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成績優秀な「自慢の息子」のために尽くしてきたが…64歳・年金受給間近の会社員、想像もしなかった現実に思わずポツリ「あんなにお金をかけたのに」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月25日 8時45分

成績優秀な「自慢の息子」のために尽くしてきたが…64歳・年金受給間近の会社員、想像もしなかった現実に思わずポツリ「あんなにお金をかけたのに」

大学に通い卒業すると「学士号」が、大学を卒業した後に大学院に進学し2年間の修士課程を終えると「修士号(マスター)」が、さらに3年間の博士課程を終えると「博士号(ドクター)」が授与されます。教育資金の準備といえば大学4年間の費用だと考えがちですが、いまは大学院に進む人も少なくありません。その分費用もかさみますが、お金をかけたからといって子どもの人生が明るいものになるとは限らないようで……。詳しく見ていきましょう。

大学院に進学した人数が過去最多に

子どもを授かった瞬間から親が考えなければならないのが、子どもの教育資金のこと。高校までは公立であまりお金がかからなくても、大学では7割以上が私立に進学すると言われており、入学金や授業料を準備しておく必要があります。

さらに、大学を卒業した後に大学院に進学する可能性もあります。文部科学省「令和5年度学校基本調査」によれば、大学全体の在学者のうち学部生は約263万3,000人で過去最多。さらに、大学院生は約26万6,000人でこちらも過去最多となりました。大学院生の内訳は修士課程約16万8,000人、博士課程約7万5,000人、専門職学位課程が約2万1,000人です。

また、大学(学部)卒業者に占める就職者の割合は75.9%で、進学率は12.52%、さらに修士課程を終えた人の就職者の割合は77.4%、進学率は10.1%となっています。

大学を卒業した人のうち7割強は就職し、1割強がさらに勉強や研究をするために修士課程へ(残りの人たちは就職でも進学でもない道を歩んでいるようです)。そして2年の修士課程を終えた人のうち1割程度の人は博士課程にも進むといったことがデータからわかります。

つまり、大学院に進むことはめずらしいこととはいえません。すでに知られているとおり、特に理系においては学部によっても違いはあるものの、文系よりも進学率はかなり高くなっています。

大学院にかかる費用の実態…親の負担は大きい

では、大学院に行くとどれぐらいの費用がかかるのでしょうか。文部科学省の令和5年度「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果」によれば、修士課程において初年度にかかる費用は以下の通りです。

【私立大学大学院 修士課程 初年度費用】

・授業料:79万8,465円

・入学料:20万1,752円

・施設設備費:7万5,589円

・実験実習料・その他:5万8,784円

合計:113万4,590円

修士課程では、初年度に113万円ほどの費用がかかります。2年目は入学金がかからないと考えて単純計算すれば、2年間のトータルで206万7,430円かかることになります。

次に博士課程を見てみましょう。

【私立大学大学院 博士課程 初年度費用】

・授業料:60万4,592円

・入学料:19万2,686円

・施設設備費:4万9,733円

・実験実習料・その他:4万6,583円

合計:89万3,594円

こちらも同様に2年目、3年目は入学金がかからないとして単純計算すると、3年間で229万5,410円かかることになります。

あくまで目安であり実際には進学する大学院・学部によって変わりますが、私立の場合はそれなりに費用がかかることがわかります。

私立大学4年間だけでも、文系なら400万円程度、理系なら550万円程度かかるともいわれています。大学院に進むとなれば、上記のようにさらに費用がかかるうえ、もし実家から学校が遠ければ、一人暮らしが必要になり親から子への仕送りをするケースもあります。

手元資金が豊富ならば別ですが、やっとの思いで家計をやりくりしているという親もいるでしょう。

「それでも、この子の将来のために頑張ってお金を出してあげよう」

しかし、だからといってそれが報われるとも限らないようで……。例えばこんなケースです。

大学院を卒業した息子の「想像もしなかった未来」に愕然

山田義男さん(64歳)は地方の中小企業で働く会社員。60歳からは継続雇用で働いているものの、年収は600万円から450万円ほどに大幅ダウンしました。そんな山田さんの悩みの種は、同居する一人息子の和哉さん(30歳)の存在です。

小学校の時から勉強が得意で、中学・高校ともに地域でトップの学校に入学しました。山田さんにとっては自慢の息子。大学進学にあたっては、東京でも偏差値の高さで有名な私立大学に進学が決まり、仕送りをしながら通わせることに。

当時の仕送りは月9万円。もちろん東京でこの金額で生活することはできないため、貸与型の奨学金も借りることにしました。理系で授業が忙しくアルバイトも満足にできないことから、「困っている」と連絡がくれば月の仕送りとは別にお金を渡していました。

そして、4年間の大学が終わると2年間の大学院生活に突入しました。もちろんこれは入学時に想定していたこと。息子の通う学部では、大学だけでは学びきれないため修士課程に進む人が多いと聞いていたからです。

大学費用は準備していましたが、大学院の費用については深く考えていなかった山田さん。それでも息子のためならと、妻と共に家計をやりくりすることに。

こうして和哉さんは大学4年と大学院2年、多額の資金を費やしながら計6年の学校生活を送ったのでした。しかし……。

和哉さんは就職活動をしても一向に内定をもらえませんでした。自分が学んできたことを活かすことにこだわり職種を絞り過ぎた結果、選考通過は狭き門となっていました。さらに、対人関係が苦手で面接での評価も良くなかったのか、どこからも採用をもらえないまま卒業を迎えてしまったのでした。

山田さんは就職をあきらめないよう伝えましたが、和哉さんの心は既に折れていました。実家に舞い戻ってきた和哉さんは自宅にひきこもりがちになり、週2回のアルバイトに行きながら、そのまま30歳を迎えることに。

借りていた奨学金の返済も健康保険も年金保険料も、親である山田さんが支払っています。

「あんなに勉強ができたのに、あんなにお金をかけたのに……」

自分も給料が減り、もうすぐ年金暮らしになる身。この先どうなるのか憂鬱な毎日を送っているそうです。

子どもの人生は思い通りにならない、それでも……

子どもの教育資金をきちんと準備しておくのは親の義務ともいわれますし、お金が理由で勉強したいのに諦めてほしくないと思うのは当然でしょう。

しかし、お金をかけてあげたから将来が約束されるというものではありません。親も本人も想定していない未来が待っている可能性についても念頭に置いておく必要がありそうです。

【参考】

文部科学省「令和5年度学校基本調査」

https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/kekka/k_detail/2023.htm

文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」

https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1412031_00005.htm

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