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手取り24万円・36歳男性、「中の下」を自称…「80歳までこんな生活が続くのかと思うとぞっとします」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月11日 18時0分

手取り24万円・36歳男性、「中の下」を自称…「80歳までこんな生活が続くのかと思うとぞっとします」

(※写真はイメージです/PIXTA)

「下流老人」「老後破産」…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。老後に必要なお金、貯められていますか? 厚生労働省『令和5年 賃金構造基本統計調査』などとともにみていきます。

手取り24万円・36歳男性の「淡々とした日常」

清田さん(36歳・男性/仮名)。現在の収入は月30万円、手取り額は約24万円です。年に2回、ボーナスが支給されます。都内の1Kに暮らしており、家賃は管理費込みで8万円。会社からの家賃補助はありません。

「家賃を引いて、手残りが16万円程度。自炊もまったくしないですし食費が結構かさんでいます。エアコンも使いたいですけど、付けっぱなしにはできないなあ……」

「奨学金の返済がまだ終わらないので、日々の暮らしはキツいものがあります。有利子で、借入300万円ぐらいでした。正直、ただの借金じゃないですか。心理的にかなり苦しいです。大学に行けたのはありがたかったんですけど」

厚生労働省『令和5年 賃金構造基本統計調査』より学歴別の賃金を見ていくと、30代後半の男性では、大学院45万400円、大学37万4,800円、高専・短大32万2,800円、専門学校30万5,100円、高校29万5,400円となっています。

高卒と大卒では初任給が4万円以上変わり、生涯年収ともなれば4,500万円以上の差が開くといわれていますが、奨学金に苦しめられる生活は「あまりにも大きな代償」といえます。

奨学金返済をしないと、延滞金が発生します。勤務先に連絡が来るケースもあり、「借り逃げ」は当然許されません。

「大学時代に想像していた未来とはずいぶん違いますね、今。SNSで旧友を見ていると、こんなに道がわかれるのかと驚きます。僕は『中の下』といったところじゃないでしょうか」

ちなみに金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]』によると、借入金のない世帯も含む30歳代では、借入金の平均額は123万円です。借入金のある世帯のみに絞ると、借入金の平均額は629万円。借入金額の中央値は100万円となっています。

清田さん、貯蓄は満足にできているのでしょうか。

「まあ何もしないよりはいいかな……と」

「新卒のころから月1万円だけ定期預金をしています。年間で12万円というと少ないですが、まあ何もしないよりはいいかな……と。トータル150万円くらいにはなっています。あとは別口座に50万円程度あった気がします」

厚生労働省『2022年 国民生活基礎調査の概況』を見てみると、全世帯で「貯蓄がある」と答えたのは 82.4%で、「1世帯当たり平均貯蓄額」は1,368万3,000円円となっています。ちなみに高齢者世帯で「貯蓄がある」と答えたのは80.7%と少し下がりますが、「1世帯当たり平均貯蓄額」は1,603万9,000円となっています。

36歳の清田さんですが、自身の老後についてはどのように考えているのでしょうか。

「老後不安ですか。もちろんありますけど、正直なところ、深くは考えていないです。……なんか、25歳ぐらいで自分の時が止まっているんですよね。独身で、彼女もいなくて、毎日をなんとなく生きていたら、もう30代後半になってしまった」

最後に清田さんはこんな思いを吐露しました。

「最近はYouTubeを見たり、残っていた仕事を片付けたりして、休日が終わってしまうんです。今まで何していたんだろうかと思うときもあります」

「老い先、長いですね。80歳までこんな生活が続くのかと思うとぞっとしますが、だからといって、今さら何か新しいことを始める勇気もないんです。『こんなはずじゃなかった』と感じる一方で、『こんなもんだよな』と思う気持ちもある」

「諦め……でもないかな。ただ日々が過ぎていくのを、受け入れているだけです」

昨今の労働者は学歴や収入にかかわらず、奨学金の返済や生活費、貯蓄の不足といったあらゆる経済的課題に直面しています。こうした課題を克服するためには、早期からの計画的な貯蓄と、収入に見合った生活費の管理が重要です。また、奨学金の返済に対する理解とサポートが社会全体で必要とされています。

例えば、アメリカではPwCやFidelity Investmentsをはじめとしたいくつかの企業が従業員の奨学金返済を支援するプログラムを提供しており、こうした取り組みが日本でも広がることが期待されます。また、奨学金の返済に関する情報提供やカウンセリングを行うサービスの充実を期待してもよいでしょう。

経済的な課題克服と安定した生活のためには、社会全体での協力が不可欠であり、個人の努力だけでなく、制度的なサポートも必要とされています。

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