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「家賃5万円のマンションで独居」「遺族年金が年60万円」…単身高齢者たちが明かすそれぞれの「金銭事情」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月14日 18時45分

「家賃5万円のマンションで独居」「遺族年金が年60万円」…単身高齢者たちが明かすそれぞれの「金銭事情」

(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化の進んだ日本社会。多くの人々が年金を受給する生活に移行しています。「配偶者なし世帯」の年金受給者は全体の35.0%を占めており、そのうち単身世帯は19.2%に達しています。単身で暮らす年金受給者の収入や支出、住居の実態を見ていきましょう。

年金受給者の年間収入・支出額

定年退職を迎え年金生活を送っている田中さん(仮名/72歳・男性)。年間収入は約220万円で、年間支出は約140万円です。持ち家に住んでおり、家賃の負担がないため、比較的余裕のある生活を送っています。

厚生労働省『年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)令和4年』によると、年金受給者(男性)の支出額階級は「100〜150万円」が最も多く、その次が「150〜200万円」となっています。収入額階級は「200〜250万円」が最も多く、その次が「150〜200万円」。平均的な暮らしぶりと言えるでしょう。

一方、佐藤さん(仮名/70歳・女性)は、同じく年金生活を送っていますが、年間収入は約180万円で、年間支出は約110万円です。賃貸マンションに住んでおり、毎月の家賃支払いが生活費に占める割合が高いため、支出を抑えるよう工夫して暮らしています。

前述の調査によると、年金受給者(女性)の支出額階級は「100〜150万円」が最も多く、その次が「50〜100万円」となっています。収入額階級は「150〜200万円」が最も多く、その次が「200〜250万円」です。こちらも平均的ですが、男女では差が見られることがわかります。

住宅の種類

年金受給者の住宅の種類については、全ての世帯類型において「持ち家」の割合が最も多くなっています。配偶者あり世帯では88.3%、配偶者なし世帯では70.1%が「持ち家」であると回答しています。

「持ち家」を除くと、単身世帯/男性は「民間賃貸住宅」が21.6%、単身世帯/女性は「高齢者向け施設等」が11.9%で最も割合が高くなっています。

山田さん(仮名/75歳・男性)は、配偶者に先立たれた後、持ち家に住み続けていますが、維持費や固定資産税の負担が大きく、生活費の大部分を占めているとのこと。

一方、川村さん(仮名/74歳・女性)は、夫の死後に高齢者向けの施設に入居しました。施設の月々の費用が年金の範囲内で収まっており、医療や介護の面でも安心して生活できると感じているということです。

一人暮らし・年金生活者のリアルな暮らしぶり

実際に配偶者なしの年金生活者がどのような生活を送っているのか、さらに見ていきましょう。

(1)高橋さん(仮名/80歳・女性)

高橋さんは、80歳で一人暮らしをしています。夫を数年前に亡くし、現在は年金と少しの貯金で生活しています。

年間収入は約160万円で、そのうち老齢基礎年金が100万円、遺族年金が60万円を占めています。持ち家に住んでいるため家賃の支払いはありませんが、固定資産税や家のメンテナンス費用がかかっています。

年間支出は約120万円で、生活費の大部分は食費と医療費です。定期的な通院と薬の購入から、医療費が高くなっています。

とはいえ持ち家に住んでいることで、家賃の心配がなく、精神的には安定しているということです。

(2)石井さん(仮名/78歳・男性)

石井さんは、78歳で賃貸マンションに住んでいます。年間収入は約190万円で、内訳は老齢基礎年金が110万円、老齢厚生年金が80万円です。

年間支出は約150万円で、その大部分を家賃が占めています。家賃は月々5万円程度ですが、他の出費も合わせるとギリギリの生活を送っています。

石井さんはできるだけ出費を抑えるため、公共料金の節約や食費の見直しを始めたということです。また健康維持のため、散歩や軽い運動を日課にしています。

年金だけでは不安定な生活になるため、時折短期のアルバイトを行い、少しでも収入を増やす努力をしていると語りました。

まとめ

配偶者なし世帯の年金受給者は全体の35.0%を占めており、そのうち単身世帯が19.2%です。これらの世帯における年金受給者は、収入や支出、住居の種類などでさまざまな課題に直面しています。

男女間での収入と支出の差、持ち家か賃貸かという住環境の違いなど、それぞれの状況によって生活の質が大きく異なることがわかります。

年金受給者が安定した生活を送るためには、収入と支出のバランスをしっかりと管理することが重要です。また、持ち家の維持費や賃貸住宅の家賃負担、高齢者向け施設の利用など、それぞれの住環境に応じた対応策を考える必要があります。将来的な生活設計を立て、必要な準備を怠らないことが、安心して年金生活を送るための鍵となるでしょう。

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