「頑張れば結果が出る」は大嘘…“どうすればテストでいい点数が取れますか?”に対する、現役東大生の〈明瞭な回答〉
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月23日 9時15分
(※画像はイメージです/PIXTA)
学生に限らず、私たちは試験や面接などの大事な場面で失敗したとき「もっと頑張ればよかった」と考えてしまいがちです。しかし、偏差値35から東大合格を果たし、書籍『東大生が教科別にわかりやすく教える 受験勉強法大全』(幻冬舎)を監修した現役東大生の西岡壱誠氏は、「頑張ったら成功する」という思考はとても危険であるといいます。その理由と、試験突破のために重要な考え方について、本記事で詳しくみていきましょう。
勉強は頑張ってはならない…勝利の方程式は「時間」×「効率」
みなさんは、東大生にどんなイメージがありますか? 「ガリ勉」「頑張り屋」などいろいろあるかと思いますが、毎日頑張って、つらくても努力を継続できる才能がある人と想像し、自分もそうなりたいと思われるのではないでしょうか?
しかし、そこが一番の落とし穴なのです。受験生にとって最大の敵は「頑張ってしまう」ことなのです。「頑張ることがダメってこと?」と思うかもしれません。はっきり言わせていただきましょう。みなさん、勉強は頑張ってはダメなのです。
こんなことを言うと、「勉強を頑張らないと成績が上がらないじゃん!」と思われるかもしれません。ですが、正確には「頑張ったら成績が上がる」という思考がとても危険なのです。
もちろん勉強時間を頑張って増やせば、確かに勉強の成績は上がりやすくなります。でも、勉強というのは「時間」だけでなく「効率」がとても大切なのです。勉強は「時間」×「効率」=「結果」。これが勉強の勝利の方程式なのです。
だから、どんなに長く机に向かっていたとしても、眠くて集中していなければ全く意味がないですし、超効果的な勉強でも時間がたった1分だったら成績は上がりません。そして、多くの人はたくさん「時間」をかけて勉強したことだけで満足してしまいます。
「こんなに時間をかけて頑張ったんだから成績が上がるはずだ」。そんな、努力神話を私たちは信じがちなのです。
私たちの「ゴール(目的)」はどこなのか?
私も偏差値35のときは、1日14時間ぶっ続けの勉強をしようとして失敗しました。短期的に見ればそれで成績が上がる瞬間もあったのですが、長続きはしませんでした。
逆に東大生たちはしっかりと効率化して勉強に臨んでいます。例えば、東大生たちの特徴として、「ゴールを先に見て逆算していく」というものがあります。
第一志望校に合格したいと考えたときに、まずは過去問を見るのです。どんなに問題の意味が分からなかったり、解けなかったりした問題があったとしても、とにかく過去問を見ます。
それで、「ああ、これが解けるようにならなきゃならないんだな」と知り、どの分野の問題が解けなくてはいけないのかを意識して勉強する場合が非常に多いのです。
“もっと頑張る”はNG…「不要な努力」はすぐにやめる
過去問を見ること自体は時間がかかるものではないですが、その後の勉強の質が変わる重大な行為です。勉強をしているときでも「これは過去問のあの問題が解けるようになるために必要だ」というように、「目標に近づいている実感」が湧きやすくなり、それによって「この勉強って意味があるのか?」と考えずに済むからです。
逆に、ゴールからの逆算がきちんとできていれば、勉強していても「これは自分には不要だ」「ここは力を入れなくてもいい部分だ」と不要なものをそぎ落とし、効率的に勉強できるようになります。
これをやっているのとやっていないのとでは、倍以上の差が出るといっても過言ではないでしょう。
また、やみくもに頑張ることはもう1つの大きなミスを誘発させてしまいます。それは、「もっと頑張ってしまう」ことです。自分が頑張っても結果が思うように出なかったときに、「頑張りが足りないから、もっと頑張らないと」と思ってしまうのは間違っています。
PDCAサイクルの「C」がもっとも重要なワケ
受験勉強でも「PDCAサイクル」は活用できる
一度は聞いたことがあるかもしれませんが、何か業務を行うときに用いられる「PDCAサイクル」というものがあります。仕事の効率を上げるための考え方で、「計画(Plan)を立てて実行(Do)して、それを振り返り(Check)した上で改善(Action)する」というサイクルを徹底することで、次に活かしていくものです。
勉強においてもこれと同じように、「計画を立てる」「実行する」「振り返る」「改善する」という流れの思考が必要になるタイミングがあります。そして、このPDCAサイクルで一番大切なのは「Check」のときなのです。
自分の勉強で効率が悪い部分や意味がないものを、どんどん削っていく姿勢を持たなければならず、逆にうまくいったポイントからそれを吸収しなければなりません。
ですが、「とにかく頑張っている」人は、このCheckの場面で「もっと頑張らないと」という間違ったCheckをしてしまうのです。
頑張ることはいいことですが、間違った方向への頑張りではどんどん無駄な時間が過ぎていき、結果の伴わないPlanとDoだけを繰り返してしまうことになります。つまり、しっかりと効率的に勉強していくためには、この「根性論の頑張り勉強」では意味がないのです。
具体的な「ゴール」と「目的」があれば、“良い点数”はとれる
「どうすればテストで良い点数が取れますか?」という質問をされることがありますが、「じゃあその『良い点』ってのは何点のこと?」と聞き返すと、答えられないことがとても多いです。
「良い点取れればいい」と思っているかもしれませんが、それはどの科目のどの分野のどの問題で何点取ることなのか、明確になっていないからダラダラした勉強になってしまうのです。
東大生はこの「目的」作りがしっかりしています。ほかの人より何倍も努力の「目的」の明確化に対する力を持っているのです。
例えば、東大生は模擬試験でも本番でも同じように、各科目・各大問の目標点数を1桁レベルで明確に設定しています。
「英語のこの問題は自由英作文で12点の配点だから、7点獲得できればいいはずだ。これにかけられる時間は12分程度なので、12分で7点取れるようにこの範囲の訓練をしておこう」というふうに、すべての問題でこのレベルの細かい目的明確化を実践しています。
必要なのは目的意識です。「どのゴールのために何問解くのか? 何個終わらせるのか? 何が終われば今日は目的達成で、どういう状態になるのが理想なのか?」。
がむしゃらに勉強を頑張るのではなく、具体的な目的を考えた勉強を積み上げていくことで、成績が一気に向上していくのです。
西岡 壱誠
株式会社カルぺ・ディエム
代表
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