お金が足りません…月収70万円・48歳大企業勤務のエリートサラリーマン。住まいは「東京・中野の築40年アパート」「家賃は月7万円」の切実理由
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月18日 7時15分
年収1,000万円の大台を突破したエリートサラリーマン。高給取りでも大変とはよく聞くものの、一般庶民からしたら「そんなことないでしょ」と鼻で笑うもの。しかし、本当に大変で、新卒サラリーマン並みの生活をしているエリートもいるようです。
イケオジ風のエリートサラリーマン…想像を裏切る質素なライフスタイル
「スーパーで買い物をするにしても、何でも高い!」と話す阿部哲也さん(仮名・48歳)。イケオジ風のその姿から、そのような所帯じみたい発言が出るとは、少々意外です。
大企業勤務で役職につき、明らかにエリートに分類されるだろう阿部さんの給与は、月収で70万円、賞与も含めた年収は1,200万円だといいます。厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、大企業勤務の役職付きサラリーマン(平均年齢47.4歳)の平均月収は55.9万円、年収で959.1万円。その平均を大きく上回る後藤さん、エリートといっても過言ではないでしょう。
【年齢別・大企業勤務「役職付き」サラリーマンの平均給与】
「20~24歳」…28.4万円/418.1万円
「25~29歳」…37.1万円/599.7万円
「30~34歳」…39.5万円/675.4万円
「35~39歳」…46.1万円/832.1万円
「40~44歳」…50.6万円/862.7万円
「45~49歳」…55.3万円/949.3万円
「50~54歳」…61.8万円/1,062.3万円
「55~59歳」…67.1万円/1,149.6万円
「60~64歳」…66.6万円/1,111.5万円
※数値左より月収/年収
所帯じみた会話のほかに、後藤さんについて驚かされるのはその住まい。都心からJRで20分ほどの「中野」駅、さらに歩くこと15分ほどの住宅街にある中古アパート。その2階に後藤さんの住まいはあります。
リノベーションしているというアパートは古さは感じませんが、実は築40年弱。間取りは1Kで、家賃は7万2,000円だとか。年収が大台を突破するエリートとしては、少々質素な暮らしを連想させますが、どういうことなのでしょうか。
――養育費が大変で……
エリートサラリーマン、5年前に離婚…当初の養育費は月16万円だったが
後藤さん、20歳の長男と、17歳の次男がいますが、5年前に離婚。性格の不一致によるもので、夫婦で話し合い、納得のうえで決まった円満離婚。だから慰謝料はなし。養育費は、当時の後藤さんの年収は850万円ほどだったので、相場は14万~16万円が妥当と、いったんは16万円となったといいます。
養育費の取り決めでよく挙げられるのが、家庭裁判所の「養育費の算定表」。家庭裁判所において養育費の金額を決める際に使われるもので、特別な事情がある場合には、養育費の増減の可能性があります。
養育費は親同士の事情で変わってくることも。たとえば病気で働けなくなったとか、逆に昇進して大幅に給与が増えたなど。
後藤さんの場合、この5年ほどで年収ベースで400万円ほど昇給。「養育費の算定表」を参考にすると22万~24万円程度となり、「もっと養育費をちょうだい」といわれかねませんが、元妻からそのような要求はいままで一度もなし。ただ現在、自主的に月30万円の養育費を渡しているといいます。
――長男が大学に入って、次男ももうすぐ大学受験。何かとお金がかかるタイミングですし、父親としてできるのはこれくらいなので。ただ……自分で決めたこととはいえ、大変ですね、毎月(笑)
月収70万円だと、手取りは48万円ほど。そこから30万円を引くと、残り18万円……400万円弱のボーナスがあるとはいえ、毎月の給与から生活費をやりくりすると、新卒社員のような暮らしを送らないとやっていけません。
【月収70万円・48歳サラリーマンの手取り額】
■額面…700,000円
■手取り額…481,926円
(天引き内訳)
・所得税…66,716円
・住民税…45,722円
・健康保険…35,500円
・厚生年金…59,475円
・介護保険…6,461円
・雇用保険…4,200円
※東京都在住と仮定
――夫婦の離婚に関しては、妻側の話がよくクローズアップされるじゃないですか。でも真面目に養育費を払っている人も多いんですよ。また扶養控除は相手にしか適用さえず、養育費を払っている私には適用されません。ちゃんとお金を払っているのに……ちょっと制度が追いついていない感はありますよね
厚生労働省『令和3年度 全国ひとり親世帯等調査』によると、離婚時に養育費を取り決めているケースは全体の46.7%と半数以下にとどまります。さらに離婚した父親から「養育費を現在も受けている」は28.1%に過ぎません。
そのため、養育費を受け取る側については問題視され議論を呼んでいますが、養育費を払う側については特に問題視されていないのが現状です。
どちらにせよ、親の都合で犠牲になるのは子ども。親が離婚しようがしまいが、子がちゃんと幸せになれる制度の構築が望まれています。
[参考資料]
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