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義実家にいじめ抜かれた「50歳・子どもなし」のパート主婦…夫を亡くして絶体絶命も、義母と義姉を返り討ちにした「最終兵器」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月31日 11時15分

義実家にいじめ抜かれた「50歳・子どもなし」のパート主婦…夫を亡くして絶体絶命も、義母と義姉を返り討ちにした「最終兵器」

(※写真はイメージです/PIXTA)

愛する配偶者を亡くす悲しみは計り知れない。ましてや、働き盛りの年齢ならなおさらだ。だが、悲しみに沈んでばかりいられない事情もある。それは、経済的な問題ではなく…。厳しい実情を見ていこう。

パート主婦、結婚当初から「義実家とギクシャク」していた理由

愛する家族を失うのは、大変なショックと深い悲しみを伴う。ましてや亡くなった人が一般的に「働き盛り」といわれる年齢ならなおさらだ。しかし、亡くなった人を巡り、遺された家族にさらなる軋轢が生じることもある。

話を聞かせてくれたのは、世田谷区在住のパート従業員、鈴木陽子さん(仮名)50歳。

「この春に亡くなった夫とは大学の同級生でした。就職した年にすぐ結婚したのですが…」

陽子さんの夫は、就職氷河期だったにもかかわらず、激戦を勝ち抜いて希望の企業へ就職したエリート。だが、一方の陽子さんは思うような成果が出せず、知人のツテで小さな法律事務所の事務員として就職。給料はわずかで生活するのもギリギリだった。

「当時付き合っていた夫は、私の給与明細を見て驚き、〈だったら、もう結婚してしまおう〉とプロポーズしてくれたのです。とてもうれしかったですが、それが夫の親族との関係悪化を招いた、根本原因だったと思います」

陽子さんの夫は横浜市出身だが、陽子さんは、東京まで飛行機の距離の地方都市出身。また、陽子さんは父親と早く死別したため、母ひとりの厳しい経済状況。奨学金とアルバイトで大学生活を送っていた。

「夫の家族からみたら、将来有望な息子が社会に出てすぐ〈つかまった〉ように見えたのでしょうね。私たちに子どもができなかったことも、つらく当たられる大きなでしたが…」

とはいえ、陽子さんと夫は仲睦まじく、2人で暮らすぶんには幸せだったという。

「私は結婚3年目に母を亡くしました。母は賃貸住まいで、親族もないため、私には郷里がありません。夫の実家には夫婦で足を運びますが、それがつらくてつらくて…。でも、妻の務めだと思ってがんばりました」

陽子さんの夫も、40代で父親を見送ったというが、それが夫の家族との雪解けになることはなかった。

40代後半の夫に、まさかの重病発覚

陽子さんの夫は、父親の死後、相続したお金の一部を頭金として世田谷区に新築マンションを購入した。陽子さんは引き続き、扶養の範囲でパートをしながら夫の帰りを待つ、穏やかな日々を送っていた。

ところがある日、陽子さんの夫は勤務先の定期検診で深刻な病気が発覚。入院や手術を繰り返すも、50歳の誕生日を過ぎてすぐ、亡くなってしまったのだ。

陽子さんの収入は多くないが、夫を亡くしたことで住宅ローンの返済が免除に。貯金もあり、高額な生命保険も下り、遺族年金も支給され、当面の生活に不安はなかった。

「夫はとにかく、自分の病気よりも私の生活を心配してばかりでした。そのため、司法書士事務所を経営している大学の後輩に相談して、病床で遺言書を準備してくれたのです。〈陽子は事務手続きが苦手だからな! でも、彼が全部やってくれるからね。大丈夫〉と…。司法書士の後輩の方と、病室を出て声を殺して泣きました」

「財産がたっぷり残って、よかったわね」義姉の言葉に傷つき…

夫の死後、夫の両親と姉からの陽子さんへの風当たりはますます強くなる一方だった。なかでも、夫が遺言書を遺したことについて「用意周到」といって責められた。

「姑は、たびたび電話をかけてきては、受話器の向こうで〈健一(仮名)がかわいそうすぎる。死んだのはお前のせいだ〉〈無理やり遺言書を書かせたのだろう〉と叫んでいました。遺言書は夫が自分で用意するといってくれたのに…」

義姉からは「ローンもチャラだし、財産がたっぷり残ってよかったわね」との嫌味もあり、まさに針の筵だったという。

配偶者の親族から棘のある言葉をかけられてショックを受けるという話は、昔からよく聞く。

ARINA株式会社によるアンケート調査では「義親にいわれて1番傷ついたひと言」として多かったものに「息子(嫁)がかわいそう」「給料が少ない」「常識がない」「結婚相手を間違えた」などがあるという。

また株式会社しんげんによる調査では「義両親に対して苦手だと感じること」として最も多かったのが「常識やデリカシーがない」の15.0%。「常識やデリカシーがない」「子離れしてない」ともに12.5%と続く。

「これ以上、あの人たちの声を聞くのが耐えられませんでした…」

傷心の陽子さんは、お世話になっていた司法書士から聞いていた「姻族関係終了届」を提出。夫の親族と縁を切ることにした。

姻族関係の終了に伴い、義親に対する扶養義務はなくなり、また、同居している場合も互助義務が消滅する。死亡した配偶者の家の祭祀承継者になっている場合は、配偶者の家の人に引き続くことができる。

陽子さんは「姻族関係終了届」の提出を亡き夫の実家に知らせたところ、義母は激怒。

「でも、これで正式に他人ですから。〈もう、お宅とは関係なくなりましたので〉といって電話を切り、即、着信拒否にしました」

ちなみに「姻族関係終了届」を出しても、姻族関係が終了するだけで、相続には影響しない。今回紹介した陽子さんにはお子さんがいなかったが、お子さんを持つ方の場合はこの点をよく覚えてきたい。

また、陽子さんの夫は妻に全財産を遺すという遺言書を作成していたが、もしそれがなかったら、陽子さんは遺産の3分の2、義母には3分の1を相続することになる。これはしばしば子どものない夫婦の相続トラブルの原因となるため、該当する方はこの点もよく覚えておこう。

[参考資料]

日本年金機構『遺族年金』

ARINA株式会社『「義親に言われて1番傷ついた一言は?」アンケート調査』

株式会社しんげん『「両親・義両親」に関するアンケート調査』

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