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【会社設立】資本金を振り込む「最適なタイミング」と注意点【司法書士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月23日 8時10分

【会社設立】資本金を振り込む「最適なタイミング」と注意点【司法書士が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

「出資金の払込み」は、会社設立手続きにおいて欠かせない作業のひとつです。登記申請前までに必ず行いましょう。加陽麻里布氏(司法書士法人永田町事務所 代表)が、出資金を払い込むまでの流れや、手続き失敗を防ぐためのポイントをわかりやすく解説します。

登記申請に必要な「出資金の払込み」

出資金の払込みとは、会社設立時に発起人が資本金として会社に提供する資金を振り込む手続きのことです。払込みが完了することで会社の財務的基盤が形成され、登記申請に必要な条件が整います。

払込みが必要な理由は次のとおりです。

1.法的要件の充足:資本金の払込みを証明することで、会社設立の法的要件を満たします。

2.信頼の証:資本金は会社の信用力を測る指標となり、取引先や金融機関の評価に影響を与えます。

出資金を払い込む方法・手順

(1)発起人名義の銀行口座を使用

・出資金は、発起人自身の名義の銀行口座を利用して振り込みます。

・会社設立前の段階では法人名義の口座を開設できないため、個人口座を使用する必要があります。

〈ポイント〉

・振込先は発起人名義の口座である必要があります。

・発起人が複数いる場合、それぞれの口座から出資額を振り込むか、代表者の口座を利用してまとめて払い込む方法が一般的です。

(2)振込み後に証明書類を作成

払込みが完了したら、次の書類を作成・用意します。これらは登記申請に必要な重要書類です。

1.払込証明書

・出資金が正しく振り込まれたことを証明する書類です(図表)。発起人が作成し、任意で押印します。

2.銀行通帳のコピー

・通帳の表紙と、振込金額および振込日時が記載されたページのコピーを添付します。

〈注意〉

・口座履歴がデジタル化されている場合は、振込明細書を出力して使用します。

・振込金額は定款に記載された資本金額以上であることが必要です。

出資金払込時の注意点

1.払込みのタイミングを確認

・払込みは、定款作成後、登記申請前の間に行う必要があります。

・定款作成日より前に払い込むこともできます。しかし、その払込みが今回の会社設立の資本金として払い込まれたことを証明する必要があるため、定款作成日より後の日付に払い込むのが無難でしょう。

・登記申請前までに払込みをする必要があります。登記申請日より後は認められません。

2.名義と口座の確認

・出資金は必ず発起人自身の口座を使用してください。第三者や共同名義の口座は使用できません。

・出資者が外国人で日本の銀行口座を持っていない場合は、設立時取締役名義の口座に入金が可能です。この場合は、当該取締役が受領権限を有することを証明するため、発起人から委任状を提出する必要があります。

よくある質問

Q1:出資金は分割で振り込んでもいい?

⇒A.基本的には一括で振り込むことが推奨されます。分割で振り込む場合、全額が確認できる通帳記録が必要です。

Q2:資本金をあとから増やすことはできる?

⇒A.増資手続きを行うことで増やすことが可能です。

Q3:払込みが完了したあと、登記完了前に引き出しても問題はない?

⇒A.問題ありません。

Q4:出資金として設定した額が残高にある場合は、払込処理をする必要はない?

⇒A.口座残高が出資金額を上回っていても、出資金の払込処理は必要です。この場合、一度引き出して預入れをするなどして、出資金の払込処理を行った履歴をつける必要があります。

出資金払込みをスムーズに進めるために

出資金の払込みは、会社設立のなかでも重要なステップです。この手続きが正確に行われないと、設立全体のスケジュールが遅れる可能性があります。次のポイントを押さえてスムーズに進めましょう。

〈ポイント〉

1.発起人名義の個人口座を使用する。

2.払込証明書と通帳のコピーを正確に作成する。

3.資本金額を慎重に設定し、払込期限を守る。

加陽 麻里布

司法書士法人永田町事務所 代表司法書士

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