2025年の節分は「2月2日」…日本の景気が良いという重要なサイン!?【解説:エコノミスト・宅森昭吉氏】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月20日 8時0分
(※写真はイメージです/PIXTA)
本連載では、約40年にわたり国内外の景気分析をしてきたエコノミスト・宅森昭吉氏が、景気を読み解くヒントとなる「身近な指標」を紹介します。今回は「節分の日付」と「景気局面」の意外な連動性をみていきましょう。
節分の日付は変動する
1985年から2020年の36年間にわたって、節分の日付は「2月3日」から動かなかった。そのため節分は2月3日だと思っている人もいるが、2025年の節分は「2月2日」になる。
節分とは、そもそも「季節を分ける」という意味で、本来は各季節の始まりである立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前日を指すものだったが、現在では立春の前日の節分だけが残った。
立春の日付は変動する。立春は春分や秋分と同じで、二十四節気のひとつだ。二十四節気は、1年の太陽の黄道上の動きを24等分して約15日ごとの節気に分け、季節の目安としたものだ。地球が太陽のまわりを回るのに、正確には「約365.2422日(約365日と6時間弱)」かかっている。そのため、4年に一度うるう年を設けて日数を調整している。1年ごとに6時間弱ずつ遅くなる一方、うるう年には4年前より少し早くなる。
4年に一度のうるう年の仕組みでは、詳細にみると、400年で3日ほど増やしすぎてしまう。そのため、うるう年を400年で3回減らしている。2100年のような「100で割れる年」はうるう年にはせず、2000年のような「400で割り切れる年」はうるう年のままとすることになっている。
近年の節分では、豆まきを行うほかに、恵方巻を食べる風習も全国的なものとなった。124年ぶりに節分が2月2日となった2021年では、節分のニュース報道が多くなり、恵方巻も一段と注目されやすかった。
家計調査の二人以上世帯のデータをみると、恵方巻が主だとみられる「すし(弁当)」は、2021年の節分の日には1世帯あたり平均608円89銭が購入され、それまで最高だった2018年の節分の日(544円66銭)を上回り、初の600円台乗せとなった。
これまでの「2月2日が節分にあたる年」はすべて景気拡張局面
立春などは、太陽と地球の位置関係で決まる。例えば、春分は太陽が真東から昇る日だ。こうした暦は国立天文台が決めていて、毎年2月に官報で翌年の分が発表される。正式には国立天文台の発表を待たなければならないが、2056年までは、4年に一度は2月2日が節分にあたると予測されている。
日本最初の資本主義的恐慌は「明治23年恐慌」だ。最初の景気循環の拡張局面では1892年(明治25年)11月を谷とし、1898年3月が山とみられている。2月2日が節分だった1893年と1897年は、日清戦争の好況を含む拡張局面だった。124年ぶりに2月2日が節分となった2021年も、2020年5月を景気の谷とする景気拡張局面だ。
これまでの「2月2日が節分にあたる年」はすべて景気拡張局面である。節分が2月2日になる2025年の景気も、拡張局面となることが期待される。
「2月4日の節分」が景気後退局面であったこともない
なお、節分は2月4日になることもある。直近で2月4日となったのは1984年(昭和59年)で、40年前だった。1952年から1984年まで4年に一度のペースで生じた2月4日の節分の時期も、景気後退局面になったことが一度もない。“通常の2月3日の節分”でないときは景気後退にならないというジンクスがありそうだ。
宅森 昭吉
景気探検家・エコノミスト
ESPフォーキャスト調査委員会 委員 ほか
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