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ふざけるな、55年間実家暮らしのくせに!父の相続で「遺産ゼロ」に泣いた52歳次男、甘ったれの55歳長男に「亡母の貯金総取り」を主張

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月4日 9時15分

ふざけるな、55年間実家暮らしのくせに!父の相続で「遺産ゼロ」に泣いた52歳次男、甘ったれの55歳長男に「亡母の貯金総取り」を主張

(※写真はイメージです/PIXTA)

いつかは誰もが直面するだろう親の死。それに伴い、必ず相続が発生します。相続ではお金はもちろん、いろいろな感情が絡み合い、トラブルに発展しがち。しかもその思いは何十年も引きづることも珍しくないようです。

父死去…学生の弟は「遺産ゼロ」の不公平感

「あなたは長男なんだから……」

「あなたは女の子なんだから…」

「あなたは末っ子だし……」

そんな古くからいわれている「あなたはOOなんだから」という刷り込み。「そんないまどき、そんなこという人いる?」と思うかもしれませんが、このような意識は根強いのが特徴。

たとえば、「男性は結婚して家庭をもって⼀⼈前だ」」。結婚しないと出世に響くといわれていた昭和時代。令和のいま、そんなこといったら笑われると思うかもしれませんが、男性の30.4%、女性の17.9%が「その通り」だといいます。

「⼥性は結婚によって、経済的に安定を得る⽅が良い」。女性の社会進出が進み、経済的に自立していることが当たり前の時代でも、男性の28.6%、女性の27.2%が「その通り」と回答しています。

そんな思い込みは、やはり年齢が高い人ほど、また都会よりは地方のほうが根強い傾向にありますが、若い人のなかにこのように思う人は皆無かといえば、そういうことでもなく、刷り込みによる根深さが伺えます。

中田和樹さん(仮名・52歳)も、長年「こうあるべき」に直面してきたといいます。

――よく引き合いに出されたのは3歳上の兄(達也さん・仮名・55歳)。兄は長男だから、私は弟なんだから、といわれて育てきました。家督制度の意識が色濃く残る田舎なんで

そのことを強く感じたのは、30年前。父が亡くなったときのこと。遺言書には

母…貯金2,000万円+自宅

長男…貯金1,000万円

次男…遺産ゼロ

という内容が記されていました。

――このとき兄は社会人、弟の私は未成年で学生。多少、考慮すべきことがあったのは理解できますが、不平等な遺産分割に対してはなんの言葉はありませんでした。兄には母の面倒をみるようにと、1,000万円の貯金を遺したんだと思いますが……

30年後の母の相続…兄は平等な遺産分割を主張したが

その後、兄・達也さんは独身で実家暮らし、和樹さんは実家を出て結婚し、子どももいます。「いまはもっぱら、住宅ローンの返済のために働いているようなものです」と苦笑い。ただ家計の負担を感じるとき、ふと楽をしている兄の姿、そして父の相続の際の明らかな格差が思い出されるといいます。

そんなとき母が81歳で亡くなりました。亡くなる4年前、母は介護認定を受け、老人ホームに入居しました。看取り可の施設だったため、そこで最期を迎えました。

母が遺したのは、評価額3,000万円だという実家、と預貯金が4,000万円ほどでした。倹約家だった母は、父から相続した預貯金は手をつけないばかりか、コツコツとお金を貯めていった結果、貯金が倍になっていたんです。

相続にあたり、とくに遺言らしい遺言はありませんでした。まずは話し合いとなります。達也さんは「単純に半分ずつに分けよう」と主張。しかし和樹さんは、「実家は兄が、貯金は弟である私に」と主張。もちろん達也さんは「そんなのは不公平な分け方は納得ができない」と反論。そんな兄に、和樹さんは積年の想いをぶつけたといいます。

――55年間実家暮らしで甘ったれていたくせに、ふざけるな! なんぼでもお金あるだろう

――母さんの面倒を頼むという想いで父さんは兄さんに1,000万円を残したはず。実際は、早々に母さんを老人ホームに入れて楽をしてきた

――本当であれば父さんの相続のときに反論できたが、そこはグッと堪えた。今回はその分も多くもらう権利があるだろう

達也さんの主張通り2等分するなら、達也さんは「実家+貯金500万円」、和樹さんは「貯金3,500万円」といったところ。一方で和樹さんの主張は、兄が「実家のみ(3,000万円)」、和樹さんは「貯金4,000万円」。双方には500万円の差が生じます。

遺産7,000万円に対して、たかが500万円と思うかもしれませんが、和樹さんが50年以上にも渡り、あらゆる場面で感じてきた違和感は、こんなものではないといいます。話し合いは平行線のまま、今でも続いています。

遺言書を残すだけでは争いは防げない

相続が発生した際、被相続人の有効な遺言があった場合、その遺言に従って相続を行います。その際、最低限の相続分である遺留分が侵害されているなら、遺留分を主張することができます。

遺留分は法定相続分の2分の1。中田さん兄弟の父の相続の際、実家の評価額が3,000万円だとすると、遺産は総額6,000万円。そのうち半分は母、もう半分は子に分割。子は達也さん、和樹さん2人なので、1,500万円ずつもらうことができました。しかし遺言では和樹さんは遺産ゼロ。

――遺留分が侵害されている。(法定相続分の半分となる)750万円をよこせ!

とそのときに主張することができました。そう主張できるのは、遺留分が侵害された事実を知ったときから1年、または相続開始後、10年経過すると行使することができなくなります。和樹さんの場合、父が遺さなかった言葉をくみ取ったのでしょう、だいぶしこりは残りましたが、母の面倒をみるのは兄だから……と父の遺志を尊重。遺留分の侵害を主張できたにも関わらず、その思いはグッと抑えました。

どちらにせよ、相続ではお金はもちろん、いろいろな感情が絡み合うので面倒になりがち。だからこそ、相続を見据えて、遺す側は遺言書をきちんとつくっておきたいもの。遺言書はいくつかの種類がありますが、トラブル防止を考えるなら、2人以上の証人の立会いのもとで遺言の趣旨を公証人に述べて筆記、最終的に全員が署名押印して作成する「公正証書遺言」がベスト。ただし、公正証書遺言だからといって、その内容が適正かどうかは話は別。その内容を相続が発生してから初めて知った際、不平等感を覚えたり、納得がいかなかったり、ということもあるでしょう。本当に争族防止を考えるなら、作成した遺言の内容は、事前になぜそのような遺言を残すのかという想いも含めて相続人に伝えておくのがベストです。

[参考資料]

内閣府男女共同参画局『令和4年度 性別による無意識の思い込み (アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究』

法テラス『遺言がある場合、相続はどのようになされますか。』

法テラス『遺留分の相続財産に対する割合はどうなっていますか。』

法テラス『遺言書には、どのような種類がありますか。』

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