あれほど来るなと言っただろう!年金22万円「実家に引きこもる」元・警察官の75歳父…かわいい孫さえ断固拒否の理由に衝撃
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月4日 5時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
親が高齢になればなるほど、気がかりなことは増えていくもの。そこで必要以上に心配をして「子ども扱いするな!」と怒られるのも、よくあるパターンではないでしょうか。なかには完全シャットアウト、となってしまうこともあるようです。
親への心配が過ぎる44歳娘、父に「バカにするな!」と怒られ
issin株式会社が20代〜70代の男女が行った『高齢の親の健康と生活に関する調査』によると、「今年の夏、親に会うことができたか」の問いに対して、離れて暮らす高齢の親がいる人のうち「いいえ」が28.5%。3~4人に1人は会うことがかないませんでした。また親のことで気がかりなことのトップは「健康状態」で27.0%。「介護が必要になる可能性」16.0%、「認知症の兆候・認知機能の低下」14.6%と続きます。
【親のことで気がかりなこと】
1位「健康状態」…27.0%
2位「介護が必要になる可能性」…16.0%
3位「認知症の兆候・認知機能の低下」…14.6%
4位「実家の掃除や片付け」…8.3%
5位「詐欺対策や防犯」…8.2%
6位「財産管理」…5.7%
7位「精神的なストレスや鬱」…5.6%
やはり時とともに高齢になっていく親。気がかりのことばかりで、すぐに行けるような場所に住んでいるものなら、つい、用事もないのに様子を見に行くこともしばしば。そんな人も多いのではないでしょうか。清水加代さん(仮名・44歳)の実家は、車で30分ほどの距離。そこに75歳になる実父・小林真さんがひとりで住んでいます。
昨年、50年連れ添った妻(加代さんの母)が亡くなってからは、やはり加代さんの心配は増すばかり。元警察官の真さんは、月々の年金は22万円ほどもらっていて、お金の心配はなし。年老いたとはいえ元警察官、防犯の観点でも心配はありません。やはり気がかりは、きちんと生活をしているのか、きちんと食べているのか
――家事全般、母に任せっきりだったから、ひとりで生活できているのかどうか
しかし、あまりに心配がすぎるのか、「そんなことは自分でできる。バカにするな!」と怒られてばかりだとか。しかし、そういう父に対して、加代さんは対処法をしっています。孫(加代さんの子)を一緒につれていくのです。
――もう目尻が垂れっぱなしで。遊んでいる間に、冷蔵庫の中などをみて、きちんと食べているか、生活しているか、チェックしていました(笑)
実家の玄関を強行突破!44歳ひとり娘がみた「まさかの光景」
ところが、そんな孫を利用した作戦もきかなくなってしまったと加代さん。いや、すべての作戦がきかなくなり、完全にシャットアウトしてしまったというのです。
――あるときから「うちに来るときは前もって連絡しろ」と。それからしばらくすると「絶対にうちに来るな」って
最初は、家に来てほしくない、なにかがあるのかと思ったといいます。そこで無理強いをしないで、外で会うようにしていたら、しばらくして会うこと自体を拒否するようになったとか。電話やラインには反応はありますが、加代さん、明らかな異変にどうしたらいいのかわからなくなりました。
すると加代さんの夫が「昔、見知らぬ第3者が寄生して……という事件があった。もし同じようなことが起きていたら手遅れになる前に」ととんでもないことを言い出します。「まさかそんな」というものの、もし事件だったら。
いてもたってもいられなくなり、翌日、加代さんはアポなしで実家を訪れます。チャイムを鳴らしますが反応がありません。そこで加代さん、万一のために持っていた合鍵でカギを開けます。
――もう、お父さんに怒られてもいい
ガチャと玄関のドアを開けると、そこにいたのはパジャマ姿の真さん。突然の娘の訪問に怒号をあげます。
――あれほど来るなといっただろう!
すごい剣幕に一瞬ひるみましたが、ここまで来たら真相を知らずに帰ることはできません。「おじゃまするよ」といってヅカヅカと家の中に入っていきます。止めようとする真さんを振り切り、リビングへ。そこで異変に気付きます。
――なにこれ……
リビングを埋め尽くすほどのペットボトルの水。高齢男性のひとり暮らしでは必要がないほどの量です。スーパーのビニール袋に入ったままの状態で、そこら中に置いてあるのです。
――ねぇ、お父さん、これなに?
そこで観念したのか、ポツリ話し出す真さん。実は最近物忘れがひどくなり、スーパーに行くたびに「あれ、うちに水はあったか?」とわからなくなり、このありさまだといいます。さらに最近になり、急に怒りっぽくなり、人にあれこれ当たってしまうのだとか。もし孫にも同じような態度を取ってしまったら……そう思うと怖くなり、最近は人との接触を拒絶。自宅に引きこもり状態だとか。
そこまで聞いて、「お父さん、一度病院に行こう。それって認知症……」といったところで、「私が認知症なわけ、ないだろう!」と怒りだす始末。元警察官というプライドもあるのでしょうか。しかし対応は早ければ早いほどいい、何とか納得させ共に病院へ。やはり初期の認知症と診断を受けたといいます。
内閣官房の資料によると、70~74歳で4.1%だった認知症有病率は、75~79歳で13.6%、80~84歳で21.8%、85~89歳で41.4%と上昇。また認知症患者の今後の推移については、各年齢の認知症有病率が一定の場合2025年に675万人、2030年には744万人、2040年には802万人と、高齢者の5人に1人は認知症。さらに各年齢の認知症有病率が上昇する場合では、2040年に953万人、高齢者の4人に1人が認知症を発症するとされています。
誰もが「認知症かもしれない」と考えたとき、狼狽えたり、恐れたりするでしょう。しかし早めにわかれば進行を遅らせることはできます。家族の支えが必要です。
[参考資料]
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