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面倒、見てくれるでしょ…年金月15万円・田舎で独り暮らしの〈82歳義母〉が〈55歳嫁〉の前で号泣。「老人ホームを探している」と言い出せず懺悔

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月1日 5時15分

面倒、見てくれるでしょ…年金月15万円・田舎で独り暮らしの〈82歳義母〉が〈55歳嫁〉の前で号泣。「老人ホームを探している」と言い出せず懺悔

(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者の住まいとしてニーズが高まる老人ホーム。「一人暮らしはしんどい」と入居を決める場合も多いとか。家族としても高齢者の一人暮らしは不安なので「老人ホームに入ってくれたら嬉しい」というのが本音。しかし必ずしも老人ホームがベストの選択とはいえないようです。

田舎の実家にひとり残された母…子はどうすることもできず

内閣府『令和6年版高齢社会白書』によると、2022年、65歳以上のいる高齢世帯は全世帯の約半数を占め、高齢世帯の32.1%が夫婦のみの世帯、31.8%がおひとり様世帯です。また経年でその推移を見ていくと、この30年あまりで、夫婦のみの高齢世帯は4倍弱、おひとり様の高齢世帯は5倍強になっています。

【高齢世帯「夫婦のみの世帯」と「おひとり様」の推移】

▼1990年

夫婦のみの高齢世帯…231.4万世帯(21.4%)

おひとり様の高齢世帯…161.3万世帯(14.9%)

▼2000年

夫婦のみの高齢世帯…423.4万世帯(27.1%)

おひとり様の高齢世帯…309.7万世帯(19.7%)

▼2010年

夫婦のみの高齢世帯…619.0万世帯(29.9%)

おひとり様の高齢世帯…501.8万世帯(24.2%)

▼2022年

夫婦のみの高齢世帯…882.1万世帯(32.1%)

おひとり様の高齢世帯…873.0万世帯(31.8%)

おひとり様の高齢世帯は、孤独死、認知症の進行、詐欺等犯罪に巻き込まれるリスクなどの問題をはらんでいるため、どうにか回避したいと本人はもちろん、家族も思っているもの。吉田直美さん(仮名・55歳)もそう。田舎に住む義実家に住む義母・吉田妙子さん(仮名・82歳)。義父が亡くなり、3年ほど前からひとり暮らしをしています。

子どもは直美さんの夫である、次男の和樹さん(仮名・57歳)のほか、長男・達也さん(仮名・60歳)、長女・里美さん(仮名・54歳)の3人。実家を出たのは30年以上前のこと。実家へはそれぞれ、新幹線や飛行機を使って3~5時間ほどかかるところに住んでいます。

義父が亡くなったあと、ひとり暮らしに不安を覚えた妙子さんは、長男・達也さんに相談をしたそうです。遠回しに同居できないかと。ただその数が多かったようで、段々と長男家族は実家から遠ざかっていったといいます。

次のターゲットは長女の里美さん。同じように、遠回しに同居できないかと相談。同じく、その数が多かったようで、徐々に長女夫婦も実家を避けるようになっていったといいます。

実家にひとり暮らしは限界!?老人ホーム入居をひそかに進める3人の子

そうこうしているうちに、義母・妙子さんは足腰が弱くなり、歩行がおぼつかなくなっていったといいます。

――そろそろ母さんをひとりにするのも限界では

――だからといって同居は難しい

――知らない土地に母さんを呼び寄せるのも負担がかかるし

――老人ホームに入ってもらうしかないのでは

施設への入居というのが、子どもたちの総意でした。その様子を外野として見ていた直美さん。「高齢者のひとり暮らしは大変だし……仕方がないのかな」と思いつつ、本人不在のところで話が進んでいくことに、どこか悲しさを覚えたといいます。

3人は「今度帰省するときに、ある程度候補を絞って母さんに知らせよう」ということに。妙子さんの年金は月15万円ほどで、月額費用はそれで賄えるのがベスト。亡くなった父の遺産が残っているのであれば1,000万円程度の入居一時金がある施設も候補になる。また一度も田舎を出たことがない妙子さん、できるだけ実家に近いほうが環境が変わらず安心だろう……色々と条件を出し合い、さらに問い合わせをして、希望すればすぐに入居可能な3施設をピックアップ。パンフレットなどを持って帰省をすることに。

まず和樹さんと直美さん夫婦が帰省。その翌日には、達也さん家族と里美さん家族も合流できるとか。直美さんが帰省した日の夜のこと。ふと、義母・妙子さんと2人きりになったタイミングがあったといいます。そのとき、おもむろに妙子さんが直美さんに話し始めます。

――直美さんは、私の面倒、見てくれる?

――周りの人は施設を勧めるけど、他人とひとつ屋根の下に住むことに抵抗があって

――達也も、和樹も、里美も、みんな一緒には住みたくないと……避けるの

――もう誰も頼る人がいないの

話し終える頃には、声にならず号泣していた妙子さん。3人が老人ホームのパンフレットを持って帰ってくるとは、とてもいえない雰囲気が漂い、直美さんはただ「ごめんなさい」と心でつぶやくしかありませんでした。

今のところ、高齢者のひとり暮らしを不安視する親と子、問題の解決には至っていないといいます。

[参考資料]

内閣府『令和6年版高齢社会白書』

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