世界から貼られた「日本人は英語力が“低い”」のレッテル…中国の小学6年生は、日本の中学3年生レベル 歴然とする他国との圧倒的な差
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月23日 13時15分
世界的にみると日本の英語力は低いとされています。2020年度の新学習指導要領改訂により、小学3年生から英語をメインとする外国語学習が必修化されましたが、他国の英語教育と比較するとまだまだ課題は多いようです。本記事では、中内玲子氏の著書『シリコンバレー式 世界一の子育て』(フローラル出版)より一部を抜粋・再編集し、日本と他国の英語教育について解説します。
「小学3年生からの英語必修化」で英語を話せるようになるのか?
小学生の英語習得は時間と工夫が必要
2020年度から、日本では小学校で英語が必修化され、3・4年生は週1回の「外国語活動」、5・6年生は週2回の「外国語」の授業が始まりました。公立の学校でも英語が教科として必修になったことに期待する親御さんもいる一方、はたして効果があるのか疑問に思っている方もいらっしゃると思います。
どんな内容なのか、私も文部科学省のウェブサイトで教育方針や内容、教材などを見てみましたが、正直、今回の改革で子どもたちが英語が話せるようになるかというと、疑問を持たざるを得ません。まず、小学3年生から英語を習い始めるのは遅すぎます。バイリンガルなどの多言語教育は小学校に上がる前、できれば外国語に抵抗を感じ始める4歳より前に始めたほうが、複数の言語を楽に身につけることができます。
特にリスニングについては、胎児のときから「耳育て」をするのがベストです。言語を聞き取る力やネイティブのような発音が自然と身につけられるのは10歳くらいがボーダーラインだと思います。すでに母語が確立している場合とそうでない場合とでは、第二言語を身につける労力がだいぶ違います。
日本語の読み書きが身についている小学3年生から始めた場合、話せるようになるかどうかは、本人の努力ややる気、環境にかなり左右されます。また、小学3年生はしっかりとした自我がありますから、教科書を用いた一斉授業から 始めると、「英語を話さなきゃ」というプレッシャーを感じると思います。
日本の英語教育の難しい点
Education First(EF)という国際的な教育関連企業による、2019年の英語を第二言語として使う国を対象にした英語能力指数の調査では、日本人の英語力は100か国中53位、アジア25か国中では11位です。5段階に評価された能力レベルでは日本は下から2番目の「低い」にランクづけされています。同じアジア圏では、韓国は100か国中37位、台湾は38位、中国は40位で、いずれも「標準的」の範囲内です。
日本人が英語が苦手なのは、受験英語が中心で、インプット重視でアウトプット(会話)の機会が少ない英語教育を長年続けてきたことや、「間違えたら恥ずかしい」「文法や発音が正しくないといけない」と考える日本人の国民性のためだとされています。
英語教育の改革が進められたことで、近年、高校生の英語力は上昇傾向にあるようですが、その効果が実社会にあらわれるのはまだ先です。また、現場の先生方が英語に苦手意識を持っていることも、課題の一つであると言われています。
小学校で効果的な英語教育をするなら
小学校で英語を教えるなら、勉強にさほど抵抗のない1年生から、日本語の知識をベースに日本語と英語を対応させたごく簡単な内容の教科書から始めるのがベストです。実際には、小学校入学前から英語の勉強をしているお子さんが多いとは思いますが、それであればなおさら、1年生から始めるのが自然ではないでしょうか。
3年生から英語教育を始めるなら、頻度を増やして週1回でなく週に2回以上にしたほうがいいでしょう。英語を話せるようになるためには、「英語を」学ぶよりも「英語で」学ぶのが効果的です。簡単な英語で算数や理科を教えたり、英語で社会科で出てきたテーマについて話し合ったりすると、単語が頭に残りやすく、話せるようになるのも早いと思います。
他国の英語教育
日本の英語教育について考える際に、参考になるのが他国の英語教育です。まず、Education First(EF)の調査で100か国中1位だったオランダの教育法をご紹介します。また、日本では「外国語活動」が2011年から、教科としての「外国語」は2020年から開始されましたが、お隣の中国と韓国では2000年頃からすでに本格的な英語教育が始まっていました。それぞれどのような特徴があるのか、日本との違いを探ってみましょう。
オランダの英語教育
オランダの小学校では、文法よりも耳から入ってくる英語を理解して話すことを重視しています。英語のポップソングを流してみんなで歌ったり踊ったりするなど、子どもの興味を引きながら授業をする学校や、英語の音読をする際に、脳を刺激するために大きな声を出して読むといった工夫をしている学校もあるようです。また、オランダで小学校の教師になるには高いレベルの英語力が求められるため、必然的に英語を流暢に話せる教師が子どもたちに英語を教えることになります。
上手に子どもの興味を引きながら、本格的な英会話ができる環境を整えていることが、オランダの小学生の英語力を高めているのでしょう。
中国の英語教育
中国では2001年から小学校に英語が導入され、大都市では小学1年生から、それ以外の地域でも3年生から、週4回を目安に英語教育が行われています。高校3年生までの12年間で一貫した指導体制をつくっており、入門段階では英語に対する興味を養い、「英語は楽しい」というイメージを持たせるために、遊びや歌、ダンス、劇などを通して初歩的なコミュニケーションがとれるように工夫しています。最初のうちは、英語だけでなく中国語も授業で使われますが、高学年では英語だけで授業をすることが理想とされています。
このような教育体制により、中国の小学6年生は、日本の中学3年生程度の「話せて書ける」英語力を身につけられると言われています。
韓国の英語教育
韓国では1997年に英語が必修化され、小学3年生から週に2回、小学5年生からは週に3回の英語の授業が行われています。英語専門の教師とネイティブスピーカーの2人態勢で、3年生のうちから「聞く」「話す」「読む」授業が行われているようです。
韓国の英語教育で特徴的なのが英語専用の特別教室である「イングリッシュ・センター」です。イングリッシュ・センターには、飛行機の中やスーパー、カフェ、病院などを再現したコーナーが設けられ、生きた英語を学べる工夫がされています。
また、学校以外でも、ネイティブスピーカーとリアルな会話ができる機会を随所に設けています。英語の課外授業やネイティブスピーカーと話せる「英語体験センター」などが無料で週に数回利用でき、政府や自治体による「英語キャンプ」や「海外研修プログラム」、フィリピンへの留学もさかんです。
中内 玲子
日英バイリンガル幼稚園Sora International Preschool
創立者
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