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アメリカ版“流行語大賞”に輝いた「Polarization(分極化)」と「Brainrot(脳ぐされ)」!2つの言葉が日本の流行語でも「適切」と言えるワケ<br />

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月12日 10時15分

アメリカ版“流行語大賞”に輝いた「Polarization(分極化)」と「Brainrot(脳ぐされ)」!2つの言葉が日本の流行語でも「適切」と言えるワケ&lt;br /&gt;

(※写真はイメージです/PIXTA)

12月2日に発表された「ユーキャン新語・流行語大賞トップ10」の年間大賞に選ばれた「ふてほど」(TBSドラマ『不適切にもほどがある!』から)。「そんなに使われていたっけ?」「不適切報道のこと?」と違和感を抱いたり、勘違いをしたりする人が続出していることが話題になっていますが、アメリカでも日本の流行語大賞にあたる「ワード・オブ・ザ・イヤー」が9日に発表されました。。果たして選ばれたワードとは?「ソフトバンク」孫正義氏の元右腕で、英語コーチング・スクールを営む三木雄信氏が解説します。

「ワード・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた2つの言葉が表す世相

アメリカで最も権威ある辞典で知られるウェブスター辞典で知られるメリアム・ウェブスターが2024年の「ワード・オブ・ザ・イヤー」を12月9日に発表しました。

「ワード・オブ・ザ・イヤー」は、日本の流行語大賞に当たるもので文化や言語における重要なテーマを象徴するものとして毎年話題となっています。オンラインでの検索件数のランキングをベースとして毎年、選定されています。

ウェブスターの2024年の「ワード・オブ・ザ・イヤー」は、「Polarization(分極化)」でした。ウェブスターは、「Polarization」を「2つの顕著に異なる対立グループに分裂すること。特に、グループや社会における意見、信念、または利害が連続体ではなく、対立する両極端に集中する状態」と定義しています。

また、ウェブスターの編集者であるピーター・ソコロフスキ氏は、「この言葉には少し皮肉なところもありますが、実際には誰もが同意するものです」として、この言葉が米国の選挙の結果の分裂を表現するためにメディアで広く使用されたと指摘しています。

ウェブスターの「Polarization」よりも前に、イギリスのオックスフォード英語辞典で知られるオックスフォード大学出版局も37,000人の投票の結果、2024年の「ワード・オブ・ザ・イヤー」を発表しています。オックスフォードが選んだ「ワード・オブ・ザ・イヤー」は、「Brainrot(脳ぐされ)」でした。

「Brainrot」はTikTok、X(旧Twitter)、インスタグラムでのSNSで多用された言葉です。ハッシュタグとして#Brainrotや#ThisIsMyBrainrotとして2024年に無数に使われました。

「Brainrot」は元々オンライン・コミュニティの言葉でした。たとえば、I have brainrot over this show!(もうこのショーで脳ぐされ) やThis game has completely rotted my brain(もうこのゲームは俺の脳を完全に腐らせちまった)などの用法で使われていました。

それが、より一般的に使われるようになり、何かに圧倒されたり夢中になったりすることを指すようになったとされています。

オックスフォード大学出版局によれば、「Brainrot」という言葉は、「特に、取るに足らない、または挑戦的でないとみなされる素材(現在は特にオンラインコンテンツ)の過剰消費の結果として生じると思われる、人の精神状態または知的能力の低下。また、そのような低下につながる可能性があるとされるもの」と定義されています。

また、同局は「弊社の専門家は、特にソーシャルメディアにおける低品質なオンラインコンテンツの過剰消費の影響に対する懸念を表現する言葉として、「brain rot」が今年新たに注目を集めたことに気づきました。この用語の使用頻度は、2023年から2024年の間に230%増加しました」と述べています。

日本でも起きていた「Polarization」と「Brainrot」な出来事

日本での2024年の流行語大賞は“ふてほど”でした。しかし、私は「Polarization」と「Brainrot」がアメリカとイギリスで「ワード・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたことは、これらの単語が広くTikTokやXなどのオンラインコンテンツの過剰消費による悪影響に対する社会的な懸念を反映している側面があり、日本にも当てはまると感じています。

たとえば、2024年には日本の政治の世界でも「〇〇現象」といわれるような特定の候補者がSNSの積極活用の結果当選し、そのあとに反動からかその候補についての批判が高まるような事態が起きることも連続しています。このことも「Polarization」の結果ともいえると思います。

また、日本でも「Brainrot」な現象が2024年には数多く発生していたように思われます。たとえば、SNS上での闇バイト募集などです。冷静に考えれば「ありえない」条件の案件に簡単に引っかかってしまう人が犯罪に手を貸し無数に逮捕されることになっています。このようなことはまさしく「Brainrot」の結果といえるのではないでしょうか?

私は、2024年の日本の「ワード・オブ・ザ・イヤー」でも「Polarization」の「Brainrot」のどちらか、またはどちらとも「適切である」と強く感じました。読者の皆さんはいかがでしょうか?

三木 雄信

元日本年金機構 理事

トライズ株式会社 代表取締役社長

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