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年収380万円「氷河期ど真ん中」46歳会社員、不遇を受け入れて暮らしていたが…75歳父の病で事態が一変、思わず恨み節「試練が多すぎます」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月13日 11時45分

年収380万円「氷河期ど真ん中」46歳会社員、不遇を受け入れて暮らしていたが…75歳父の病で事態が一変、思わず恨み節「試練が多すぎます」

「就職氷河期世代の不遇」は多くの人たちの知るところです。春闘の33年ぶりの大幅賃上げでもその恩恵が薄いなど、その影響は20年たった今でも続いているという厳しい実情。さらに、氷河期世代の親は介護リスクの高い年齢に突入し、厳しい事態に追い込まれる人もいるようです。実態を見てみましょう。

不遇の時代が続く就職氷河期世代の実態

大学を1993年~2004年に卒業した現在40代半ば~50代前半の世代は「就職氷河期世代=ロスジェネ」と呼ばれ、就職に苦労しました。1993年といえば1991年のバブル崩壊の影響が出始めた時期です。

この時代の大学就職率は69.7%と平年より10%以上も低下。大卒求人倍率は2000年卒で0.99倍にまで落ちました。これは「就職活動をしても内定が1つも出ない可能性がある」ということです。

もちろん複数の内定を手にした優秀な学生もいたでしょう。しかし、「1つ内定が出れば御の字」「選べるなんて贅沢」という人も少なくなかったのです。やっと就職できても希望とはまったく違う職種ということもめずらしくありませんでした。

あれから20年の時が流れましたが、出だしでつまづいたことが影響し、今でも賃金の安い仕事をしていたり、非正規雇用で働いていたりする人が多くいます。

令和4年の国税庁の「民間給与実態統計調査」によれば、日本の平均年収は458万円。このうち正社員は523万円、非正規社員は201万円となっています。つまり、正社員と非正規社員では実に320万円以上の差が出ているわけです。もしこれが30年続けば、6,400万円以上、30年では9,600万円以上の差になります。

こうした状況を考慮し、厚生労働省は官民連携でさまざまな支援策を講じています。例えば『就職氷河期世代の方々への支援のご案内』というサイトを設け、氷河期世代で仕事に不安・悩みを抱えている人に向けて情報発信しています。また、『就職氷河期世代限定・歓迎求人』という採用検索ページも設置しています。

一方、氷河期世代でもなんとか安定を手に入れた、そんな人も「親の介護」という問題で窮地に陥るケースが増えているといいます。例えば、こんなケースです。

氷河期世代会社員の嘆き「試練が多すぎます」

地方の中小企業で働く佐藤俊哉さん(仮名・46歳)は、まさに氷河期ど真ん中世代。大学卒業時にはなんとか就職先を見つけたものの、不本意な就職だったといいます。

「100社以上受けて内容は1社だけ。まったく興味のない営業でした。でも、あそこまで落ちると、どこでもいいから入れてくれっていう気分になるんですよね。卒業した後に行く先が出来て心底ほっとしたのを覚えています」

しかし、入社すると長時間残業と過剰なノルマを強いられるブラック企業だったといいます。結局、1年後に退職。その後は2年ほどアルバイトで食いつなぎ、再び就職活動の末、事務系の仕事に就いたのだとか。

「給料は安かったですよ。当時、手取りで16~17万円だったかな。でも雇ってもらえるだけありがたいと思って働きました。そこからまた転職して30歳での会社に入ったんです。転職するときは前職の年収をベースに給料が決められて、やっぱり安いんですよ。本当はそこからもう一度転職したかったけど、リーマンショックがあったので機会を逃しました。毎年ちょっとずつ給料が上がって、ようやくこの給料になったんです」

佐藤さんの現在の年収は380万円。妻と小学生の子どもの4人家族で、世帯年収は650万円程度です。

「妻も同世代で、正社員ですが年収は200万円台です。子どもの将来のためにお金を貯めなければならないし、生活は質素なものです。でも私の世代は無職や非正規も多くて未婚率も高いっていうじゃないですか。私たちは夫婦で支え合えばなんとか暮らせるので、それよりマシかと思っていたんですが……」

しかし、75歳になる妻の父親が自宅で倒れたことで状況が一変しました。脳梗塞により介護が必要な状態になったのです。さらに、そこから認知症の症状も出てきているという状況です。

高齢の母だけで面倒を見るのは厳しく、老人ホームにいれようにも妻の親にはそんな貯金は残っていないことが判明しました。妻は自分の親だから面倒を見たいと言いますが、妻の収入が減れば、子どもの教育費の準備にも大きな影響が出ます。2人分の年収があってこそ成り立つ生活です。

佐藤さんは、自分たちの暮らしで精いっぱいで、自分や妻の父・母が亡くなったときのことは考えても、介護の可能性を真剣に考えられていなかったのだといいます。

「当面、妻の母が介護サービスを使ってなんとかしていますが、長くはムリでしょう。どうしたらいいのか。前向きに考えようとしていたけれど、こうやって追いつめられると恨めしくなりますね。思うように就職できなくて、頑張っても給料は上がらず、貯金も満足にできなかった。貧乏くじを引いた世代じゃないですか。そうじゃなければ介護の費用悩むことなんてなかったかもしれない……。いや試練が多すぎてしんどいです」

氷河期世代の親は70~80代と介護の可能性が高くなる年齢に突入しています。佐藤さんのように、子育てと介護が重なり苦しむケースが増えていく可能性も高くなっていくでしょう。もし非正規雇用などで年収が少なければ、一層厳しい事態に追い込まれることが予想されます。少なくとも、親が亡くなったときの話だけでなく介護状態になったらどうするのかを家族で話し合っておくことが大切でしょう。

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