トランプ再選…「日経平均株価」はどうなるか?【ストラテジストが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月9日 6時0分
(※写真はイメージです/PIXTA)
本記事は、マネックス証券株式会社が2024年11月7日に公開したレポートを転載したものです。
トランプ大統領で株価はどうなるか?
米大統領選の結果を受けて、11月7日に株のストラテジストが書くレポートのテーマとして、「トランプ大統領で株価はどうなるか?」以外にふさわしいタイトルはない。おそらく多くの同業者が同じようなレポートを書いていることだろう。御用とお急ぎでない方は、それらのレポートをひととおり読んでみるとよいだろう。投資に関して有益な情報はなにひとつ得られないこと、請け合いである。
では、なぜ「それらのレポートをひととおり読め」などと言ったのか!とお怒りになる方もいるかもしれない。だから、「御用とお急ぎでない方は」と注釈をつけたではないか。がまの油売りの口上を聞くのと、同じくらいの暇つぶしにはなることだろう。
それで、本題。トランプ大統領で株価はどうなるか? だが、その答えは……。
わかりません。「トランプ大統領で株価はどうなるか?」「わからない」というのが答えである。
「トランプ勝利ならドル高・株高」予想のとおりになったが…
11月6日の東京市場で日経平均は1,005円高になった。NY市場ではダウ平均が1,508ドル上げた。典型的なトランプ・トレードが起きた。しかし、それは「パブロフの犬」の反応である。「トランプ勝利ならドル高・株高」と刷り込まれていたので、そのとおりに反応しただけだ。条件反射である。なぜトランプであればドル高・株高になるのか? ロジックはあるようで、ない。
トランプなら減税や規制緩和で米国の景気がよくなる、だからドルも強くなり株価も上がる、というのがひとつの根拠だが、それは短絡思考というものだ。
ほかの政策との兼ね合いも考慮しなければならないのは、言うまでもない。関税は? 当然、世界経済の下押し圧力になる。米国にとってはインフレの要因になる。そうなればFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げはどうなる? 場合によっては引き締めに転換するかもしれない。エネルギー政策は? EVは? 移民政策は? さまざまな施策とそれらが米国景気に与える影響は、複雑すぎて予想が困難である。
政策は矛盾だらけ…世界的な運用会社ですら「わからない」
そもそも政策が矛盾している。米運用大手ピムコのグローバル最高投資責任者、ダン・アイバシン氏は日経新聞の取材にこう回答している。
(トランプの)政策は矛盾しており、我々も社内で議論に多くの時間を費やしたが、為替相場の方向感については明確なポジションを持てないでいる。つまり、こうだ。ピムコのような世界的に大きな運用会社でさえ、社内で議論したけど結論は「わからない」ということなのである。なぜなら、政策が矛盾だらけだからだ。矛盾しているということは、整合的でないということ。そうなると理論的に考えれば、それらの政策は(すべては)実行されないと考えるのが普通である。
関税についても前回のときもそうだったが、適用除外や例外などがあって、実際にはどれだけのインパクトがあるのかは、実行されてみないとわからない。
トランプ(に伴って議会も共和党)になったから、こういう政策が実施され、その結果、恩恵があるのはこのセクター、デメリットがあるのはこのセクター……。といった絵は簡単に描けない。つまり、選挙のときに言っていた政策がそのまま実行されるかは、まったくわからないのだ。
選挙であれだけ「インフレを終わらせる」と豪語したトランプだ。インフレを助長するようなことを自らやれるのか? やらないだろう、普通は。ところが、トランプは普通ではない。だから、やるかもしれない。こんなレベルから考えなければならないのである。
つまりは、すべてこれからだ。先回り買いなんてできない。逐一で対応していくしかない。そういう4年間の始まりである。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
この記事に関連するニュース
-
米株最高値、日本株堅調。当確後のトランプトレードどこまで?気になる金利上昇とイーロン・マスクのポジション(土信田雅之)
トウシル / 2024年11月8日 8時0分
-
焦点:「トランプ2.0」に備える米株市場、関税・減税が鍵 ボラティリティーに警戒も
ロイター / 2024年11月7日 19時8分
-
トランプ再選がもたらす「残酷な結末」 ~米大統領選後の「金融市場」の展望【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフグローバルストラテジスト】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月7日 16時55分
-
米大統領にトランプ氏復活、どうする日本経済 株式市場は歓迎も…化石燃料回帰・IPEF破棄〝大転換〟か 日本自動車産業に逆風必至
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月7日 11時34分
-
市場は「トランプ氏が勝利」と予想? 米大統領選後のドル・株・金利はどうなるか
マイナビニュース / 2024年11月6日 7時0分
ランキング
-
1携帯大手による“実質値下げ”競争に苦言「行きすぎた値下げは疑問、日本の通信を壊す」ソフトバンク社長
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月8日 20時13分
-
2伊藤忠、カワサキ株20%取得…米国で販売金融の新会社を共同設立
読売新聞 / 2024年11月8日 23時37分
-
3闇バイト掲載疑惑に「タイミー」反応も... 「勤務日までに全件チェック」に心配の声
J-CASTニュース / 2024年11月8日 15時10分
-
4チロルチョコ「虫混入?」騒動対応が見事すぎた訳 迅速な対応と、消費者コミュニケーションの妙
東洋経済オンライン / 2024年11月8日 18時30分
-
5脳科学者が語る「誰もが"老害"になる」悲しき必然 自分もすでに「老害脳」化が始まっていたら…?
東洋経済オンライン / 2024年11月8日 16時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください