恐ろしい…月収45万円・43歳サラリーマン「文京区3LDKのマンション」に引越し。「うちの子も中学受験、させちゃう?」と有名進学塾に入塾も、お受験ママの激しい嫉妬に退散
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月12日 7時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
今や珍しいことではない中学受験。東京都、特に都心エリアになれば中学受験をしないほうが珍しいというほど。しかし、保護者のほうが熱を入れすぎて、暴走してしまうケースも。
東京都心・文京区に理想通りの中古マンション購入
――いい物件に出合えたと思います
山口翔太さん(仮名・43歳)。最近、念願のマイホームを実現しました。夫婦共働きで、お互いの職場へのアクセスを考えて、「あわよくば東京都心」と考えていたものの、新築マンションは軒並み億超え。不動産会社からは「おふたりの年収であれば、余裕で(住宅ローンを)借りられますよ」と太鼓判を押してもらったものの、万一のことを考え、翔太さんの給与で購入できる物件と考えていたといいます。
――不動産会社は結構気持ちのいいことをいってくれるので、思わず買ってしまうところでした(笑)
新築は難しいかもしれない……そう考えて中古マンションにも目を向けたところ、掘り出し物件を見つけたのだとか。
東京都文京区、最寄り駅から徒歩12分の築20年3LDKS。価格は6,000万円弱。頭金2,000万円、25年ローンで月々の支払いは14万5,000円(年利0.7%と仮定)。月収48万円、年収750万円だという太一さん。年収倍率は8倍と適正値。返済負担率は30.4%と、平均20~25%といわれるなか、上限を超えていますが、夫婦共働きであることを考えると、家計負担はそれほど大きくない。何よりも、小学生の2人の子どもたちが巣立ち、夫婦2人暮らしとなったら、できれば環境のいい郊外に住みたい……売却を考えたとき、都心のマンションなら売れないということはないだろう……そんな目論見で購入を決めたといいます。
マンションは築古であるものの、大手デベロッパーが手がけた物件だけあって高品質(だと思う)。駅まで歩くものの、地下鉄に乗ってしまえば、太一さんの職場の最寄りまでは10分、奥さんの職場の最寄りには15分。乗り換えなしでアクセス可能。理想に合致した物件だったといいます。
――転校しないといけませんが、子どもの教育を考えても、都心住まいはメリットだと考えていました
受験熱のすごい文京区…周りも受験するなら、と気軽に考えて撃沈
引っ越してきて半年。マンションの住心地は思っていたところ快適。しかしカルチャーショックだったのは、受験熱の高さでした。
中学受験をする児童のほうが多く、公立小学校では受験生への配慮が至るところから感じられます。保護者との会話でも多いのは子どもの教育のこと。特に小4長男の保護者となると、ほぼ中学受験絡みだといいます。
――教育熱心なエリアと聞いていたので、子育てをするのにいいところだと思ってはいましたが……受験を考えないと肩身の狭い思いをするほどだとは。長男も友だちの影響からか「僕も受験したい!」と言い出しました
東京都教育委員会『令和5年度公立学校統計調査報告書』によると、令和4年3月に東京都の公立小学校を卒業したのは9万8,518人。そのうち都内の中学校に進学したのは、9万6,575人。さらに私立中学校に進学したのは1万9,521人で、全体に占める割合は19.81%。児童5人に1人は中学受験をしています。
23区内で最も受験率が高いのは「東京都文京区」で、卒業生1,598人に対し、私立中学進学者は791人。進学率は49.50%と、児童2人に1人は中学受験をしています。昨区内には女子御三家の「桜蔭中学校」のほか、「筑波大学附属中学校」「東京都立小石川中等教育学校」「お茶の水女子大学附属中学校」「東京学芸大附属竹早中学校」と、人気の公立中高一貫校や国立名門附属中学校が多く、東京大学のほか、東京医科歯科大学、お茶の水女子大学といった名門国立大学も立地。自然と教育熱が高まるエリアだといえるでしょう。
佐々木さん、周囲に乗せられるまま「うちの子も中額受験、させちゃう?」と長男を有名進学塾に通わせることに。まずクラス分けのテストを受けてみたところ、いきなり上位クラスに入ることができたといいます。
――うちの子がこんなに優秀だったとは。もしかしたら進学校を目指せるかもしれないと、ちょっと浮かれていましたね
ところが、すぐにそんな気持ちも折れてしまったといいます。
――塾まわりのことは、妻にまかせていたんですが、ほとんど交流のない保護者から陰口を叩かれていると。「いきなりαクラスってありえない。カンニングでもしたんじゃない、あの子」と。嫉妬……なんでしょうか、怖いですよね
子どもたちはお互い仲良くしているものの、保護者はかなりギスギスしている様子。たかが塾のクラス分けと考えていましたが、どのクラスに入ることができるかは志望校の(偏差値の)目安になるため、保護者のほうが気にしがちだとか。また保護者が受験に熱を入れすぎて、子どもがプレッシャーで潰れてしまうケースも。
異様な雰囲気を感じ取ったのか、長男も次第に萎縮するように。「受験、本当にしたい?」と聞いたところ、どんよりした顔になったのをみて、「うちの子は向いていない」と判断。受験戦争からは撤退することにしたといいます。
[参考資料]
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