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〈年金月23万円〉〈退職金2,400万円〉猛烈サラリーマンだった65歳父「そろそろ仕事を辞めてゆっくりと過ごすよ」と語っていたが…39歳長男、半年ぶりの帰省で絶句した「まさかの惨状」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月16日 5時15分

〈年金月23万円〉〈退職金2,400万円〉猛烈サラリーマンだった65歳父「そろそろ仕事を辞めてゆっくりと過ごすよ」と語っていたが…39歳長男、半年ぶりの帰省で絶句した「まさかの惨状」

(※写真はイメージです/PIXTA)

サラリーマンであれば、いつかは訪れる引き際。将来に対して経済的な不安がなくなれば「もうそろそろ、仕事を辞めても大丈夫」と自信を持てるでしょう。しかし、仕事を辞めることがマイナスに働くケースもあるようです。

「60歳以降も働きたい」は59.5%

高齢化に伴い、「歳を取っても働きたい」という人と、一方で人手不足により「歳を取っても働いてほしい」という企業側の思惑が一致。環境や法律も整備されてきたこともあり、定年後も働き続ける人が増えています。

内閣府『生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)』によると、「60歳以降も働きたい」という人の割合はは59.5%。その内訳をみていくと、「65歳くらいまで仕事をしたい」が25.9%、「70歳くらいまで」が8.0%、「60歳以もできるだけ長く仕事がしたい」と無期限で考えている人が25.7%でした。

60歳以降も働き続けたい理由として最も多いのが「生活の糧を得るため」で75.2%。「いきがい、社会参加のため」が36.9%、「健康にいいから」28.7%、「時間に余裕があるから」14.6%と続きます。ポジティブな意見も多いですが、働かざるを得ないというケースが4人に3人という水準です。

ちなみに世界を見渡すと、65歳以上の高齢者が最も働いているのは「モザンビーク」で75.17%。「中央アフリカ」「ブルンジ」「モルドバ」「東ティモール」と続きます。上位は発展途上国が多く、それだけ「生活の糧を得るため」という人が多いからと推測されます。

またG20だけに限定すると、トップは「インドネシア」で46.51%。「日本」は25.84%で第3位。先進国を中心とした場合は、やはり「働く高齢者が多い国」といえそうです。

【高齢者 労働力率(65歳以上)】

1位「インドネシア」…46.51%

2位「韓国」…38.82%

3位「日本」…25.84%

4位「サウジアラビア」…25.25%

5位「メキシコ」…25.14%

6位「インド」…22.8%

7位「中国」…21.46%

8位「米国」…19.2%

9位「アルゼンチン」…17.1%

10位「オーストラリア」…14.78%

出所:ILO 資料:GLOBAL NOTE

仕事第一だった父が退職…老後に不安は一切なしだったが

定年後も働く人が増えているなか、引き際は自分で考えないといけないのが、今どきのサラリーマン。橋本秀樹さん(仮名・39歳)の父、大二郎さん(仮名・65歳)は、年金の受け取り開始とともに、仕事を辞める決断をしたそうです。

社会人になったのは1980年代の前半。「24時間働けますか?」が流行語になるほど、日本人が猛烈に働いていた時代を駆け抜け、以降も仕事第一でバリバリ働く猛烈サラリーマンだったといいます。

――私が高校生のときに母が亡くなったんですが……男手ひとつで子どもを育てていかないといけない、というのもあったのでしょう。ますます仕事に猛進する父がいました

父が稼いでくれるからこそ、秀樹さんはじめ、3人の子どもたちは、大学、さらに弟は大学院にまで進学できたといいます。しかし「そんなに働いて、体は大丈夫なのか……」と常に心配していたとか。

――「そろそろ仕事を辞めて、ゆっくりと過ごすよ」と、ほっとしたというか……これからは健康第一で、毎日を楽しんでほしいですね

前出のとおり、高齢者になっても仕事を続ける一番の理由は「生活の糧を得るため」。その点、秀樹さんの父、大二郎さんは、年金は月23万円、退職金は2,400万円ほどあり、ほかにも預貯金なども含めると、今後に対して不安は一切ないといいます。

秀樹さん、実家に帰省できるのは年に2回ほどですが、「今度、帰ったときは、近場の温泉にでも行って、父の定年でも祝おうかと考えています」と計画をしていたのだとか。ところが、計画は頓挫。何があったのでしょうか。

それは夏の帰省時。ほか家族の予定が合わず、秀樹さんだけの帰省になったそうです。計画していたように、帰省2日目からは弟たちとともに秀樹さんが予約したちょっといい温泉旅館へ。しかし、半年ぶりに訪れた実家でみた大二郎さんの姿に、思わず言葉を失ったといいます。

食べ物が腐り、ゴミが散乱する実家。父は風呂にも入らず…

――どうした、父さん?

部屋は散らかり放題で、食べ物が腐ったすえた臭いが充満しています。いつからゴミ出しをしていないのでしょう。大きなゴミ袋が積み重なっています。また大二郎さん自身、お風呂にまったく入っていないのは明らかな風貌です。秀樹さんの問いかけに大二郎さんは「何もやる気が起きなくて……」と力なくつぶやいたといいます。

旅行は急遽中止し、病院へ。そこで、うつだと診断されたといいます。

――それまで仕事だけをしてきたような人だったので。仕事を辞めた途端、抜け殻のようになってしまったんでしょうか

厚生労働省『令和6年版厚生労働白書』によると2020年の精神疾患を有する外来患者数は、約586万人。「55~64歳」が71.4万人、「65~74歳」が69.4万人、「75歳以上」が136.2万人。高齢者においては、加齢に伴う心身機能の低下や社会的役割の喪失に伴う不安感の増大などが、うつの発症に関わっているといわれています。また認知症とうつは合併することが知られていて、認知症の前触れとしてうつが現れる場合も。

また白書では「心の健康によい影響を与えている人」として、「同居家族がよい影響を与えている*」の回答が67.3%と、別居の家族や、学校や職場の友人・同僚、近隣の人など、さまざまな関係のなかでも突出しています。反対の見方をすれば、単身の高齢者は心の健康に対して不安にさらされているといえるでしょう。

*よい影響を与えている、どちらかといえばよい影響を与えているの合計

秀樹さん、父の病に対してどうすべきか、きょうだいで話し合っているといいます

[参考資料]

内閣府『生活設計と年金に関する世論調査(令和5年11月調査)』

厚生労働省『令和6年版厚生労働白書』

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