白状しなさい!享年90歳の母が残した「2冊の預金通帳」だったが…「400万円の不明な引き出し」が発覚。次女に向けられた疑惑の目
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月16日 9時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
いつかは誰もが直面するだろう親の死。それに伴い必ず相続が発生します。相続ではお金はもちろん、いろいろな感情が絡み合い、トラブルに発展することも珍しくはありません。よくあるケースのひとつが「遺産の使い込み」。意図的で使い込んでいるケースもあれば、意識せずに使い込みが行われているケースも。どちらにせよ、仲のいい家族でも一気に険悪になるきっかけになるものです。
終活で見つけたラジカセ。声で遺志を残す
株式会社NEXERとSAIKAI&COによる調査によると、「自分(配偶者)の親に行ってほしい(行ってほしかった)終活はありますか?」の問いに対して、「ある」が32.7%。具体的な内容として最も多かったのが「不用品の処分」で28.1%。27.2%と僅差で「資産管理」と続きました。
【不用品処分回答理由】
・自分で捨てるには思い出があって捨てにくいから。(20代・女性)
・家が物で溢れているので元気なうちに少しずつ整理していってほしいです。(40代・男性)
・不用品の処分に金がかかる。(40代・男性)
【資産管理回答理由】
・まったく知らないのでいざとなったときに困るから。(30代・男性)
・おカネのことは兄弟含めて死んだ本人だけの問題ではないから。(30代・女性)
・財産分与とかキチンとしとかないとトラブルになるから。(30代・男性)
では実際に終活を行っているかどうかというと、その割合は16.4%。具体的に行っていることとしては、圧倒的に多いのが「不用品の処分」で78.7%。「資産管理」40.2%、「電子機器のパスワード管理」33.5%、「保険の見直し」28.7%と続きます。
福田和子さん(仮名・当時80歳)は、長女の恵子さん(仮名・当時58歳)、次女の久美子さん(仮名・当時56歳)、三女の由美子さん(仮名・当時53歳)の子どもたちの手を借り、終活を進めています。
「もう少し早く始めていれば、もっと楽だったのに……」と和子さん。夫が亡くなったのは3年前のこと。そのとき色々と整理すればよかったのですが、いざ不用品を処分しようとすると、あれもこれももったいと感じ、終活を断念。今日に至るといった状況です。
しかし80歳を迎え、いつ、何があるかわからないと考え、終活を再開することに。ただ自分ひとりで進めようにも、きっと進まないだろうからと、娘たちの力を借りることにしたといいます。
実家から一番近くに住む次女は、週に1度くらいのタイミングで遊びに来ては、少しずつ不用品を処分していきます。車で1~2時間ほどかかる長女と三女は、実家に来られるのは2、3ヵ月に一度くらい。実家に行くタイミングを3人で合わせて、そのときは一気に不用品を処分する……そのような形で終活を進めていったといいます。
そんなとき、次女が発見したのが古いラジカセとカセットテープ。再生しようとしたら……きちんと聞くことができました。そこに入っていたのは、3人の娘たちが未来の自分に向けてのメッセージ。「やだぁー」とかいいながら、幼かった日々のことを振り返ります。おかげで終活は一時中断。テープに聞き入っていると、ふと三女が「名案!」と立ち上がります。
――せっかくだからお母さんの声を録っておこう
不用品の処分が終わったら、遺言書やエンディングノートをつくろうと考えていましたが、それを声で残してみたら、というのです。「面白そう」と長女と次女も大盛り上がり。娘たちにいわれるがままに、葬儀のことや遺産のことなどを録っていきます。「娘一人ひとりへのメッセージは、恥ずかしいから一人でいるときに録るから、と約束しました」と和子さん。声で遺志を残し、終活は無事に終了。それから和子さんがこの世を去ったのは、10年ほど経ってからのことでした。
亡父の遺影の裏に隠された2冊の預金通帳だったが
――実家なんて、2年以上ぶり
長女の恵子さん(68歳)と三女の由美子さん(63歳)。和子さんは亡くなる2年ほど前から施設に入っていたため、二人とも実家に行くことはなくなり、次女の久美子さん(66歳)も定期的に空気の入れ替えや掃除のために訪れる程度だったといいます。
母娘で終活を進めていたこともあり、遺品整理はあっという間に終了。ただ、そのなかで和子さんが残したテープが出てきて、3人とも大いに盛り上げることに。
いきなり始まった鑑賞会。テープは何本か見つかり、そのなかの1本だけが、新しく録音されたテープでした。「だいぶ前に録ったものだから、新しく録り直しました」という和子さんの声で始まったその内容は、遺産と遺産分割のこと。それによると、遺産はこの実家と預金通帳が3冊。そのうち1冊は年金が振り込まれるもので、日常使いのもの。残りの2冊は遺産として残すためのもので、通帳は父の遺影の裏、印鑑はタンス上段、着物と着物の間にあるといいます。
各々探すと、2冊の通帳と印鑑が出てきました(普段使いの通帳は、常時久美子さんが預かっている)。それぞれなかを確認すると、それぞれ1,000万円ずつ預けられていました。
ただ後日、首を傾げることが判明。最後の記帳が5年前だったため、念のため、実際に1,000万円ずつのお金が預けられているのか確認をしたところ、実際は800万円ずつ。つまりそれぞれ200万円、計400万円が引き出されていることがわかったのです。
また引き出し時期は、1年ほど前のこと。和子さんが施設に入居しているタイミングです。そんなときに、400万円もの大金が必要になるのか……答えは明確。怪しいのは、次女の久美子さんです。
恵子さんと由美子さんに「白状しろ!」と問い詰められた久美子さん。観念したのか、「1年ほど前に家の修繕費として母から援助してもらった」と告白。承諾をもらったうえで、それぞれの口座から引き出したといいます。
――家の修繕で400万円って……そんなにかかる? どこを直したの?
そもそも、母の承諾を得たかも怪しいところ。ふたりの厳しい追及は続きます。
相続トラブル典型パターン「遺産の使い込み」を防止する方法
相続トラブルにはいくつかのパターンがありますが、そのなかのひとつが「遺産の使い込み」。
そのなかでもよくあるケースとしては、施設に入っていた親の預金を勝手に引き出していたり、親の死後に勝手に引き出していたりするケース。親が収益物件を持っている場合だと、親の死後に賃料を独り占めするケース。保険絡みでは、親が加入している生命保険を解約して解約返戻金を受け取るケース。最近は株式取引がネットで行うようになったので、勝手にネット取引してお金を得るケースなども。
意図的に行っている場合もありますが、「親の世話をしているのだから当たり前」などと使い込んだ側が使い込みをしたという自覚がない場合も多く、問題をややこしくしています。
そのような問題が起きぬようにするのも、終活のひとつの目的。そこで有効なのが遺言書の作成です。具体的に遺産の内容、分割の方法を記しておけば、実際に使い込みがあった場合は気付くことができますし、事前に遺言内容を知らせておけば、遺産の使い込みを抑止することもできるでしょう。
遺言書には大きく、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つがありますが、よりトラブル防止を確実にしたいなら後者。遺言を書き換えられるリスクや紛失してしまうリスクがなく、納得感が得られやすい遺言書のカタチです。
ちなみに今回の事例のように声で遺言を残した場合、法で認められるものなのかといえば、残念ながら否。家族の思い出にしかなりません。
[参考資料]
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