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若くして早期退職・FIREしたいなら、早朝から深夜までの「異常なハードワーク」も当たり前…決してラクをしようとしてはいけない“納得の理由”

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月1日 11時45分

若くして早期退職・FIREしたいなら、早朝から深夜までの「異常なハードワーク」も当たり前…決してラクをしようとしてはいけない“納得の理由”

(※写真はイメージです/PIXTA)

大変な努力を重ねるよりもできるだけ楽してFIREしたい。そんな風に思っていると、思わぬ落とし穴にハマってしまうかもしれません。本記事では29歳でFIREを達成したヒトデ氏の新刊『1万回生きたネコが教えてくれた 幸せなFIRE』(徳間書店)より一部を抜粋し、その理由を33歳のハードワーカーのエピソードとともにご紹介します。

〈登場人物〉

・佐藤智也…FIREしたいと願う25歳会社員。不思議なネコ小鉄を拾った。

・小鉄…1万回生きたネコ。人間の言葉を話す。これまでの猫生で見てきた飼い主たちのFIREの成功と失敗の記録を共有できる。今回は過去の飼い主である藤林拓海(33歳)の記録を智也に共有。

・藤林拓海…小鉄の元飼い主。

FIRE成功パターン:藤林拓海(33歳)男性

出社前からめちゃくちゃ働く

彼の部屋は、きれいにしているが、年季を感じる造りだった。僕の築25年のアパートよりも、さらに古い建物のように見える。

朝5時30分、アラームの音が響き渡る中、拓海さんはベッドから起き上がった。

外はまだ薄暗いが、彼にとってはもう日課の始まりだ。彼はまず身支度を整えると、リビングにあるデスクへと向かう。パソコンを立ち上げ、メールチェックと物件検索を開始する。管理会社からの連絡、そして新規で出てきている物件のチェックをしながら朝食を簡単に済ませ、スーツに身を包んで家を出る。

通勤電車の中でも、スマートフォンを片手に不動産会社からの直接の物件紹介情報のチェックや、新規購入物件についてのやりとりを行う。その合間に、気になる不動産ニュースや市場動向の記事をチェックすることも欠かさない。

「既にめちゃくちゃ働いてる……。まだ6時前なのに」

「FIREを目指す人は、圧倒的に出社前に働く人が多いですね。誰にも邪魔されず、自分の仕事に集中できるからでしょう。わたしは眠いので無理ですが」

「わかる。僕も朝は無理だ」

夜行性の自分とは違って、あなたはただ怠惰(たいだ)なだけでは? とでも言いたげな雰囲気は無視して、再び拓海さんの様子に目を向ける。

並々ならぬ努力と時間管理

オフィスに到着すると、9時から本業の仕事が始まる。拓海さんはIT企業のプロジェクトマネージャーとして働いており、業務は多岐にわたる。

ミーティング、クライアント対応、プロジェクトの進捗管理など、目まぐるしいが常にスケジュールを把握し、効率よく業務を進めることに努めている。

昼休みになるとランチに出かけるが、スマートフォンを手放すことはない。電話やメールに対応しながら食事を取ることがほとんどだ。内見の予約の電話をしたり、不動産管理会社や金融機関との打ち合わせが入ることがしばしばある。

午後も忙しく働き、仕事が終わっても拓海さんはすぐに帰宅をしない。当たりを付けた物件の現地視察と、周辺の不動産屋にヒアリングに向かう。移動に時間はかかるが、現地に行って周辺環境も含めて判断するのをとても大切にしている。

ネットの情報だけではなく、実際に話していく中で得られる情報は役に立つことがとても多い。

そして夜遅くに帰宅しても、まだ彼の一日は終わらない。夕食を簡単に済ませた後、再びパソコンに向かい、その日の業務の振り返りや翌日の計画を立てる。

物件の管理状況を確認し、必要な対応を行うことも欠かさない。

夜11時を過ぎ、ようやく一日の業務が一段落すると、拓海さんは短いリラックスタイムを取る。ストレス解消のために軽いストレッチをしたり、短い瞑想(めいそう)を行うことが日課だ。そして、翌日のために早めに就寝する。

拓海さんの平日は、朝から晩まで忙しさに満ちている。彼は本業と副業の両立を見事にこなしているが、その背後には並々ならぬ努力と時間管理のスキルがある。

楽をしようとすればFIREどころか騙される

若くしてFIREするのであれば、異常なハードワークも「普通」

「だから働きすぎだって!」

再び目を覚まして叫んだ。ハードワーカーばっかりだ。

「何度も言いますが、若くしてFIREをするのであれば、こちらが〝普通〟です」

「一握りの人しかできないよ、こんなの」

「何か誤解してませんか? 若くして経済的自立をして、会社を辞めるなんて異常なことなんですから、異常なことをしてるに決まっているじゃないですか。誰にでもできる簡単な方法があるなら、ニンゲンみーんなFIREしてますよ」

何も言えなかった。自分が目指していることの困難さがようやく身に染みてわかってきた。

50代で引退するような、アーリーリタイアだってほとんどの人にとっては夢なのだ。それを20代や30代で成し遂げようと思うなら、難しいのは当然だった。

「ちなみにわたしが見てきた限り、不動産投資はFIRE達成者がそこそこ多いです。物件が増えていけばそれがそのまま定期収入になっていくので、わかりやすくFIREができますね」

「それはいいね」

「ただ、始めるのに自己資金がある程度いること、融資を引くので借金をする必要があるということ、不動産業の知識がいること、投資するエリアの知識がいること。などなど、クリアすべきハードルは高いですが」

「前提条件、厳しくない……?」

「そりゃ厳しいですよ。簡単なら、みんなやってます。これらをひとつでも楽をしようとすると、騙されるのでご注意ください。楽してFIREしようと考えると、高確率でカモにされます」

楽にFIREできると思ったら、それは詐欺

「最近だと、ワンルームマンション投資の詐欺なんかは有名ですよね」

詳しくは知らないが、ネットニュースで見たことがある。騙された人たちの中にはエリートサラリーマンや、お医者さんのような賢い人も大勢いたというから驚きだ。

「儲けようとしたのに逆に騙されてしまう人はとても多いです。なぜ騙されてしまうのかというと〝楽をしようとしたから〟です。〝なにも考えずに、この通りにすれば大丈夫!〟なんてことはありえないのです」

「楽したくなる気持ちはよくわかるなぁ」

「なにもこれは、不動産投資に限った話ではありませんよ。はっきり言って、〝FIREしたい〟と言ってる人は、とても騙しやすいです。働きたくない人は、努力をしたくないケースが多いからです」

「うっ……」

胸に小鉄の言葉が突き刺さった。それはもう、完全に、自分のことだった。実のところ過去に何度かそういった商品を買いそうになったこともある。

動画を見ていたら、登録するだけで10大特典! というようなメールマガジンに誘導されて、そこで送られてくるメールでセールスされたのだ。当時の僕はお金がなかったこともあり、悩んだ末に諦めたが、それは賢明な選択だったようだ。

「今まで実際に見てきてわかって頂けた通り、努力なしでFIREに到達はできません。唯一あるとしたら以前お話しした、投機ですが、もちろんここに再現性はありません」

「やっぱそうだよね」

「FIREを目指すのであればなおさら、絶対に覚えておいてほしいことがあります。それは〝おいしい話〟でFIREした人は1人もいないということです。低確率などではありません。ゼロ人です」

株式会社HF 代表取締役

ヒトデ

※本記事は『1万回生きたネコが教えてくれた 幸せなFIRE』(徳間書店)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

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