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年収1,000万円なんてこんなもん…42歳で部長に抜擢の〈大企業エリート〉。質素すぎる毎日に、部下「夢がない」「このままこの会社にいても」と絶望

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月28日 7時15分

年収1,000万円なんてこんなもん…42歳で部長に抜擢の〈大企業エリート〉。質素すぎる毎日に、部下「夢がない」「このままこの会社にいても」と絶望

写真はイメージです/PIXTA

会社員が給与アップを実現するための選択肢。最も身近なものといえるのが昇進です。会社内のランクが上がるごとに給与はうなぎのぼり……ただ、行き着く先に落胆するケースも珍しくないようです。

会社員の出世欲…男性40代、女性30代が転換点

株式会社マイナビが全国15歳以上を対象に行った『マイナビ ライフキャリア実態調査2024年(働き方・キャリア編)』によると、「昇進したい」という意欲は、「男性20代」で68.0%、「男性30代」で51.2%、「男性40代」で32.5%、「「男性50代」で27.1%と、年齢が上がるにつれて低下することがわかります。これは女性も同じような傾向で、男性は40代、女性30代で「昇進したくない」が「昇進したい」を上回ります。

昇進すれば、金額の幅はそれぞれでも給与アップにつながります。それにも関わらず、昇進したくないのはなぜなのでしょうか。役職なし正社員の昇進したくない理由として最も多かったのが「責任が重くなるため」で49.2%。「自分には向いていない」39.8%、「メリットが感じられない」38.1%、「家庭との両立が困難だから」16.7%と続きます。

年齢別に見ていくと、「責任」に対してネガティブに考えているのは「20代」で年齢とともにネガティブ傾向は低下。「適正」に対してネガティブに捉えているのは「30代」。実際に昇進の話が出て、自分の適性をネガティブに感じるタイミングでしょうか。「メリット」に関しては「30代」と「50代」がネガティブに捉えがち。「家庭との両立」に対しては「30代」。ちょうど結婚や出産など、大きなライフイベントが起きるタイミング。昇進による変化をネガティブに捉える傾向にあるようです。

【「役職なしの正社員」昇進したくない理由】

●責任が重くなるため

20代…55.3%、30代…54.8%、40代…52.2%、50代…42.8%

●自分には向いていない

20代…33.8%、30代…45.2%、40代…39.3%、50代…41.3%

●メリットを感じない

20代…36.4%、30代…41.0%、40代…36.8%、50代…40.1%

●家庭との両立が困難

20代…19.8%、30代…22.9%、40代…15.3%、50代…12.0%

異例の出世を果たした42歳・大企業部長の「あまりに夢のない話」

前述のとおり、サラリーマンにとって昇進は給与アップを目指すひとつの方法。

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、大卒サラリーマンの係長級は平均年齢44.2歳で、年収は674.4万円。課長級の平均年齢は48.6歳で、年収は877.82万円。部長級の平均年齢は52.6歳で、年収は1,053.1万円。部長にまで昇進すれば、年収は1,000万円の大台にのります。さらに企業規模別にみていくと、従業員1,000人以上の大企業であれば、30代後半の課長級で年収は1,037.0万円と大台超え。なんとも夢が広がります。

そんな出世・昇進にまつわる話をしてくれた、都内大手メーカー勤務の佐々木大輔さん(仮名・31歳)。憧れの先輩の課長が42歳の若さで部長に昇進したときのエピソード。その会社では、40代前半での部長昇進は異例中の異例だったとか。

――先輩のようになりたい

そんな憧れを口にしていましたが、詳しく話を聞いたところ、「まったく夢がない」「このままこの会社にいても……」と、軽い絶望を味わったとか。それは部長に昇進したあとの給与について、こっそりと教えてくれたときのこと。

――部長に昇進して、やっぱり給与は大台突破っすか?

お酒が進んでいたこともあり、無邪気に聞いてしまうという大失態。すると先輩もお酒が入っていたからか、詳細を教えてくれたといいます。42歳大企業部長の給与は以下の通り。

【42歳大企業部長の給与】

■年収(額面):11,800,000円、年収(手取り):8,095,920円

■月収(額面):650,000円、月収(手取り):445,962円

(月収天引き内訳)

・所得税:60,263円

・住民税:41,986円

・健康保険:32,500円

・厚生年金:59,475円

・介護保険:5,915円

・雇用保険:3,900円

年収は大台突破でも、手取りは800万円程度。やはり結構天引きされます。さらに住宅ローンの返済は毎月20万円程度。さらに最近は2人いる子どもの教育費などもかさばり、夫婦共働きで家計を支えています。

――うちは小遣い制で月5万円。会社では何かとお金を出す側だから、とても月5万円じゃやっていけない。毎日ランチは自作弁当。外食に出ているやつらが羨ましいよ

――週末は家事と子育てで終わる。自分の時間なんてないし、お金もないし

何とも質素・倹約な大企業部長。「まあ、年収1,000万円なんてこんなもんだよ」と達観したように話す先輩が印象的だったといいます。

――もっと毎週末にはゴルフにいったりとか、贅沢をしているかと思ってました

と佐々木さんがいうと、「うちの会社じゃ、役員にでもならないと無理だろ」と一蹴されたといいます。

――世の中の部長なんて、こんなもんだと思うよ。シングルなら話は違うかもしれないが

第一生命保険株式会社が行った『第35回 大人になったらなりたいもののアンケート調査』によると、小学生・中学生・高校生のなりたい職業のトップは、小学生女子を除いてすべて「会社員」。そんな子どもたちに対し、42歳大企業部長の現実は、あまりに夢のない話だったかもしれません。

[参考資料]

株式会社マイナビ『マイナビ ライフキャリア実態調査2024年(働き方・キャリア編)』

厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』

第一生命保険株式会社『第35回 大人になったらなりたいもののアンケート調査』

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