会社員の安定を得たままお金持ちになるには？まず始めるべきは「副業ごっこ」【資産数億円の元メガバンカーが助言】

個人と法人では差し引かれる税金の割合がまったく違うため、会社員が自分の給料だけでお金持ちになることは難しい。そこから脱却するためには「副業ごっこ」から始めるべき……そう語るのは、元メガバンカーで資産数億円を達成した坂下仁氏です。そこで今回は、坂下氏の新刊『新版 いますぐ妻を社長にしなさい』（フォレスト出版）より一部を抜粋し、副業のポイントをご紹介します。

サラリーマンがお金持ちになるには？

個人（サラリーマン）は節税の恩恵を受けられません。そのため、法人と個人では同じ1,000万円の稼ぎでも手取りに2倍の差がつきます。法人は800万ですが、サラリーマンは400万円です。

たとえば課税所得330万円超のサラリーマンは、所得税20％＋住民税10％＋社会保険30％＝60％を負担しています。給与明細上は社会保険料を15％しか負担していないように見えますが、給与水準を計算する際に、社会保険料を15％ずつ労使折半する建前で逆算するので、実質税率は45％ではなく60％なのです（わかりやすく控除等を除きます）。

財務省によると2020〜2023年の潜在的国民負担率（税金＋社会保険料）の平均値は6割弱でしたが、なるほど、つじつまが合います。これに対して、中小法人では実効税率が約20％にしかなりません。しかも、日本の法人の3分の2は赤字なので、7万円の住民税しか支払っていません。

このように、個人と法人とでは、実効税率は3倍以上もかけ離れています。そのため、サラリーマンがノーリスクで確実にお金持ちになるためには、税金面で優遇されているプライベートカンパニー（自分法人）を持ちつつ副収入を得ることが不可欠だと考えています。

もちろん、今すぐつくる必要はありません。まずはムリせず入門レベルの副業から始めてみましょう。

副業禁止に違反しない「副業ごっこ」から始める

ビジネスはざっくりと、入門・初級・中級・上級・特殊の5つにわけられます。入門レベルなら、誰でもできます。すでに持っているモノやスキルを活かせば、お金も時間もかかりません。

この段階の副収入は300万円以下のことが多いので、通常は雑所得となります。雑所得であれば副業未満です。それゆえ「副業ごっこ」といいます。

本業に差し障りがあったり、会社の信用を損ねたり、企業秘密を漏らしたりしない限り、「副業ごっこ」が就業規則違反になることはありません。しばらくは「副業ごっこ」を続けながら、自分にあったビジネスを探しましょう。

たとえば副収入が200万円の副業ごっこなら通常は雑所得で、しかも儲けが20万円以下になる可能性が高いので、その場合には所得税の確定申告さえも不要です。このレベルではプライベートカンパニーもいりません。副収入が事業所得や不動産所得になる前年に準備すれば、十分間に合います。

500万〜800万円になってからという人もいますが、それは個人事業主が法人成りする場合の話。サラリーマンは給与所得と合算されて課税されるので、そこまで放置すると税金と社会保険料が莫大になります。

会社にバレたり就業規則違反になる事態を避けるためにも先手を打ちましょう。住民税の均等割が毎年7万円かかりますが、雑所得レベルでも青色申告による節税ができるなど、メリットが上回ります。

もちろん専業主婦の妻の個人事業にできる場合は、そのかぎりではありません。ただし、扶養控除や社会保険などがからんできますので、しっかりと試算してください。

取り組んでいい副業は「稼げるライフワーク」のみ

取り組んでいいビジネスは「稼げるライフワーク」のみです。「稼げるライフワーク」とは、お金を稼げるうえに、夢中に感じる「やりたいこと」、もしくは使命を感じる「やるべきこと」。具体的には「物販ビジネス」「賃貸ビジネス」「情報ビジネス」の3つしかありません。

それ以外の「超高難度のビジネス」「ハイリスクビジネス」「労働集約型ビジネス」は除外します。まずは入門レベルから試しましょう。

物販入門はネットフリマやネットオークション。賃貸入門は駐車スペースのシェアや自宅をシェアする民泊など。情報入門はスポットでのコンサルティング、スキルシェアやインストラクターなどです。

共通点は、すでに持っているモノやスキルを流用すること。お金がかからないのでノーリスクです。特に物販は特別なスキルや知識がなくても誰でも試すことができます。

試すには1〜3カ月かかりますが、あっという間です。試して失敗するほど、経験値があがります。失敗こそが財産になるということ。やってみて初めて気づくことのほうが圧倒的に多いのです。試行錯誤を続けるうちに、徐々にコツがつかめます。

一通り試したら、長続きしそうなカテゴリを選んで、初級レベルに挑戦しましょう。

初級レベルは本から、中級レベルはセミナーも活用

物販初級はハンドメイドや転売など。賃貸初級は中古戸建てや中古ワンルームの賃貸など。情報初級はコンサルタント、ビジネス代行、カウンセラーなどです。初級レベルの共通点は、関連本を3冊以上読んで知識やスキルを学ぶ必要がある点です。

次が中級レベルです。物販中級はクラウドファンディングや輸入販売。賃貸中級は中古アパート賃貸。情報中級は講師やコンテンツホルダーなどです。

なお、賃貸や情報ビジネスは初級でも難易度があがります。同様に中級になると独学が難しいので、セミナーで学ぶのが一般的です。試行錯誤に時間と労力をかけるより、時間とスキルと安心をお金で買うほうが効率的ともいえます。

私たちが副業を始めたときは、いきなり中古アパートの賃貸から始めました。大家業で一番大切なスキルは事業計画と資金繰りと借入のスキルです。銀行員にとっては初歩のスキルなので、中級レベルでも大丈夫でした。とはいえ、落とし穴もたくさんあるので、セミナーでしっかりと学びました。

ヒトの体は食べたモノでできていますので、質のよい食事が大切です。同じように、ヒトの頭は学んだコトでできているので、質のよい学びも大切なのです。

坂下仁

お金のソムリエ協会会長

※本記事は『新版いますぐ妻を社長にしなさい』（フォレスト出版）の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。このメソッドによる結果に編集部は一切責任を負いません。自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。