場合があります。そうであってはならないのです。
きちんと勉強時間を確保しつつも、勉強効率を上げることを意識して勉強に取り組んでみてください。
西岡 壱誠
株式会社カルぺ・ディエム
代表
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