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一番マグロ「1キロ10万円超え」なら“株高の年” 「初競り」と日経平均株価の関係【解説:エコノミスト・宅森昭吉氏】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月25日 14時10分

一番マグロ「1キロ10万円超え」なら“株高の年” 「初競り」と日経平均株価の関係【解説:エコノミスト・宅森昭吉氏】

(※写真はイメージです/PIXTA)

本連載では、約40年にわたり国内外の景気分析をしてきたエコノミスト・宅森昭吉氏が、景気を読み解くヒントとなる「身近な指標」を紹介します。今回は「マグロ初競り」と「日経平均株価」の意外な連動性をみていきましょう。

新春恒例の「マグロの初競り」に注目

魚河岸では新年の初日に、その年の商売繁盛を願ってさまざまな魚介類が通常より高い価格で取引される。なかでも毎年注目されているのが「マグロの初競り」である。

2024年1月5日早朝に豊洲市場で行われたマグロ初競りでは、青森県大間産クロマグロに1億1,424万円という最高値がついた。1億円を超えるのは2020年以来、4年ぶりのことである。

2024年の「一番マグロ」は1キロあたり48万円

2024年は、大間産のなかで最も大きい238キロモノが1番人気だった。「一番マグロ」の価格は1キロ当たり48万円と、過去4番目の高値となった。落札したのは、4連連続で仲卸業者「やま幸」と、その買い付けを依頼した「ONODERA GROUP」だった。

なお、「一番マグロ」という用語に関しては、日刊スポーツ(電子版)では近年、毎年の初競りごとに解説記事を出している。2024年1月5日の記事では、次のように説明している。

「鮮魚を対象とする市場では、価格の基準となるのは1キロ当たりの取引値になる。市場における『一番マグロ』も同様で、あくまで1キロ当たりの最高値を記録したマグロの呼称。初競りで話題となる大きなマグロの総額について高価であることから『一番マグロ』と勘違いされやすい。また、市場では1匹の総重量で価格を取り上げることはほぼない。報道する側が響きがいいので都合よく『一番マグロ』という言葉を間違って使っているケースは少なくない。」

(※引用:日刊スポーツ 2024年1月5日『デカいだけでは「一番マグロ」にはならない、1キロ当たりの最高値の呼称』)

一番マグロが「1キロ当たり10万円以上」の年は日経平均上昇

2019年には、すしチェーン「すしざんまい」を展開する株式会社喜代村が、史上最高値の3億3,360万円(1キロ当たり120万円、総重量278キロ)で落札していた。

一転して2021年・2022年はコロナ禍による消費不振が響き、一番マグロの価格もそれぞれ前年を下回ってしまっていた。

しかし2024年は、インバウンド客も増え、売上が大きく伸びるというコロナ禍からの本格的な回復が、競り値をつり上げる原動力になったようだ。

2024年の一番マグロを競り落とした「やま幸」の社長は、「三が日から暗いニュースが続くなか、少しでも明るい話題になれば」とコメントを残している。マグロはONODERA GROUPが国内外に展開するすし店「銀座おのでら」の表参道の店舗で解体され、複数店舗で提供された。

2008年から2024年までの17年間で、一番マグロの価格(1キロ当たりの金額)が10万円以上となったのは8回。このうち、2023年までの7回すべてにおいて、その年の日経平均株価は上昇した。上昇率の平均は+23.7%となった。

また、マグロ初競り価格が1億円以上になった過去3回においては、その年の日経平均株価は2ケタも上昇している。ご祝儀価格的な高額落札ができる年は、景気がしっかりしていると考えられる。

最高値が1億1,424万円、1キロ当たり48万円となった2024年の日経平均株価は、11月25日寄付きまでで+15.6%の上昇となっている。

宅森 昭吉

景気探検家・エコノミスト

ESPフォーキャスト調査委員会 委員 ほか

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