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社内で、一流の成績を残しても「評価されない人」の共通点【勤続46年・元ソニー社員が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時15分

社内で、一流の成績を残しても「評価されない人」の共通点【勤続46年・元ソニー社員が解説】

写真はイメージです/PIXTA

会社の重要なプロジェクトを任される「プロジェクト・マネジャー」。なかには能力が高くても、マネジャーなどの上席になれない人もいます。一体なぜでしょうか? 本記事では、小山透氏の著書『常勝! プロジェクトを成功に導くマネジメントの定石 立ちはだかる壁を乗り越えるプロジェクト成功の鍵とは』(ごきげんビジネス出版 ブランディング)より、プロジェクト・マネジャーに必要な人間力について解説します。

試行錯誤を繰り返し、振り返りと内省

プロジェクトを取り巻く環境は、時々刻々と変化します。変化のスピードが上がっている時代の中で、常に改善を繰り返すことが求められています。試行錯誤を繰り返したあとに内省することです。内省を行なうことで、伸ばすべきポイントや改善点を見つけ、急激な変化にも自然と対応していく力が身につきます。内省は日々の作業に試行錯誤と学習の機会を与えることができます。内省を習慣化できれば、自らの経験を振り返り続けることにつながり、新しい発想に至る可能性もあるのです。それまで気づかなかった作業の進め方やコツをつかむことで、改善や効率化を図れるのではないでしょうか。

内省の類義語として反省がありますが、違いは次のとおりです。反省とは、過去の自分の言動やありかたに間違いがなかったかどうかよく考えることで、内容や改善点を周囲に伝えることを目的としています。一方、内省とは自分の思想、言動などを深くかえりみることで、客観的に自己観察を行なうことです。反省は悪かった点に重点を置いているのに対して、内省はよかった点と悪かった点のどちらも振り返るところが異なります。

よかった点は、自分のスタイルとして今後も継続します。悪かった点は、何が原因でどうすればできるかを考え試行錯誤しながら、できるまで繰り返し実践することです。私たちは、神様やスーパーマンではありません。長所もあれば短所もあります。自分ができていることは強みとして伸ばし、短所は弱みとして克服すればよいのです。人間は成長できる生き物です。できなかったことは、どうすればできるようになるのかを考え、何度も何度も繰り返し実践します。

プロジェクト・マネジャーに必要な人間力

私が2015年のPMI日本フォーラムで講演した際に、人格コンピテンシー(人間力)について、「人格は性格のようなものなので変えられないのではないでしょうか」という質問がありました。「人格は変えることができます」と答えました。京セラの創設者である稲盛和夫氏は、書籍『「成功」と「失敗」の法則』(致知出版社)の中で、「人格というものは、性格+哲学という式で表すことができる。つまり、性格という先天性のものに哲学という後天性のものを付け加えていくことにより人格は陶冶される」と記しています。人格は磨くことができるのです。

プロジェクト・マネジャーに求められる人間力

「人格者」という言葉もありますが、これは個人によって解釈がさまざまではないでしょうか。考えられる特徴をいくつか挙げてみましょう。

質問すれば納得のいく返答をしてくれる…頼りになる人

頼りになる人は人格者として称えられ、まわりから信頼されます。上司に対してわからないことを質問し、「そんなこと、自分で考えろ」と言われたら、とても人格者とはいえません。物事に対する考え方が一流で、質問すれば必ず納得のいく返答が返ってくる人は人格が素晴らしいといえるでしょう。

矢面に立ってくれる…困難に立ち向かう勇気をもっている人

人は困難に遭遇するとあきらめて逃げるか、または困難に立ち向かおうとする人に分かれることが多いです。矢面に積極的に立ちたいなんて考える人は少ないように、困難に立ち向かうことは勇気がいる行為ではないでしょうか。人格者の特徴は、そのような矢面や困難に立ち向かう勇気がある人です。たとえどんなに自分に利益がなくても、仲間や組織のため名誉を捨てる覚悟で行動できる人です。

能力があるだけでは評価されない…思いやりのある人

スポーツ選手を見ると、一流の成績を残してもファンや関係者から評価されない選手もいます。原因は、性格だったりスポーツに対する取り組み方が適当だったりで、誠意と情熱が伝わらないからではないでしょうか。人格者と呼ばれるスポーツ選手には、もちろん選手として一流の技術をもつことは当然として、相手を思いやる気持ちで関係者との信頼関係が構築されているのです。他者を思いやる気持ちや、自分に厳しいことも必要な要素です。

総じて、人格者とは何より頼りになる人のことをいい、他者からの信頼と「この人なら」と思わせる性格・態度も特徴となります。

小山 透 プロジェクトマネジメント・エバンジェリスト

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