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働くのは週3日だけ。資産3,000万円・32歳元広告代理店勤務の会社員が「サイドFIRE」で成功したワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月22日 11時45分

働くのは週3日だけ。資産3,000万円・32歳元広告代理店勤務の会社員が「サイドFIRE」で成功したワケ

(※写真はイメージです/PIXTA)

完全に仕事を辞めてFIREを実行すると、当初は幸せなのにしばらくして虚しさなどを感じるケースが少なくありません。そうしたマイナス面をクリアにできるFIREの方法が「サイドFIRE」、つまり資産運用による収益を得ながら、負担にならない程度働いて収入を得るという方法です。本記事では29歳でFIREを達成したヒトデ氏の新刊『1万回生きたネコが教えてくれた 幸せなFIRE』(徳間書店)より一部を抜粋し、FIREに成功した女性のケースをご紹介します。

〈登場人物〉

・佐藤智也…FIREしたいと願う25歳会社員。不思議なネコ小鉄を拾った。

・小鉄…1万回生きたネコ。人間の言葉を話す。これまでの猫生で見てきた飼い主たちのFIREの成功と失敗の記録を共有できる。今回は過去の飼い主である河合優香(32歳)の記録を智也に共有。

・河合優香…小鉄の元飼い主。

FIRE成功パターン:河合優香(32歳)女性

働くのは週3日、残りは自由に過ごす

「優香さんは、広告代理店に務めながら副業でWebライターをやり、そこで積み上げた資産を活かしてサイドFIRE生活に突入しました。広告代理店を辞め、仕事はWebライター1本です。基本的に週3日、1日6時間しか働いておらず、残りの4日は自由に過ごしています」

「なんか、すごい魅力的な状況に見えるね」

「実際、幸福度も高そうです。月の生活費は20万円程度で、月10万~15万円ほどWebライターのお仕事で稼ぎます。3,000万円程度の資産があり、年間120万円程の資産所得があります」

ということは、月々10万円程度の資産所得があった上で、仕事もしているということか。

「ん? 週3日しか働いてないのに、15万円も稼げているの?」

「そうですね。Webライターは副業時代から長く続けているので、ひいきにしてくれるクライアントも少なくないようです」

「結局ここでも重要なのは仕事か……」

「それはそうですよ。そもそも普通のFIREより少ないとはいえ、若くして資産を作る以上、ある程度仕事ができないと難しいです。何度もお伝えしている通り、FIREは積み上げた資産で行いますが、その資産を作るのは〝仕事〟なのですから」

結局仕事が必要、その何度目かの事実に打ちのめされつつ、僕は優香さんの日常に目を凝らした。

週3日だけ働くサイドFIRE。充実した日々に満足

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週に3日だけ働く。世間でサイドFIREと言われるその働き方を知ったとき、「私の理想はこれだ!」とビビッと来た。仕事はやりがいもあるし、お金だってほしい。でも、仕事だけに人生を支配されたくない。

友達とお茶したり、美術館に行ったり、自分でネイルしてみたり、パワースポットを巡ってみたり、やりたいことはいくらだってある。あと彼氏だってほしい。これには、週2日の休みだけでは全然足りないのだ。

だからこそ、私はそこを本気で目指した。

副業と本業の両立は大変だったけれど、今の生活を手に入れられたのであれば、それだけの価値があったと思える。

今本業にしているWebライターの仕事は別に好きではないけれど、嫌いでもない。自宅にいながら、時間の融通もきく仕事で、フレキシブルに働けるのはとても好ましいし、場所を固定されないのも、私の性(しょう)に合っていた。

最近はクライアントに評価もされて、ディレクターとして他のライターを束ねる仕事も増えてきた。これにはまた違ったやりがいがある。何より収益が増えて実働が減るのはありがたい。

