1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

80代の両親、年金「月16万円」だが…「老人ホームの請求額」に子撃沈

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月12日 20時0分

80代の両親、年金「月16万円」だが…「老人ホームの請求額」に子撃沈

(※写真はイメージです/PIXTA)

下流老人、老後破産…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。自身の老後のために貯蓄したいところですが、現役世代には「親の介護」も重要な課題となっています。厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』等の結果と共に、老人ホームの費用についてみていきます。

年金だけでは「介護施設代」はとうてい払えない

「認知症になっても自分でなんとかするから。気にしなくていいから」……そのように両親から言われている人もいるかもしれませんが、実際にはそうもいきません。親が倒れれば、子どもに連絡がいくものです。独居している親が亡くなった場合には、警察などからも連絡が来るでしょう。

超少子高齢社会において、「親の介護」は多くの世代にとって頭を悩ませる問題です。もちろん介護施設に入所させるにもお金がかかります。親の年金で賄えればいいですが、そうもいかないのが現実であるようです。

まずは年金。介護施設入居者の平均年齢は、介護付ホームでは85.7歳、住宅型ホームでは83.3歳、サービス付き高齢者向け住宅では82.1歳であることを踏まえ(平成26年 公益社団法人全国有料老人ホーム協会『有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査研究事業』)、80代高齢者の年金を見てみましょう。

厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、80~84歳の高齢者が受け取っている平均年金額は、厚生年金が月15万4,860円、国民年金が月5万6,139円。85~89歳では、厚生年金が月15万9,957円、国民年金が5万6,044円です。

厚生年金の受給状況を男女別に見てみると、男性では月額17~18万円、女性では月額9~10万円支給されている割合が最も高くなっています。

では、介護施設代はいくらなのでしょうか。

老人ホームの入居代に関しては、利用者の所得が低い場合は補助給付が適用され、費用は数万円から十数万円程度に抑えられることもあります。しかし、一般的な企業で定年まで勤めたホワイトカラーの方が特別養護老人ホーム(特養)の個室ユニットに入所し、プライバシーを確保しながら暮らす場合、月額で約20万円の費用がかかるとされています。

子どもの「負担額」は壮絶なことに…

80代の年金受給額では、月額20万円もの介護施設代を賄いきれないことがわかります。総務省『家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)Ⅱ 総世帯及び単身世帯の家計収支』によると、高齢夫婦無職世帯の家計収支の平均は、実収入が24万4,580円。うち21万8,441円が年金を主とした社会保障給付です。

貯蓄があれば切り崩すことも可能ですが、両親あわせて40万円もの介護施設代が請求された場合、子どもは月に10万円ほどの負担を強いられることになります。

一方、在宅介護を選択した場合。家計経済研究所『在宅介護のお金と負担 2016年調査』によると、在宅介護で1ヵ月あたりにかかる費用は、全体平均で5.0万円、要介護5認定だと7.5万円になります。なお全体の中央値は3.3万円です。高額な介護サービスを使う世帯によって平均の介護費用は大きな影響を受けたようです(介護サービスにかかる金額の平均は1.6万円)。

在宅介護では、両親の年金で日々の支出を賄えるといえましょう。ただ、骨折などで歩くのが困難になったら、車いすの手配や家のリフォームも検討されます。加えて在宅介護では「時間」の面も負担になることは明らか。

厚生労働省の『2022年 国民生活基礎調査の概況』によると、在宅介護にかける時間は「ほとんど終日」が19.0%、「半日程度」が11.1%、2~3時間程度が10.9%です。また、要介護4では41.2%が「ほとんど終日」要介護5では63.1%が「ほとんど終日」と回答しています。

いずれにせよ、子ども世代には、「老後のための貯蓄」もさることながら「親の介護のための貯蓄」が必要になっているといえるでしょう。資産形成の重要性がますます高まっています。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください