「パートなんだから時間あるだろ?」…食べ終わった皿を洗わず居直る月収40万円・44歳サラリーマン夫に年下妻、大激怒。間髪入れず放った〈痛恨のひと言〉に夫、撃沈
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月14日 7時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
共働き世帯が多数派を占める昨今において、夫婦喧嘩の原因になりやすいのが「家事負担」。特に夫が正社員、妻がパートなどの非正規社員の場合、妻が圧倒的に負担を負っているケースが多く、妻の不満は蓄積するばかり。夫には夫の言い分もあるのでしょうが、ちょっとした夫の不用意な「ひと言」が妻の怒りを爆発させてしまうこともあるようです。
仕事と家庭を両立する主婦の本音は……
共働き世帯といっても、正社員の夫に対し、妻も正社員であったり、パートやアルバイトといった非正規社員だったりと、さまざまな形態があります。ただ子育て世帯に限定すると、妻はパート・アルバイト、というケースが多いのではないでしょうか。
株式会社ビースタイル ホールディングスが運営する、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関「しゅふJOB総研」が、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層に実施したアンケート調査で「いま最も望ましい雇用形態」として、最も多かった回答が「短時間非正規社員」※1で、全体の35.4%を占めました。次に多かったのが「短時間正社員」※2で、全体の25.9%にあたります。 ※1 短時間正社員……1日5時間など、1週間の勤務時間がフルタイムより短い正社員 ※2 非正規社員……パート・アルバイト・派遣など、正社員以外の雇用形態すべて
また、「仕事に専念できるなら、最も望ましい雇用形態」として最も多かった回答が「フルタイム正社員」で、全体の43.3%を占めました。これは、もし家庭の制約などがなく、100%仕事のために時間を使うことができる場合、自分にとって最も理想的な働き方を意味しています。
かけ離れた理想と現実。思い通りにいかない現状に苦しむ主婦たちの本音が浮き彫りになってきます。
山下博さん(仮名・44歳)、久美さん(仮名・42歳)夫婦も、夫・正社員、妻・パートで働く共働き夫婦。地方在住の4人家族です。子どもは小学4年生の男の子と幼稚園に通う5歳の女の子。上の子は中学受験を視野に入れて、今年から学習塾に通い始めました。
――塾は学年が上がるにつれて費用も上がるっていうし、住宅ローンの返済もあるし、夫の給料だけじゃこの先心配で。もっと働けたらいいのですが、夫から「働いてもいいけど年130万円は超えないように」といわれてまして……
ため息まじりでそう語る久美さん。博さんの月収は40万円、年収は600万円ほど。久美さんのパートは、時給1,300円の事務職。1日5時間で週4回勤務で1ヵ月の収入は10万円強です。
そして、博さんが気にしているのはいわゆる「年収の壁」。年収の壁には「税制上の年収の壁」と「社会保険上の年収の壁」の2つが存在しており、前者は100万円/103万円/150万円/201万円、後者は106万円/130万円、と計6つの「壁」があります。
■6つの「年収の壁」
【税制上の「年収の壁」】 ①100万の壁……「年収100万円以上」なら住民税がかかる ②103万の壁……「年収103万円以上」だと所得税がかかる ③150万の壁……「年収150万円以上」だと夫の配偶者特別控除額が減少 ④201万の壁……「年収201万円以上」で夫の配偶者特別控除額がゼロに
【社会保険上の「年収の壁」】 ⑤106万の壁……「年収106万円以上」なら社会保険の加入義務が生じる ⑥130万の壁……「年収130万円以上」だと家族の扶養から外れる
夫の禁断の「ひと言」に、妻が大激怒
そんなある日、夫婦の間に騒動が勃発。久美さんがパートに出た日、リモートワークで自宅で仕事をしていた博さん。久美さんはパート上がりに幼稚園の預かり保育に預けていた娘をピックアップ。そのあと、スーパーで買い出しをし、そのまま長男の習い事のサッカーの送迎へ。帰宅したのは夜の7時すぎだったといいます。ここから急いで子どもたちに夕食を食べさせ、下の子を風呂に入れ、寝かしつけまで一気にこなす久美さんに、すでに仕事を終え、テレビを観ながら寛いでいた博さんが呑気に話しかけます。
――夜ご飯、いつ出来る? 俺、腹ペコだわ
――ちょっと待ってよ。ていうか、食べ終わった皿くらい自分で洗ってよね! こっちだって忙しいのよ
博さんが昼食を食べた際、使った鍋や皿がキッチンのシンクにそのままの状態で放置。それを見て苛立つ久美さん。いきなり叱責され不機嫌になった博さんは、思わず言い返してしまいました。
――忙しいって、パートで働いてるだけだろ? 俺より家にいるんだから家事くらいちゃんとしてよ
――はぁぁ? 家事も子育てもろくにやらないくせに。あなたがもっと稼いできたら、家事くらい完璧にやるわよ!
見たことのない久美さんの剣幕に、博さんも子どもたちも思わず仰天。
――あまりに腹が立って、いままで心の中でずっと思ってたこと、言っちゃいました……
温和な性格で普段あまり怒ることがないという久美さん。そんな妻の見たことのない顔に少しは反省をしたようです。博さんも、さらには子どもたちも、以前よりも家のことを手伝うようになったといいます。
子育て世帯のパート妻は「年収の壁」を意識して働いているケースが少なくありません。それを本意と捉えるか不本意と捉えるかは、夫の稼ぎ次第ともいえます。厚生労働省の調査によると、40代前半・大卒サラリーマンの平均月収は月42.4万円、年収704.1万円で、月収40万円、年収600万円の博さんは平均を少々下回っています。
「パート妻には家のことをしてほしい」と考える夫と、パートタイムであれ仕事に従事し、さらには家事と育児もこなして疲弊し、「夫にも家のことをしてほしい」と考える妻には、大きな意識の隔たりがあるようです。
年収の壁の話題が取り立たされていますが、見落としがちな「夫の壁」に対しても、夫婦の意識改革が必要なのかもしれません。
[参考資料] 厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』
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