うっ、嘘だろ…年収740万円・43歳サラリーマン、息子が「名門私立中高一貫校」に合格に歓喜も、2年後に聞く「長男の衝撃告白」に呆然
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月17日 5時15分
※写真はイメージです/PIXTA
我が子の中学受験に熱を入れる親。その想いはさまざまですが、「一流大学付属なら、一流大学への切符が手に入る」というメリットに魅力を感じるケースも多いでしょう。子どももそのメリットを十分に感じている……とは限らないようです。
息子が名門私立中高一貫校に合格した親の想い
森健太さん(仮名・43歳)。現在、中学校3年生になる長男が、高校受験に向けて追い込みをかけているといいます。勉強机に向かう後ろ姿をみて、小さく「がんばれっ」と声をかける。そんな光景が受験生のいる家族の定番シーンですが、森さんは小さくため息。実は長男の拓海さん(仮名)が通うのは、名門私立中学校。全員ではありませんが、内部進学で都内の一流私立大学に進むことができます。しかし拓海さんは苦労して入学した学校を辞めて、高校受験をしたいといいだしました。
中学受験は特に大都市部であれば、もはや当たり前。東京都23区では4人に1人が、そのなかでも特に私立中学進学率の高い「文京区」では、2人に1人が私立中学に進学しています。
中学受験においては、子どもよりも親のほうが熱心であるのは、多かれ少なかれ、どこの家庭も同じ。中学受験に対する思いはそれぞれですが、大学附属中学を希望する親の多くが内部進学に注目。中学受験を突破したら、一流私立大学への切符が手に入る……子どもをエリート街道に乗せたいという親の想いが存分に込められています。
森さんの場合もそう。森さん自身は地方の私立大学の出身。就職を機に上京してきましたが、嫌というほど、学歴格差を目の当たりにしてきました。その最たるものが給与。現在の給与は月収で47万円、年収で740万円ほど。同年代の大卒サラリーマンに比べて、平均以上という自負があります。しかし初任給は明らかに同年代よりも低く、他と比べては惨めな思いをしたとか。そこから歯を食いしばって、やっとここまで来た……そんな想いが森さんにはあります。
厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、大卒40代前半サラリーマンの月収は中央値で36.3万円。推定年収は566万円。これが大卒サラリーマンのちょうど中間です*。上位25%では月収46.2万円、推定年収は720万円。森さん、現在は上位4分の1に入るだろう給与を手にしています。
*平均値より、年収=月収の15.6倍として算出
――もともと学歴の高い人は、最初から給与も高いですよ。こんなに頑張らなくてもいい人たちを私はみてきました。息子には私のような苦労はしてほしくないんです
拓海さんの中学受験は、森さん夫婦の頑張りもあり、第一志望の有名私立大学附属中学校に合格。
――自分の受験のときよりも、ずっとうれしかったですね。合格がわかったとき、思わず大声でやったーと叫びましたもん
名門私立中高一貫校を辞めたいという息子の想い
たとえば慶應義塾大学の場合、中学校は3つ、高校で5つあります。中学校から高校への進路に一定の道筋がありますが、高校からの内部進学率は高く、95%を超えています(慶應義塾の場合、付属校ではなく一貫教育校といいます)。進学できる学部は成績順などで決まり、最難関学部の医学部は各校に定員の3%ほどが割り振られ、成績トップの生徒が進学します。
早稲田大学の場合は、中高4校のほか、高校は早稲田大学本庄高等学院など3校があります。中学・高校には付属校と系属校があり、付属校は「早稲田大学高等学院」と「早稲田大学本庄高等学院」の2校。推薦枠はどちらも約100%。系属校は経営母体が大学とは異なり、推薦枠は、「早稲田実業学校高等部」は約100%、「早稲田高等学校」は約50%などまちまち(関連記事:『〈早稲田大学〉を目指した中学受験組の親子「内部進学」の落とし穴に仰天)』)。
一流私大の内部進学といってもいろいろとありますが、拓海さんが通う学校では、希望学部に進学できるかはさておき、ほぼ100%内部進学可能。そのあたりもきちんとリサーチのうえ、第一志望を決定。森さん、抜かりはありません。
しかし、拓海さんが中学2年生を終えるころ、突然の告白がありました。
――お父さん、お母さん、高校は別の学校に行きたい
子どもがエリート街道に乗ることができたと安心しきっていた森さん夫婦には寝耳に水。学校生活では勉強も部活も頑張って充実している様子。特に懸念することはありませんでしたが……「ちょっと疲れちゃんだよね、学校の雰囲気が」というのが拓海さんの主張です。
ほぼ内部進学で大学までいけるとはいえ、常に高い学業成績が求められるため、精神的なプレッシャーが大きかったよう。小学校では常にトップでしたが、名門校では下位クラス。周囲との比較からストレスを感じることが多かったようです。また名門校では特定の層の子どもたちが集まります。似た者同士……これを良くとらえるかは、悪くとらえるかは人それぞれ。拓海さんは地元の公立中学校に進学した旧友たちの話から、多くの刺激を受けていたよう。今いる環境が狭苦しく感じてしまったようです。
そんな息子の主張に、呆然としてしまったという森さん。一方で妻は、どこか思い悩んでいる息子の姿をみていて、その選択を尊重してあげたいというスタンス。家族のなかで、すでに2対1。最終的に森さんも応援するといいつつも、いまだに納得がいかないといいます。
あんなに苦労した中学受験の日々は何だったのか……思わず遠い目をしてしまうといいます。
[関連資料]
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