母が死んだら働こうかな…亡父の貯金〈1億5,000万円〉で母と暮らす、〈年金7万円〉万年無職で65歳まで歳を重ねた姉への「驚愕のお小遣い額」…通帳残高に妹白目【FPが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月23日 10時45分
(※写真はイメージです/PIXTA)
同居をして親の面倒をみてくれているきょうだい。遠方に住むきょうだいにとっては有難いですが、介護や日常生活にかかる費用負担や、悪質な場合、生前の財産の使い込みが原因で「争族」となるケースは少なくありません。本記事では、Aさんの事例とともに、きょうだい間の相続トラブルについて社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子氏が解説します。
母と楽しく暮らすお気楽な姉
Aさんは姉と2人姉妹。Aさんの父は小さいながらも製造業の社長で、事業承継ののち、老後はのんびりと暮らそうと考えていました。しかし引退した矢先に心筋梗塞で倒れ、73歳で亡くなりました。
父には億を超える遺産があり、Aさんはどのように相続すべきかを姉と相談しました。日本人女性の平均寿命が87.14歳(厚生労働省の「簡易生命表(令和5年)」)であることを考えると、72歳の母にとってはあと15年以上。のちに介護が必要になったり、施設に入所したりする可能性を考え、母に父の遺産のほとんどを相続させることにしました。
相続時の配偶者の税額軽減(配偶者控除)では、正味の遺産額が1億6,000万円まで、もしくは配偶者の法定相続分相当額までであれば、配偶者には相続税はかかりません(配偶者控除を受けるためには、相続税の申告書の提出が必要)。
Aさんは結婚し、母と離れて暮らしています。一方姉は独身で母と同居しているため、父が亡くなったあと2人で暮らしていました。母の年金収入は老齢基礎年金と父の遺族年金で月17万円。贅沢をしなければ、年金のみで賄うことができるでしょう。
姉は最初の子どもだからと大切に育てられ、何度か働きに出ても長続きせず、45歳を過ぎても、親のすねをかじっているようです。
姉には何度か「自立しないと。親が亡くなったらどうするの?」と働くよう勧めましたが、わがままな姉は「親が亡くなったら働こうかな」と冗談交じりに笑って話をしていました。
母も姉には甘いところがあり、「この先、自分に介護が必要になったとき、姉がすべて面倒をみてくれるから心配しないで」と、定職につくまで母は姉に月3万円のお小遣いを渡していました。
Aさんは離れて暮らしていたため、日々の生活に忙しく、頻繁に連絡することもありませんでした。最低年2回、実家である母の家を訪れては「元気にしているから心配しないで」と、姉と旅行に行ってきたことなど話を聞きました。2人で楽しく過ごしているようです。
心配なのは、姉が相変わらず定職についていないようで、旅行や買い物は母におんぶにだっことなっていること。Aさんは50歳を過ぎた姉に呆れ、実家を訪れた際には「姉に必要以上にお小遣いをあげないで」と頼んでいました。
父が亡くなってから15年後、母も平均寿命の年になり、足腰が弱くなってきたのに加えて、少し認知症がはじまったような兆しがありました。それでも施設に入るまでには至らず、姉と2人で生活していました。
母の遺産は…100万円もない?
Aさんの母は92歳のとき、家で転倒し骨折。入院中、認知症が悪化し、退院後は施設に入居するも2ヵ月で亡くなりました。
姉と葬儀を執り行い、今後の相続の話になりました。1億5,000万円の父の預金は母が相続していました。あれから20年の月日が経ったので金額は減ってはいるものの、年金もあったことだし、5,000万円ぐらいは残っているだろうと姉に聞いてみることに。
母の通帳をみると、なんと残高は80万円。桁を間違えたのかと白目をむきましたが、どうやら本当のようです。
平均すると、月に80万円程度引き出していることがわかります。姉に問い詰めたところ、介護費用がかかった、施設の支払いが多かった、入院費が高額だったなどといいます。「1億5,000万円が80万円になるわけがない。無職の2人暮らしで月80万円も使うなんて、度が過ぎている」とAさんは怒りを露わにします。
過去の通帳をみると、月3万円からはじまったお小遣いは5万円、10万円と雪だるま式に増えていき、時にはボーナスのような100万円の引き出しまでありました。
さらに家の修繕、リフォーム代の名目で数百万単位を引き出しているときもあります。実家に訪れたときにリフォームした話を聞いたり、実際に見たりしましたが、明らかに回数と金額が相応ではないと感じました。
「ずっと介護してきたから当然だ」と知らん顔の姉にAさんは絶句。少なく見積もっても姉だけで5,000万円以上は使っています。65歳になった姉は「あまり働いていなかったから、自分の年金は月7万円ぐらいで少ない」とぼやいていました。
相続の話をしてからというもの、姉には会っていないというAさん。これから母の遺産について争うつもりのようです。母の生前にもう少し頻繁に訪れ、公正証書遺言でも作成してもらえばよかったと後悔しています。
認知症の母親の介護という名目で、遺産を私的に流用していた姉の行動は、Aさんに深い悲しみと怒りをもたらしました。家族だからこそ、このような裏切りは深く心に傷を残します。Aさんの事例を通して、私たちは相続の重要性、そして家族間のコミュニケーションの大切さを改めて認識する必要があるでしょう。相続トラブルを避けるためにも、専門家への相談をお勧めします。また、生前対策としては、遺言の作成や家族間での話し合いをしておくことも重要です。
三藤 桂子
社会保険労務士法人エニシアFP
代表
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