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定年後は「年金月35万円」で安泰のはずが…65歳で妻を亡くした夫の転落劇。子どもたちが半年ぶりの帰省でみた「驚愕の光景」に絶句

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月15日 8時15分

定年後は「年金月35万円」で安泰のはずが…65歳で妻を亡くした夫の転落劇。子どもたちが半年ぶりの帰省でみた「驚愕の光景」に絶句

(※写真はイメージです/PIXTA)

永遠を誓い合う夫婦ですが、必ず別れのときを迎えます。しかし男性のほうが残されることを想定していないようで、また「妻よりも先に逝きたい」という男性も多いようです。そんななか、妻に先立たれたら残された夫はどのように生きていったらいいのでしょうか。

母の看病のために仕事を辞めた父…3年の看病生活

山崎直樹さん(仮名・35歳)。62歳になる母を乳がんで亡くしました。大学進学時に家を出て20年あまり。実家に帰るのは盆と正月の2回ほど。いまさらながら、もっと頻繁に帰って親孝行をしたらよかった、そんな後悔の念が広がったといいます。それは山本さんの弟や妹も同様だったようです。

株式会社AlbaLinkによるアンケート調査によると、実家に帰る頻度で最も多かったのが「年2回」で18.6%。続いて「年1回」が18.2%。これは自宅と実家が遠距離の場合でしょうか。「月1回」 「2~3ヵ月に1回」がともに15.8%、 「月1回超」が13.8%。これらは自宅と実家が近距離の場合でしょう。

遠方に住んでいたら、年1~2回というのは決して少なくありませんが、家族の死を前にしたときには後悔になってしまうようです。

そんな後悔とともに山本さんが気になったのは、実家で暮らす父親(65歳)のこと。母親が乳がんに罹患した3年前に仕事を辞め、看病に専念してきました。仕事を辞めるとき、「65歳になったら、夫婦で年金は35万円ほどもらえる。何も心配ないさ」」と父親。夫婦水入らずの老後の生活を夢見ていましたが、それは叶うことはなかったのです。母親の看病に全力投球してきただけに、糸が切れてしまわないか……非常に心配だったといいます。

――一緒に住まない?

同居について言い出したのは、山本さんの妻。ずっとでなくても、落ち着くまで一緒に住むのはどうか、といってくれたといいます。そんな申し出に対し、父親は感謝を述べつつ拒否。子どもたちの家族に迷惑をかけるほうが負担だというのが、拒否の理由でした。

それから半年後、母が亡くなり初盆となるタイミングで帰省をした山本さん。弟家族や妹家族も勢ぞろいと、久々に賑やかな帰省になるはずでした。しかし山本さんが見たのは、あまりに衝撃的な光景でした。

チャイムを鳴らしても父親は出てくることはなく、預かっていた合鍵で家に入ると、モノの腐ったような臭いが鼻につきます。異変を感じ、山本さんだけが家のなかへ。ずっと掃除してなかったことは明らかなほど荒れ放題。キッチン・ダイニングには、いくつものゴミ袋が山積みになっています。そしてリビングの扉を開けると、山本さんの父親がぼんやりとテレビを観ていました。「あぁー、今日だったか、お前たちが帰ってくるの……」と弱々しい声でいう父親。目には生気がありませんでした。

パートナーとの別れに対し男性のほうが弱い傾向

配偶者を失うことは、精神的なストレスや孤独感を引き起こします。特に男性のほうが孤独感を覚える傾向が強いといわれています。また、妻が家庭内で果たしていた役割(家事や感情的なサポートなど)が失われることで、夫は日常生活の管理が難しくなることも。生活の質が大きく低下し、うつ病などの精神的な問題を引き起こすことがあります。

山本さんの父親はまさにこの状態。山本さんの問いかけに対して、「最近、何もする気が起きないんだ」「やっぱり寂しいんだ。早く、お母さんのところにいきたい」と繰り返し訴えます。

公益財団法人日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団によるアンケート調査によると、「自分と配偶者のどちらが先に逝きたいか(逝ってほしいか)」という問いに対して、どの年代の既婚男性も「妻より先に死にたい」と回答しています。また国立社会保障・人口問題研究所『2022年生活と支え合いに関する調査』によると、普段どの程度、人とあいさつ程度の会話や世間話をするかという質問に対し、「2週間に1回以下」と回答したひとり暮らしの高齢男性は15.0%。ひとり暮らしの高齢女性の3倍弱となっています。

平均年齢や夫婦の年齢差から、妻に先立たれるイメージを持っていない男性も多いでしょう。そのようななか、妻に先立たれたとしたら、そのショックの大きさは計り知れません。また、社会とは仕事でつながっているという男性は多いでしょう。仕事を辞めて社会とのつながりが薄くなり、さらに妻も失くしたら……山本さんの父親のように、抜け殻のようになってしまうケースも珍しくないようです。

山本さん、父親を病院に連れて行ったところ、軽いうつ状態という診断。しばらく、山本さんの妹が実家に戻り、身の回りの世話をすることにしたといいます。

[参考資料]

株式会社AlbaLink『【実家に帰る頻度はどれくらい?】男女500人アンケート調査』

公益財団法人日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団『全国の男女1000名に聞いた「人生100年時代の逝き方」』

国立社会保障・人口問題研究所『2022年生活と支え合いに関する調査』

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