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銀行口座、実印の置き場所、生命保険の見直し…帰省のタイミングでやっておきたい〈親の財産管理〉4つ【ケアマネジャーの助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月1日 10時15分

銀行口座、実印の置き場所、生命保険の見直し…帰省のタイミングでやっておきたい〈親の財産管理〉4つ【ケアマネジャーの助言】

(※写真はイメージです/PIXTA)

帰省のタイミングで親が管理している銀行口座や印鑑の置き場所などを確認しておくといざというときに慌てなくて済みます。本記事では、親のために子ができる財産管理の手伝い方について、ケアマネジャーの田中克典氏の著書『親への小さな恩返し100リスト』(主婦と生活社)より解説します。

預貯金口座を一つにする

預貯金口座を四つ五つ持っている人は少なくありません。目的別に使い分けている人もいますから、親自身がきちんと管理できていれば問題ありません。

しかし、人にもよりますが、親が75歳をすぎたら、口座の整理をすることをおすすめします。少なくとも、年金などの収入が入る口座と、光熱費などが引き落とされる口座は一つにまとめましょう。

入金用と引き落とし用の口座が異なると、引き落とし口座が残高不足になるケースがよくあります。年をとると、Aの残高が少ないからBから移そう、といった対応が難しくなるからです。口座を一つにまとめれば、通帳を見れば家計収支がわかります。「わかりやすい」ことが高齢の親にも、サポートする子にとっても大事なのです。

家計収支を把握することは、親の資産を守る基本です。また、定期預金は、満期になったら自動更新せず、普通預金に移しましょう。現在のような低金利では、定期預金にするメリットがあまりありません。今後、親に代わって子がATMで預金をおろす場合などの利便性を考えると、普通預金のメリットのほうが大きいと思いますね。

こうしたお金の話を、どう親に伝えるかが、実は一番頭を悩ませるところです。「お父さん、いろんな銀行に預けているようだけど、一つにまとめたほうがラクだし、安心だよ……ついでに、定期預金も普通預金に移しておく?」というようなアプローチで、無理強いしないことが大事です

親も実は、「口座いくつあったかな? まとめなきゃなぁ。定期預金もあったなぁ……」と頭の片隅で気になっているけれど、きっかけがなく、そのままにしているケースもあります。そのきっかけを作ってあげてください。

実印、銀行届出印の置き場所を知っておく

親の財産の確認やさまざまな手続きに必要なのが、実印と印鑑証明、銀行の届出印です。老人ホームの入居の際や、親の死後の手続きにも印鑑は必要になるので、どこに保管しているか、確認しておきましょう。

親は、リスク回避のために、それぞれ別の場所に保管していたり、貸金庫を利用している場合もあります。必ず親に聞いて、目で見て確認してください。

また、金融機関の通帳や証書の保管場所とキャッシュカードの暗証番号も聞いておくことをおすすめします。これも聞き出すタイミングに留意しましょう。前述の口座をまとめる際に一緒に聞くのも一案です。

キャッシュカードの暗証番号は、唐突に親に聞くと、「オレのお金を勝手に引き出すつもりか!」などと誤解を生むケースもあります。根底に親子の信頼関係があることが基本です。そして、暗証番号を共有するのは「もしものときのための備え」なんだと理解してもらうことがポイントです

生命保険の内容を一緒に見直す

何十年も前に生命保険を契約し、毎月、保険料が引き落とされているけれど、保障内容を忘れてしまい、保険証書も見つからない……高齢者には「あるある」なケースです。一度、親の生命保険をすべて棚卸しして、保障内容を確認し、今の親にとって、その保障が必要かどうか、見直しましょう。

もちろん親の意向を尊重して、判断は親に任せます。一方で、増やす保障としては、介護が必要になったときに給付金が出る介護特約や認知症特約は、長生きリスクの備えとして検討してみてもいいと思います。いざ介護が必要になったとき、特別養護老人ホームは空きがなく、1年2年待つケースも。保険の給付金が入ってお金に余裕ができれば、民間の老人ホームなど選択肢が広がります。

「介護が必要になったとき、私はなかなか来てあげられないから、こういう保険に入るのはどう?」と、子から親に提案するのも、親孝行の一つだと思います。

預貯金以外の資産についても共有

預貯金よりさらに把握しづらいのが、有価証券、ゴルフの会員権、不動産などの財産。これも親がしっかりしているうちに聞いておき、売る時や相続の際に必要な証書などの保管場所を確認してください。

不動産は親が住む家だけでなく、たとえば父親が昔、別荘を購入していて、子はその存在を知らなかったというケースもあります。また、借金やローンなどマイナスの財産がないか? も聞いておく。遺産相続の際、プラスの財産だけを相続することはできないので、子も把握しておくべきです。

親は言いにくいと思いますが、隠しているのも苦しいもの。子どもにすべて打ち明けて共有してもらうことで、少し肩の荷が軽くなるはずです。加藤茶さんがCMで、エンディングノートを書いて、「すっきりした」とつぶやくシーンがあります。親にとって自分の財産を洗い出して、見える化することは、まさに心がすっきりし、安心感を得られると思います

田中克典

ケアマネジャー

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