〈退職金3,600万円〉永年勤続を贈られた大手メーカーの副部長、60歳定年で再雇用となったが「いつまでも上司面」と嫌悪される厳しい現実
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月19日 5時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
厚生労働省の調査によると、60歳の定年を迎えたとき、退職を選択した人は12.7%。9割弱がそのまま会社で働くことを選択しています。働き続ける理由は人それぞれですが、働くには厳しい環境というケースも珍しくないようです。
副部長だったサラリーマン…60歳定年で給与6割減
大手メーカーで働く後藤聡さん(仮名・60歳)。60歳で定年を迎えましたが、再雇用制度で引き続き働いています。
――再雇用で契約社員になりましたが、慣れた環境で働き続けることができるのはメリットですね。役職が取れて、専門の業務に特化できるので、定年前よりも働きやすくなったと思います
厚生労働省『令和5年高年齢者雇用状況等報告』によると、65歳までの高年齢者雇用確保措置として、「継続雇用制度の導入」で対応した企業が69.2%。「定年の引上げ」で対応した企業が26.9%でした。ちなみに70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みなのは29.7%。60歳定年が一般的ななか、65歳以上定年企業は定年制を採用する企業が30.8%となっています。
継続雇用制度は大きく、再雇用制度と勤務延長制度の2つがあります。同省『「令和4年就労条件総合調査」』によると、再雇用制度を採用するのは63.9%、勤務延長制度を採用するのは10.5%、両制度併用の企業は19.8%でした。
再雇用制度の場合、正社員から契約社員や嘱託社員と雇用形態が変わり、それに伴い給与も大きくダウンします。厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、大卒サラリーマンの50代後半の平均給与は、正社員で月収53.2万円、年収で879.1万円。60代前半では44.9万円、年収で690.1万円。60歳を境に月収で15%ほどダウンしています。また非正規社員だと60代前半で月収31.9万円、年収498.6万円。月収で41%ダウンします。
斉藤さんの場合、定年直前、副部長だったこともあり下落幅は大きく、「現役時代の4割程度ですよ」と苦笑い。定年とともに退職金3,600万円を手にしていただけに、給与減はさらに際立って感じたといいます。
また独立行政法人労働政策研究・研修機構『高年齢者の雇用に関する調査 (企業調査)について 【速報値】』によると、再雇用後も「定年前とまったく同じ仕事に就かせる」割合は全体の44.2%、「同じ仕事でも責任の重さを軽減する」の割合は38.4%でした。
再雇用の場合、仕事は定年前と同じ業務を引き継ぐこともあれば、新しい業務や職務に就くこともあります。業務範囲が狭くなることが多く、定年前のような責任の重い仕事から、より軽い業務にシフトすることが一般的です。
再雇用サラリーマン、現役社員からの評価
定年を境に、再雇用で働くことのメリットとデメリットを教えてくれた斉藤さんですが、さらに「現役社員との確執」をデメリットとして挙げてくれました。
――私も定年前に感じていましたが、現役社員からしたら昔の上司なんて邪魔なだけ。少なからず「早くどっかに行ってくれ!」と思っているもんですよ
斉藤さん自身、現役社員とは比較的うまくやれているとは思っているものの、全員が再雇用社員のことを好意的に受け止めているわけではありません。聞きたくなくても聞こえてくるのは、心をえぐるような陰口。
「責任も権限も減ったのに、いつまでも上司面。偉そうな態度は変わらないよね」
元上司が以前の役職に基づいて、現役社員に対して上から目線で接することに対する不満
「昔の栄光にしがみついて、時代遅れの仕事のやり方を押し付けてくる」
過去の経験を基にした指導が、現代の業務に合わないと感じる現役社員からの批判
「若手の邪魔になってるだけじゃない? 新しいアイデアを潰してばかり」
現役社員が提案する新しい方法やアイデアに対して、元上司が否定的であることへの不満
「若手の育成より、自分の居場所作りに必死」
役職、肩書がなくなったことへの焦りを感じさせることに対して、滑稽な姿に唖然
ずいぶんとヒドイいわれようだな……と思いつつ、若い人が年上に抱く当たり前の感情と思い、完全スルー。このあたり、40年近くサラリーマンをやってきた経験が生きていると笑います。
定年社員と現役社員との間に広がる高い壁。会社としてもメリットはなにもなく、「公平な評価と処遇システムの導入」や「コミュニケーションの強化」など、さまざまな施策でこの壁を壊そうとしていますが、完全に壁をなくすのは難しそう。そのような環境下で働き続けるには、現役時代とは違った忍耐力が必要です。
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