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週3勤務で月収18万円の70歳・父、1年ぶり帰省の40歳・長男から「1,000万円貸して」と土下座の衝撃。悩んだ末「年金事務所」に駆け込んだワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月7日 5時15分

週3勤務で月収18万円の70歳・父、1年ぶり帰省の40歳・長男から「1,000万円貸して」と土下座の衝撃。悩んだ末「年金事務所」に駆け込んだワケ

写真はイメージです/PIXTA

長期休みの年末年始。普段は遠く離れて暮らす家族と、久々に再会できるとウキウキしている人も多いのでは。そんな久々の家族との再会で、衝撃的なドタバタ劇が繰り広げられることも珍しくないようです。

1年ぶりの長男家族の帰省に浮足立つ70歳の父

多くの人が9連休となる(だろう)今年の年末年始。何をして過ごすか、どこに行くか……いつもの年末年始よりも休みが長い分、さまざまな計画をしているのではないでしょうか。

JTBが全国15歳以上79歳までの男女を対象に行った『年末年始の旅行に関するアンケート』によると、「旅行に行く」と回答したのは、調査時点で18.6%。旅行に行かない人に理由を聞いたところ、最も多かったのが「年末年始はいつも家でゆっくりしているから」で36.9%。「年末年始は混雑するから」が30.4%のほか、「年末年始は旅行費用が高いから」23.9%、「家計に余裕がないので」23.2%と、何とも厳しい家計の状況が明らかになりました。

長い休みにも関わらず、多くの人が引きこもりがちな2024年/2025年の年末年始。それでも実家から遠く離れて暮らす家族にとっては、久々に帰省するチャンスです。旅行を計画している人のうち、帰省目的の人は22.0%。単純計算、100人いたら4人は遠く泊まりがけで帰省を予定しているようです。

そんな今年の年末年始ですが、昨年のドタバタ劇を教えてくれたのは、中田稔さん(仮名・当時70歳)。1年ぶりに長男家族(長男・長男妻・孫)に会えると、12月に入ってからは楽しみで仕方がなかったといいます。

昨年はカレンダーが悪く、休みは12月30日から1月3日までだったという長男。稔さんの自宅に来たのは、年末ぎりぎりの12月31日で、1月2日には帰ってしまうという短すぎる帰省だったとか。それでも飛行機を使って6時間もかけてきてくれるのですから、テンションが上がらないわけがありません。空港で1年ぶりに会ったときには、これでもかというほど、孫にほおずりをしたとか。

長男「2人きりで話がしたい」…そこで聞いた衝撃的な内容

70歳を迎えた稔さんですが、今でも週3日程度、仕事をしています。月収は18万円ほどになるとか。現役感があふれているからでしょうか、よく50代に間違えられるほど若々しいのが密かな自慢なんだとか。長男家族からも「本当、いつまでも元気ですよねぇ」と褒められて(⁉)ご満悦だったといいます。

ドタバタ劇の始まりは、帰る直前、長男が2人きりで話がしたいといってきたときのこと。真剣なまなざしに稔さんも緊張が走ったといいます。2人きりになったものの、何か言い難そうな様子。しばらくすると、長男は土下座をして「父さん、お金を貸してくれないか」と頼んできたといいます。突然の展開に唖然とする稔さん。

――おお、金か、な、何円だ?

理由を聞く前に、なぜか金額を聞いた稔さん。そこで指を1本立てる長男。「100万円?」と思っていたら

――いや……1,000万円

あまりの金額に腰が抜けそうになったという稔さん。詳しく話を聞くと、住宅購入の資金を援助してくれないか、という頼み事でした。「変な借金を作ってしまったのかと焦りました」と稔さん。昨今の物価高により住宅価格も高騰。コツコツとお金を貯めてきたものの、現在の頭金だけでは到底足りず。不動産会社からは「フルローンでも余裕ですよ」と軽いことをいわれましたが、それは抵抗がある。ずるずると悩んでいると、お目当ての不動産は買えず、どうしたものかと悩んでいたというのです。

この場では「とりあえず考えて、すぐに連絡する」と長男に伝え、可愛い孫ともお別れ。そして「1,000万円をどうするか問題」に取り組みます。

老後資金として用意している預貯金で援助することもできますが、そうなると自身の後ろ盾がなくなり、不安感が増します。また稔さんには長男のほか、次男もいます。長男だけ、というわけにはいかないでしょう。預貯金とは別に1,000万円を用意できないものか……。悩みに悩んだ末、思いついた妙案が。稔さん、年金事務所に走り、預貯金とは別に1,000万円を用意することができました。

それは、まだ受け取っていなかった年金。稔さんはまだ給与がもらえるからと年金を繰下げ。65歳での受取額の1.42倍の年金を請求するところでした。ただ実際の年金の請求時に繰下げ申出をせず、65歳到達時点の本来の年金をさかのぼって一括請求することも可能です。

稔さんの場合、65歳時点で基礎年金と厚生年金合わせて、月17万円の年金を受け取れるはずでした。その1.42倍の月24万円ほどの年金を受け取るはずでしたが、一方で繰下げではなく未支給分の年金を一括請求すれば、1,000万円強が手に入ることになります。

熟考を重ねた結果、1.42倍に増額した年金ではなく、長男への援助を優先した稔さん。「月17万円の年金でも十分、贅沢な生活ができますよ」と笑顔です。

ちなみに令和6年1月1日から令和8年12月31日までの間に親から住宅資金として贈与を受けた場合、省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円まで非課税。稔さんの長男の場合も、非課税で済んだようです。

[参考資料]

株式会社JTB『年末年始の旅行に関するアンケート』

日本年金機構『繰下げ受給』

国税庁『No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税』

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