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「お金がなくて子どもは考えられない」…平均年収「460万円」だが、「もっと少ない」日本人の辛い現実

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月6日 16時15分

「お金がなくて子どもは考えられない」…平均年収「460万円」だが、「もっと少ない」日本人の辛い現実

(※写真はイメージです/PIXTA)

「日本人の生活のリアル」について、総務省『家計調査(二人以上の世帯)2024年(令和6年)8月分』、国税庁『民間給与実態統計調査』(令和5年分)などをもとにみていきます。

世帯主の収入「38万8,979円」…豊かに生きられるか

少子高齢化が長らく問題視されている日本社会。出生数は右肩下がりに減少し、平成28年以降は100万人を下回って推移しています。厚労省の発表によると、2023年の出生数は過去最少の72万7,288人。しかし2024年の出生数はそれをさらに下回り、70万人を割る見通しとなっています。

DINKs(Double Income No Kids…共働きで意図的に子どもを作らない夫婦のこと)という言葉も広く知られるようになった今、「夫婦2人で生きる」は当然の選択肢として存在しています。一方で、意図とは関係なく「お金がなくて子どもは考えられない…」と嘆く声も少なくありません。

総務省『家計調査(二人以上の世帯)2024年(令和6年)8月分』によると、勤労者世帯の実収入は1世帯あたり平均「57万4,334円」。一方、消費支出の平均は「29万7,487円」です。

勤労者世帯の収入について詳しく見ていきましょう。「57万4,334円」のうち、世帯主の収入が「38万8,979円」、配偶者の収入が「9万1,159円」となっています(そのほか定期収入や他の世帯員収入についての項もありますが、ここでは割愛します)。

消費支出の内訳を見てみると、食費が「9万6,744円」ともっとも大きなウエイトを占めており、交通・通信費が「3万6,425円」、教育娯楽が「3万2,565円」、光熱・水道が「2万888円」と続きます。仕送り金や交際費といった「その他の消費支出」は「4万8,047円」です。

57万円の収入に、29万円の支出。この数字だけで言えば、月28万円程度は自由に使えるお金があるわけですが、現実はそう簡単ではありません。

『民間給与実態統計調査』(国税庁・令和5年)を見ると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均額は460万円(男性569万円、女性316万円)です。1人当たりの平均給与を年齢階層別にみると、男性では60歳未満までは年齢が高くなるにしたがい平均給与も高くなり、55~59歳の階層が最も高い給与を受け取る傾向にあります。

しかしこれはあくまで平均値。年収の分布を見ていくと、残酷な様相が明らかになります。

「300万円超400万円以下が最多」という現実

1年を通じて勤務した給与所得者5,270万人について、給与階級別分布をみると、最多となったのは「300万円超400万円以下」の方々(826万人/構成比16.3%)。次いで「400万円超500万円以下」(782万人/同15.4%)となっています。

男女別に見ていきましょう。男性では、年間給与額「400万円超500万円以下」が最も多く(504万人/同17.5%)、「300万円超400万円以下」と続きます(430万人/同14.9%)。女性では、「100万円超200万円以下」が最も多く(449万人/同20.5%)と最も多く、「200万円超300万円以下」と続きます(430万人/同19.6%)。

収入格差が深刻化する日本社会で、給与階級で最も多いのは「300万円超400万円以下」という現実。300万円となると、単純計算で月25万円の収入。先程の家計調査の世帯主収入が「38万8,979円」でしたから、平均値とはまた違った現実を窺い知ることができます。

生産年齢人口が減少し、社会保障費の負担がじわじわと増加するなか、物価高も家計を直撃する昨今。「103万円の壁」引き上げについての議論に注目が集まりますが、生活の向上には期待できるでしょうか。まずは「普通の生活」を誰もが送れるような環境づくりが求められています。経済的な負担軽減や、働く意欲に応じた適切な制度設計が、今後の課題と言えるでしょう。

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