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ミスを隠そうとして〈逮捕〉にいたった事例も…間違いや失敗をしたときにとるべき「超シンプル」な対処法とは【医師・和田秀樹の助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月26日 7時15分

ミスを隠そうとして〈逮捕〉にいたった事例も…間違いや失敗をしたときにとるべき「超シンプル」な対処法とは【医師・和田秀樹の助言】

(※写真はイメージです/PIXTA)

「間違えてはいけない」「失敗してはいけない」と強く思い込んでいる人ほど、自分のミスを認めて適切に対処することが難しくなります。今回は精神科医・和田秀樹氏の著書『60歳を過ぎたらやめるが勝ち 年をとるほどに幸せになる「しなくていい」暮らし』(主婦と生活社)から、ミスをしてしまったときの対処法についてご紹介します。

ミスの発覚を恐れ、逮捕にいたった事例

「間違ってはいけない」「失敗してはいけない」という思い込みが強すぎるあまり、ますますひどい状況に自分を追い込んでしまう人がいます。

もう10年ほど前のことになりますが、2014年に起こった「遠足バスの手配ミス隠し問題」を覚えているでしょうか。これは、大手旅行代理店の社員が、高校の遠足バスの手配を忘れていたことに気づき、その責任を逃れるために生徒をよそおって「遠足を中止にしなければ自殺する」という手紙を送りつけた事件です。

学校はすぐに生徒の安否を確認し、遠足の実施を決めましたが、当日バスが来なかったことで手配ミスが発覚。この社員の自作自演も明らかになり、逮捕されたのです。

なぜ、この社員はミスに気づいた時点で上司に相談できなかったのでしょうか。この件では、社内のチェック体制や、職場の風通しを疑問視する声も上がっていて、個人の問題で片づけられないのは承知していますし、私はこの社員とは面識がないので彼の心理を一概には言うことができません。

ですから、あくまでも私の想像となりますが、この社員は「ミスをするなどあってはならない」と強く思いすぎていたのではないでしょうか。

もちろん、ミスをするのはほめられたことではありません。取引先にも迷惑をかけてしまいます。ですが、「自分は大きなミスをしてしまった」と素直に認め、開き直って対応策を講じていればよかったのです。そうすれば、別の人が代替バスを手配してくれたり、あるいは電車で行けるように高校側が行き先を変更したり、解決法が見つかったかもしれないのです。

少なくとも、警察沙汰になるようなことはなかったでしょう。

もっとも簡単なのは、間違いや失敗を認めて人に伝えること

「間違ってはいけない」「失敗してはいけない」と思えば思うほど、パニックに陥って冷静な判断ができなくなり、本来の「正しさ」からはほど遠い方策をとってしまいがちです。結果的に、それが事態を大きく悪化させることにつながってしまうのです。

ミスは「正しいこと」ではありませんが、「間違ってはいけない」「失敗してはいけない」と思い込みすぎるあまりに、それより本質的な「正しいこと」から逃れてしまうのは、本末転倒と言えるでしょう。

このタイプの人に必要なのは、まず「間違ってしまった」「失敗してしまった」と認めることです。もっとも簡単な認め方は、間違いや失敗を人に伝えることです。取引先を怒らせてしまったら、「取引先の人を怒らせてしまいました」と上司に報告します。プレゼンに必要な資料を忘れたら、相手に「忘れました。すみません」と言います。

人は、言葉にして初めてその事実を認めることができる側面があります。その時点では、その後の展開や解決策は考えなくてもかまいません。まず、間違いや失敗を認めるのが第一です。じつはこれはリスクマネジメントの基本中の基本でもあるのです。

また、人に言うことには、別の効果もあります。他人が助けてくれたり、あるいは「こうすればいいのでは」と、違う解決策を示してくれたりすることもあるのです。

問題に振りまわされて周囲が見えていない状態では、決して思い浮かばないような、しかし案外簡単な解決策は、意外と身近なところにあるものです。

和田 秀樹

国際医療福祉大学 教授 ヒデキ・ワダ・インスティテュート 代表 一橋大学国際公共政策大学院 特任教授 川崎幸病院精神科 顧問

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