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最高月収300万円「バブルの頃はイケイケだったよ」と誇らしげな70歳男性。〈時給1,130円・トリプルワーク〉で疲労蓄積、残念すぎる年金額

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月8日 5時15分

最高月収300万円「バブルの頃はイケイケだったよ」と誇らしげな70歳男性。〈時給1,130円・トリプルワーク〉で疲労蓄積、残念すぎる年金額

(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の生活のベースとなる公的年金。最新の世論調査では、26%が「全面的に年金に頼る」、53%が「年金をベースにしながら貯蓄などを組み合わせる」と回答しています。そのようななか、低年金の高齢者は、どのような生活を送っているのでしょうか。

元サラリーマン・公務員なら平均年金月14万円だが

内閣府が昨年11~12月に行った『生活設計と年金に関する世論調査』で、「老後の生活設計のなかでの公的年金の位置づけ」を聞いたところ、「全面的に公的年金に頼る」が26.3%、「公的年金を中心とし、これに個人年金や貯蓄などを組み合わせる」が53.8%、「公的年金にはなるべく頼らず、できるだけ個人年金や貯蓄などを中心に考える」が11.7%、「公的年金にはまったく頼らない」が1.6%でした。国民の8割が年金に頼る気満々です。

さらに年金を受け取る人も多い60代以上の高齢者に注目すると、60代では「全面的に公的年金に頼る」が28.5%、「公的年金を中心とし、これに個人年金や貯蓄などを組み合わせる」が59.18%。70代以上では「全面的に公的年金に頼る」が43.2%、「公的年金を中心とし、これに個人年金や貯蓄などを組み合わせる」が46.2%。年金に頼りきる、今どきの高齢者の姿が浮き彫りになりました。

だからといって、すべての高齢者が十分な年金を受け取っているとは限りません。厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、老齢基礎年金のみ受け取る高齢者の平均受取額は月5万6,316円。一方、厚生年金も受け取る高齢者の平均受取額は月14万3,973円。65歳以上に限定すると、男性で16万3,875円、女性で10万4,878円です。

そのようななか、年金受取額月5万円にも満たない人たちは、満額でも月6.8万円(令和6年度)の国民年金受給者は全体の25%で850万人ほど。厚生年金受給者では全体の2%ほどの33万人。合わせて900万人ほどの高齢者が年金月5万円未満の生活を送っています。

そんな人のひとり、安田昇さん(仮名・73歳)。61歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取り、65歳からは基礎年金と厚生年金を受け取っています。その額は月5万円。

――20代で脱サラしてるんだよ。だからろくに年金、もらえないの

バブルで有頂天になっていた脱サラ男性…70代になって思うこと

――バブルの頃はすごかったよ、最高月収は300万円超えるくらいだったかな

25歳で脱サラ。30代中盤で開店した持ち帰り弁当店が繁盛し、最高月収(月商)は300万円を超えたとか。しかし、店のまわりに競合が増えたことに加え、不況も直撃。60歳を前に、借金を抱えた状態で店をたたんだとか。

――生活はしていかないといけないし、借金も返さないといけないし、本当、毎日大変だったよ

借金は7年ほどで返し終わったといいますが、貯金はゼロ。それでいて年金は月5万円。ちなみに保険料を40年間払っていれば、満額月6.8万円(令和6年度)受け取れるはずだが……。

――売上が厳しくなったときに保険料を払えないから、猶予してもらったの。以来、払っていないんだよね

現在、時給1,130円の介護職のアルバイトを中心に、夜は飲食店(時給1,450円)と警備員(時給1,800円)のトリプルワーク。完全に仕事がないのは日曜日のみ。他は朝から晩まで働き、疲れが取れないまま、また仕事へ……そんな生活を続けています。

――給与は全部合わせると月30万円くらいにはなるかな。税金とかでずいぶんと持っていかれるけど

生活費以外はすべて貯金。3年で400万円ほど貯まったといいます。しかし、働けるうちは働かないとすぐに生活が立ちゆかなくなることは目に見えています。

――年金が月5万円もないからな。仕事をしないとあっという間に貯金が消えていくから、辞めるに辞められねえよ

――70を超えても働かないといけないなんて。調子にのっていた若いときの自分に教えてやりたいよ

前出の内閣府の調査で、「何歳まで仕事をしたいか、またはしたか」を尋ねたところ、「61~65歳」が最多で28.5%。70歳以降の回答は21.1%で、8割近い人が70歳を前には仕事から引退する自分をイメージしています。ただ低年金の場合、安田さんのように仕事の辞めどきがみえない、という状況に陥ることも。そうならないためにも、早めの資産形成が必須であることはいうまでもありません。

[参考資料]

内閣府『生活設計と年金に関する世論調査』

厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』

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