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自分で会社設立するときの注意点【司法書士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月25日 8時10分

自分で会社設立するときの注意点【司法書士が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

会社設立を自分の手で進めることは、費用を抑えながらプロセス全体を把握できる魅力的な選択肢です。しかし、法律的な知識や手続きの正確さが求められるため、ミスやトラブルが発生しやすいという事実も見逃せません。ミスを防ぎ、スムーズに手続きを進めるためには、事前準備や各ステップでの注意点を押さえておく必要があります。本稿にて、会社設立を自力で行う際に特に気をつけたいポイントを見ていきましょう。加陽麻里布氏(司法書士法人永田町事務所 代表)が解説します。

会社設立を自力で進めるメリットとデメリット

〈メリット〉

●費用を抑えられる

専門家に依頼する場合の報酬が不要になるため、設立費用を削減できます。

●手続きの流れを把握できる

自ら手続きに取り組むことで、会社運営に役立つ知識が得られます。

〈デメリット〉

●手続きが煩雑で時間がかかる

書類作成や法務局での確認など、初めての方には時間的負担が大きい手続きです。

●ミスが発生しやすい

法的な要件を満たしていない場合、手続きが遅延し、スケジュールに影響が出る可能性があります。

●手続きを覚えてもあまり意味がない

多くの人にとって、会社設立は基本的に「一度限り」の手続きです。そのため、せっかく覚えてもその後に役立つ機会はなく、あまり意味がありません。

会社設立を自力で行う際の注意点

1.基本事項の決定:曖昧さを避ける

会社名や事業内容を決める際、曖昧な決定は後々のトラブルにつながる可能性があります。

・会社名(商号)

商号が他の企業と類似していると、商標権や商号権の侵害リスクがあります。事前に商号調査を行い、商標登録も確認しましょう。

・事業内容(目的)

許認可が必要な業種の場合、事業目的が適切に記載されていないと許認可が下りません。

⇒アドバイス:曖昧さを排除し、具体的かつ現実的な内容を決定することが重要です。

2.登記申請の書類整合性を徹底確認

登記申請には多くの書類が必要で、それらの内容が一致していないと修正を求められます。また、払込処理を失念して申請してしまった場合は登記申請が却下されます。

・記載内容の一貫性

定款、登記申請書、払込証明書などの内容に矛盾がないか確認しましょう。

・プロセスの厳守

設立登記申請までに行うプロセス(定款作成・出資金払込など)を確認し、確実に実行しましょう。

⇒アドバイス:テンプレートなどを活用し、書類内容の再確認を徹底しましょう。

3.許認可が必要な業種の事前確認

特定の業種では、設立時点で許認可を取得しておく必要があります。

〈許認可の例〉

・飲食店:保健所の許可

・建設業:建設業許可

・人材派遣業:労働局の許可

⇒アドバイス:定款に必要な文言が記載されているか、事前に管轄官庁や専門家に相談しましょう。

会社設立を成功させるカギは「準備」と「正確さ」

会社設立を自力で行う場合、時間と費用を抑えることができますが、そのぶん手続きの正確さが求められます。次のポイントを押さえれば、スムーズな設立が可能です。

〈成功のためのポイント〉

1.基本事項の決定は具体的かつ現実的に行う。

2.定款作成は事業目的や記載内容に細心の注意を払う。

3.出資金払込の記録を適切に準備し、証明書類を整える。

4.登記申請書類は一貫性を確認し、設立プロセスを守る。

5.許認可が必要な業種は、事前に定款文言を確認する。

もし手続きに不安がある場合や時間に余裕がない場合は、司法書士に依頼することで、手間やリスクを軽減することができます。

加陽 麻里布

司法書士法人永田町事務所 代表司法書士

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