お母さん、どうして?家族のために寝ずの介護を続けた52歳主婦、79歳母が発した「ありえない一言」に怒りの涙
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月15日 11時45分
親の介護が必要になったとき、子どもの中で誰が面倒を見るのかでもめてしまうケースは少なくありません。今回は、家族のためならと名乗り出たにも関わらず最終的に悲しい思いをすることになった女性の事例と共に、家族と介護の実態を見ていきましょう。
親の介護を担うのは誰?
生命保険文化センターの資料によれば、年代別人口に占める要支援・要介護認定者の割合は70代では17.6%。しかし、80代になると85.5%が何らかの支援・介護を受けているという結果で、誰にとっても介護は他人事ではないことがわかります。
【年代別人口に占める要支援・要介護認定者の割合】
・40~64歳:0.4% ・65~69歳:2.9% ・70~79歳:5.8% ・75~79歳:11.8% ・80~84歳:26.0% ・85歳以上:59.5%
※出典:生命保険文化センター資料<厚生労働省「介護給付費等実態統計月報」/2023年9月審査分、総務省「人口推計月報」/2023年9月確定値をもとに作成>
では、誰が介護を担っているのでしょうか。LIFULL seniorが2022年に行った「介護の実態および意識に関する調査」では、「親の介護を誰がメインで行ったか」という質問をしています。
【親の介護を誰がメインで行ったか】
・長男:29.1% ・長女:20.2% ・親(被介護者)本人の配偶者:14.8% ・次女:10.3% ・次男:8.9% ・長男の配偶者:8.4% ・三女:2.0% ・その他:2.0%
※出典:LIFULL senior「介護の実態および意識に関する調査」このように、長男・長女が半数近くを占めるという結果に。かつて「長男の嫁が介護をする」のが一般的という時代もありましたが、今は「実の親の面倒は、子ども自身がみる」という方向へ変化しているようです。
長男・長女がその下の兄弟姉妹より割合が多い理由は、「兄弟姉妹の中でも年齢が上の人が責任を持つのが当たり前」という、家族の中で自然と確立されたポジションゆえかもしれません。
しかし、どうしても任された人に負担が集中することから、家族関係が崩壊に向かってしまうことも。例えばこんなケースです。
介護を一手に引き受けた52歳長女だったが…
田中良絵さん(仮名・52歳)は、大学生と高校生の子どもを抱え、日中はパートに出るなど忙しい日々を過ごしていました。
ある日、父の死後一人暮らしをしていた79歳の母が倒れたという一報が入りました。母親は家の玄関で転倒し背中を強打。これが原因で介護が必要な状態になってしまったのです。
しかし、母は施設ではなくどうしても自宅で生活したいと言い張ります。そこで良絵さんは2歳下の妹、美代さんに相談することにしました。
妹は母の家のすぐ近くで一人暮らしをしています。フリーランスで在宅の仕事をしていますが、収入が安定せず母からお金を度々お金をもらい、ちゃっかりそのお金で旅行に行くなど、昔から甘え癖がある性格でした。そういった話を聞くたびに、良絵さんはもやもやと微妙な感情を抱えていたといいます。
そんな妹に、半々で母の介護をしないかと提案した良絵さん。しかし妹はそれを軽く断ってきました。自分は独り身で誰も助けてくれないから、仕事の時間は削れない。夫がいる良絵さんが面倒を見るべきだというのです。
あれだけ甘えてと呆れたものの、良絵さんは責任感の強さもあり、自分一人で母の介護をする決意を固めました。
「あまりにひどい」母親の介護を放棄した理由
介護のために隣町の実家まで通う日々は想像以上の負担でした。母はといえば、長女がやるのが当たり前と思っているのか、妹が介護を手伝わないことには何もいいません。
しかし、自分がやらなければと、パートも辞めて寝る時間を削りながら介護を続けていました。そんな良絵さんに事件が起きます。ある日、母は自分が住む家や貯金などの遺産について、こんな話をしてきたのです。
それは、自分が死んだら一人暮らしで苦労している妹に多く遺産をあげたい、そういうことは可能なのかという内容でした。
法定相続分は均等で2分の1ずつですが、何もしていない妹に遺産を多くあげたいという母の言葉に、良絵さんは怒りでいっぱいに。母と妹に、もう面倒は見ないと宣言しました。長女だからと我慢してきたことが色々あるが、限度があると縁を切る覚悟です。
親の介護の場面において不公平感や不満が出ることは少なくありません。上記とは逆に、親の介護をした側が「面倒を見なかった兄弟姉妹に遺産が等分に行くのはおかしい」と主張するケースもあります。
親の介護をどうするのか、誰が中心的な役割を担うのかは家族であっても慎重に話し合う必要があります。また、介護は突然やってくるので「もしそうなったらどうするか」を早くから話し合っておくことをお勧めします。
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