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あなたの子守はごめんです。〈退職金5,000万円〉〈貯金6,000万円〉老後資金も潤沢の「60歳・元エリート商社マン」に三行半…58歳妻が「真の勝ち組」に上り詰めるまで

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月23日 5時15分

あなたの子守はごめんです。〈退職金5,000万円〉〈貯金6,000万円〉老後資金も潤沢の「60歳・元エリート商社マン」に三行半…58歳妻が「真の勝ち組」に上り詰めるまで

写真はイメージです/PIXTA

総務省の調査によると、65歳以上の夫婦の1ヵ月の支出は月25万円。仮に毎月5万円、預貯金を取り崩すとなると、30年で2,000万円近いお金が必要になります。そんな老後の対して準備万端。定年で仕事を辞めることができるのは、一部の高給取りだけです。なんとも羨ましいセカンドライフ……と思いきや、老後前に大きくつまづいてしまうケースもあるようです。

エリート商社マン、60歳定年で仕事を辞める余裕

現在、60歳を定年として以降も継続雇用制度で働ける企業の割合は6~7割といわれています。そのようななか、どれほどの人が60歳定年で仕事を辞めているのでしょうか。

総務省『労働力調査』によると、2023年、「55~59歳」の労働力人口率は85.2%「60~64歳」では76.0%。男女別にみていくと、男性「55~59歳」の労働力人口率は93.9%、「60~64歳」は86.8%。女性「55~59歳」の労働力人口率は76.4%、「60~64歳」は65.3%です。

*就業率と完全失業率を足したもの

60歳を境に、男性は7.1ポイント、女性は11.1ポイント、働いている人/働こうとしている人(=完全失業者)が減っているということ。単純に60歳定年で労働力人口の7%の人が仕事を辞めていると仮定すると、50~60代は各年齢およそ70万人ほどなので、毎年、約5万人が60代になるのを機に仕事を辞めているということになります。

高田秀樹さん(仮名・60歳)も60歳定年を機に仕事を辞めたひとり。辞めた理由は「老後の不安がなかった」という単純なものでした。

総務省家計調査によると、65歳以上の高齢夫婦の1ヵ月の支出は25万円、単身者であれば15万円。一方で収入=年金は、65歳以上男性で平均16万円、女子で10万円。年金の手取り額は額面の85~90%とされているので、共働き夫婦であれば年金の手取りは月22万円、単身のおひとり様男性であれば月14万円程度。つまり夫婦であれば月3万円、1年間で36万円ほど、単身のおひとり様男性の場合は月1万円、1年間で12万円ほど足りず、貯蓄を取り崩す必要があるということ。

高田さんの場合は……

――年金は私だけで22万円ほど。妻(58歳)は月8万ほど受け取れるようです。株式や預貯金を合わせて6,000万円、退職金は5,000万円ほど受け取りました。よほど散財をしない限りは、適度に遊んで生きていけるかと考えています

何とも羨ましい発言。というのも、高田さんは高給取りとして知られている総合商社業界を渡り歩いてきた人。エリートサラリーマンのなかでもトップクラスといっても過言ではないでしょう。

――私なんて大したことはないですよ。ほかの会社では、退職金1億円というケースもあるらしいので

早朝ゴルフから帰宅すると…ドラマで観たワンシーンが目の前に

ゴルフが趣味だという高田さん。いまも月1でコースに出て楽しんでいます。「定年後は週1回くらいで行けるといいですね」と話していましたが、そうはいかない事態になったといいます。

定年後、早朝からゴルフに行って帰ってきたときのこと。家には妻は不在、その代わり、テーブルの上には置手紙と離婚届。そう、ドラマや映画で観たワンシーンが目の前にあったのです。

「定年後もあなたの子守をするのはごめんです」

そう書かれた手紙を読んで、結婚30年強の日々を振り返ります。自分が仕事を頑張っていたからこそ、よい暮らしができていた自負はあります。子育てや親の介護について相談されたこともありましたが「家のことや子育てはすべて君に任せている」「君の家のことは君の家で解決すべきだ」などと突き放したといいます。それだけ仕事が多忙だったのです。普段の家事もすべて妻任せ。家にいれば、知らぬ前に食事が出てきて、いつでもきれいな服が用意されてある……そんな毎日だったといいます。

「家庭を顧みなかった代償か……」と悟った高田さん、急いで妻の携帯電話に電話をしてみるも、着信音は家のなかから聞こえてきます。携帯電話も置いて出て行ったのです。年賀状を取り出し、妻の親戚や知人にも電話をかけてみようと思いましたが、それはすぐに辞めることに。まだ離婚が決定していないなか、夫婦のいざこざを周囲に知られるのは恥ずかしいと思ったのだとか。

その後、妻側の弁護士から連絡があり、離婚に向けての協議が始まりました。離婚に向けての妻の意思は固く、半年の協議の結果、離婚が成立。

預貯金、退職金のほか、株式や投資信託、自宅、自動車……すべての財産を2分の1ルール適用で計算していくと、高田さんから(元)妻には8,000万円程度を分与することに。さらに65歳から受け取ることのできる年金も分割対象になったといいます。

財産分与の結果、現金はほぼすっからかん。仕方なく自宅と株式は売却し、代わりに郊外に30平米くらいのワンルームを購入。「ひとりで住むにはあの家は広すぎた」と強がっていますが、30平米のワンルームは元エリートが住むには狭すぎるでしょうか。

65歳から受け取れる年金額は15万円程度になる予定。それだけで足りるとは思えず、貯蓄を取り崩しながらの生活を余儀なくされそう。「ゴルフは週1で行きたい」と言っていた老後は一気に先行き不透明になったといいます。

高田さんの元妻。結婚10年ほど経ったころにはすでに離婚を決意していたと、弁護士を通じて聞きました。ただそのタイミングで離婚しても何のメリットもないので、高田さんが定年退職するまでは算盤を弾きながらぐっと堪えていたといいます。そんなことも露知らず、自由気ままな老後を夢見ていた自分が恥ずかしいと高田さん。

耐えに耐えた元妻が、最終的な勝ち組だったようです。

[参考資料]

総務省『労働力調査』

総務省『家計調査 家計収支編 2023年平均』

法テラス『財産分与とは何ですか。』

法テラス『年金分割とは何ですか。』

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