その分責任は増すけれど、結果を出せばいいだけのこと。週3日の稼働でどこまで効率よく稼げるか、挑戦してみるのも楽しいかもしれない。

今後の人生設計を柔軟に考えられるのもサイドFIREのいいところだ。結婚して子育てするようになったら、いったん仕事を辞めればいい。旦那の給料と私の資産があれば、生活に困ることはない。

旦那に育休をとってもらって育児を任せ、私が稼ぐこともできるし、育休期間が終わったら旦那に仕事に復帰してもらい、私が育児に専念することもできる。

教育費がかかるようになったら2人で働いてもいい。

とても自由だ。色々な選択肢がある。

自分で言うのもなんだけれど、充実した日々を送っていると思う。身を粉にして働き、合間に副業をして、泥のように眠っていた会社員時代とは大違いだ。もっとサイドFIREという選択肢を取る人が増えるように、発信活動を増やしてみるのもいいかもしれない。

試しに趣味で発信してみたSNSはそれなりに反響があり、フォロワー数も伸びていた。たまにPR案件の相談をもらうこともある。またひとつ、新しい収入の柱になってくれるかもしれない。

さて、明日と明後日は休みだし、どっか遊びに行こうかな。京都にある、気になってたパワースポットにでも行っちゃおうかな!

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サイドFIREなら盤石!と思いきや……

今回は、すぐに目が覚めた。バッと起き上がり、お行儀よく座っている小鉄に叫んだ。

「なんか、すごい楽しそうなんですけど!」

「もちろん向き不向きはありますが、彼女はとてもうまくいっていますね」

「今までのFIREした人たちと比べて、不安感とか虚無感みたいなものがなかったね」

「いいところに気づきました。そう、サイドFIREが素晴らしいのは、社会との接点を失わない点です。多くのFIREした人たちが感じる〝虚無感〟を、彼女は感じていません。それは、人とつながって仕事をしており、社会に価値を提供しているからに他なりません。そして、その仕事が同時に安定した収入にもつながっており、それなりに遊ぶ余裕もあります」

でた、仕事最強説……。

小鉄から事例を聞けば聞くほど、「仕事をしたほうがいい」という僕が望まない結論が浮き彫りになってきてしまう。いい加減、認めるしかないのだろうか。

「さらにこの生活の素晴らしい点は、破綻しにくいことです。例えば、株価が暴落したとき、資産は目減りしましたが、彼女は冷静にWebライターの仕事を増やしました」

「おお!」

「週3日で15万円稼げていたので、週5日の稼働になれば20万円以上は稼げるようになります。となれば、資産に関係なく暮らしていけるので、右往左往しなくてよくなります。そして、生活もすこし切り詰め、余剰分を投資に回しました」

「クレバーだ……」

「しばらく週5日働いていたものの、株式市場が戻るにつれてだんだんと仕事量をセーブするようになり、元の生活に戻っていきました。そして、追加で投資したこともあり、資産は元の水準に戻るどころか増えていました」

確かにこう聞くと、サイドFIREは盤石なように思える。FIREほどじゃないにしても、自由な時間はしっかりと増える。そのうえFIREの抱えていたマイナス面を、仕事をすることで解消できる。

「とはいえ、問題点もあります。まずは、やはり彼女があまりWebライターという仕事を好きではない点です。もし、この後市場の調子がよく、働かなくてもいいだけの資産に膨れ上がったら、おそらく彼女は仕事を辞めてしまうでしょう」

「いいことじゃないか」

「それだと、今までのFIREしてきた人たちの二の舞です」

「ああ、確かに……。でもさ、なんでせっかくFIREしたのに仕事をしたくなるんだろう? 仕事をしたくなくてFIREしたはずなのに、おかしくない?」

「なにもおかしな話ではありません。仕事を一切しないと、自分の存在意義を見失ってしまう方が多いんです。ニンゲンは社会的な生き物ですから」

株式会社HF 代表取締役

ヒトデ

※本記事は『1万回生きたネコが教えてくれた 幸せなFIRE』(徳間書店)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

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