お父さん、ちょっとアフリカに行ってくる…〈60歳定年で退職金2,500万円〉〈65歳で年金月19万円〉、堅実に生きてきた55歳父が突然の早期退職。仰天行動に家族が絶句「うっ、うそでしょ⁉」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月28日 5時15分
写真はイメージです/PIXTA
会社を勤め上げたあとに始まる、定年後の生活。8割の人が不安を覚えていることが明らかになりました。そこでネックになるのがやはり「お金」。逆の見方をすれば、お金さえあれば安定した老後が約束されると考えているといえるでしょう。ただ誰もが「お金の不安がない安定した老後」を望んでいるわけではないようです。
「定年後が不安」が8割…ネックはやはり「お金」
Job総研が20~50代男女を対象に実施した『2024年 定年に関する意識調査』で、定年前後の働く意欲について聞いたところ、「定年前に辞めたい」が38.6%、「定年で辞めたい」が26.9%、「定年以降も働きたい」が34.5%。長い社会人人生、定年以降も働く意欲を持っている人たちは、3割強にとどまりました。
また定年に関しての意識として「定年は自分で決めたいか、それとも制度に従うか」と尋ねたところ、「自分で決めたい派」が74.6%。いつまで働くかは自分次第と考えている人が圧倒的多いことがわかりました。
また定年後の不安の有無については、「不安がある」が80.6%*。その具体的な内容として最も多かったのが「生活費や医療費への不安」で63.5%。「老後の生活設計」52.8%、「健康問題による活動の制限」41.3%と続きます。定年後、老後の生活も間近ななか、不安として大きいのはやはり「お金」と「健康」といったところ。
*「とても不安がある」「不安がある」「どちらかといえば不安がある」の合計
定年後の経済不安の有無については、「不安がある」が82.3%。具体的内容として最も多かったのが「年金額の不足」が56.8%、「現在の生活レベルの維持」が45.7%、「収入減の喪失」42.2%と続きます。
*「とても経済不安がある」「経済不安がある」「どちらかといえば経済不安がある」の合計
最後に「定年後に必要だと思う資金額」を尋ねたところ、平均が4,437.8万円、中央値が3,000万円、最頻値が3,000万円となりました。ただそんな老後資金、蓄えられるかどうかを尋ねたところ「蓄えられない」が43.9%*。4割以上が願いつつも「高い目標だな……」と半ば諦め気味であることがわかります。
*「まったく蓄えらえない」「蓄えられない」「どちらかといえば蓄えられない」の合計
定年まで5年…大手建設勤務のサラリーマンが早期退職を決めた理由
全体の4割が「定年前」に辞めたいと思う一方で、全体の8割が定年後に不安を抱え、特に経済的な不安が大きいことがわかりました。
そんななか、55歳で早期退職の選択をした町田誠二さん(仮名・62歳)。30年以上、大手建設会社に勤務。60歳の定年まで勤めあげれば退職金は2,200万円程度受け取ることができ、老齢年金は基礎年金と厚生年金合わせて月18万円ほど受け取れるはずでした。安定した老後の生活が約束されていたにも関わらず、なぜ?
――前年に、仲のよかった同期が亡くなりました。自分もいつまでも生きられるかわからない……今後の人生について考えるきっかけになりました
あと5年勤めれば、安定した老後が手に入る。しかし人生の4分の3が終わろうとしているなか、先は決して長くない……熟考を重ねた結果、町田さんは早期退職を決意。結果、退職金は800万円ほど少なくなり、年金は月2万円ほどダウンする予測。安定した老後が遠のくことになっても、町田さんがしたかったこととは?
――ずっと海外ボランティアに興味がありました。ずっと土木関連で働いてきた経験が、途上国の発展に生かせるんじゃないかと
定年後に……と考えていましたが、さらに年を重ねて老後が目の前に迫っているなかでは、決断できないかもしれない。また2人いる子どもはどちらも社会人となり、教育費の心配はもうない。「タイミング的にいまがベスト」と考えるようになり、決断に至ったといいます。
ところがひとつ問題が。家族への説明です。以前から海外ボランティアに興味があることを伝えていましたが、まさか早期退職までして実現させようとは思っていないでしょう。「あと5年、定年までは頑張れば」と反対されると考え、町田さん、家族には言わずに会社を退職。海外ボランティアに応募し、派遣先も決まったところで打ち明けたといいます。
――お父さん、会社辞めた。ちょっとアフリカに行ってくる
そんな告白を突然された家族。その時の反応は?
――元来、私は石橋を叩いて渡るような性格。そんな私が予期せぬ行動を取ったものだから、妻も子どもも口をパクパクさせていました。「う、うそ」というのが精いっぱいだったみたいです(笑)
2年間、アフリカでボランティアに従事したあと、その経験を活かし再就職。いまも途上国の発展に寄与するプロジェクトに関わっているとか。
――わたしが仰天行動に出たことが良かったかもしれません。妻も「私は私でやりたいことをやるわ」と楽しそうにしています
[参考資料]
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