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ドン引きです…〈年金12万円〉79歳の母「老人ホーム入居」の3年後、運営懇談会で聞いた「値上げ額」に〈月収48万円〉49歳長男が悶絶

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月22日 5時15分

ドン引きです…〈年金12万円〉79歳の母「老人ホーム入居」の3年後、運営懇談会で聞いた「値上げ額」に〈月収48万円〉49歳長男が悶絶

(※写真はイメージです/PIXTA)

いつかは誰もが直面する親の介護。その負担は重く、介護度3になると、1日のほとんどを介護に費やされるというケースが多くなります。もう限界……そこで選択肢になるのが老人ホーム。入居が決まればホッとひと息つくことができますが、ただ、いつまでも安心というわけにはいかないようです。

同居する義母が認知症…嫁「限界」と悲鳴

厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』によると、要介護者と同居している主な介護者の性別は、女性が68.9%を占めており、続柄では「子」が最も多く22.9%を占めています。

また介護時間については、「必要なときに手を貸す程度」が45.0%で最も多く、次いで「ほとんど終日」が19.0%となっています。特に要介護度が3以上の場合、「ほとんど終日」の介護が必要とされることが多く、介護者の負担が大きいことがわかります。

【介護度別主な介護者の「介護時間」】

・要介護1

ほとんど終日…11.8%、半日程度…8.9%、2~3時間程度…12.4%

・要介護2

ほとんど終日…17.0%、半日程度…12.3%、2~3時間程度…16.4%

・要介護3

ほとんど終日…31.9%、半日程度…21.9%、2~3時間程度…11.5%

・要介護4

ほとんど終日…41.2%、半日程度…20.0%、2~3時間程度…9.4%

・要介護5

ほとんど終日…63.1%、半日程度…17.2%、2~3時間程度…9.1%

杉山大輔さん(仮名・49歳)。母・里子さん(仮名・79歳)は、認知症の進行により、1年前に要介護3認定を受けました。認知症による要介護3とは、どの程度の症状かといえば、日常生活においてほぼ全面的な介護が必要な状態。

身体的な制約としては、自力での立ち上がりや歩行が困難で、トイレや入浴、食事などの日常生活動作において介助が必要です。着替えや歯磨きなど、身の回りのことにも他者の手助けが不可欠に。認知機能の面では、理解力や記憶力が著しく低下し、見当識障害や実行機能障害が見られることが多いです。認知症の症状として、徘徊や妄想、大声を出すなどの問題行動が頻繁に発生します。24時間体制での介護が必要となり、家族だけでの在宅介護は非常に困難となります。

元々、大輔さん家族と里子さんは同居していましたが、里子さんが認知症を発症してから関係がギスギスしだし、大輔さんの妻が限界に。

――あなた、もう限界。お義母さんに施設に入ってもらおう

自分の親を老人ホームに入居させることに、大輔さん自身は抵抗感があったといいますが、里子さんの介護はもちろん、家事や子育ても全面的にお願いしている身。限界だという妻を無下にすることはできません。

「給与はあがらないのに…」インフレ、老人ホーム費用にも

問題は、どのような施設に預かってもらうか。里子さんの年金は、亡父の遺族年金と合わせて月12万円程度。手取りにすると10万円ほどです。大輔さんが自腹を切るにしても、住宅ローンの返済や教育費を抱えている身。それほど身銭を切ることはできません。認知症患者を受け入れていて、費用的にも予算に収まるところ……幸い、希望にあう介護付き有料老人ホームが見つかり、すぐに入居できることに。

月額費用は月15万円。そこに含まれていない費用を含めて、月7万円程度、大輔さんが賄うことになりました。現在の月収は49万円、手取りにすると37万円ほどです。里子さんの施設代を払うと残り30万円。そこから住宅ローン返済し、子ども2人の教育費を賄い、食費、水道光熱費、通信費。削れるところといえば大輔さんの小遣い。それまで月5万円でしたが、月3万5,000円に。ランチ代もままならず、おにぎりを自分で握り持参する日々が続いています。

しかし、苦行のような毎日にさらなる追い打ちが。入居から3年ほど経ったころ、世の中は値上げラッシュ。里子さんが入居するホームでも運営懇談会が開かれ、月額費用を3万円値上げすることが発表されました。これは大輔さんにはかなり痛い値上げです。

――給与だってあがっていないのに値上げ、値上げ、値上げって、本当、ドン引きですよ

――月3万5,000円のこづかい……これ以上減らすことなんてできません

公益社団法人全国有料老人ホーム協会の調査によると、過去5年間で電気代は155%、ガス代は151%、燃料費は132%、給食用材料費・委託費は156%上昇。これらのコストは入居者の料金に転嫁されることは避けられません。

また、2024年8月には特別養護老人ホーム(特養)などの公的施設においても月1800円程度、家賃に相当する居住費が値上がりしました。特養は所得の低い人が入所する割合が高く、小額の値上げであっても影響は甚大です。

大輔さん、値上げに対してできることといえば家計を切り詰めること以外はありません。せめて、こづかい月3万5,000円を維持できるよう、妻との交渉がスタートしたといいます。

[参考資料]

厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』

公益社団法人全国有料老人ホーム協会『令和6年夏:物価高騰・賃上げ状況調査報告』

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