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「早くしろよ、ジジイ」とどやされても時給1,380円でコンビニバイトを続ける〈最高年収1,500万円〉62歳の元勝ち組サラリーマンの切実事情

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年12月23日 5時15分

「早くしろよ、ジジイ」とどやされても時給1,380円でコンビニバイトを続ける〈最高年収1,500万円〉62歳の元勝ち組サラリーマンの切実事情

(※写真はイメージです/PIXTA)

定年後も9割近い人が継続雇用を希望し実現していますが、仕事へのモチベーション低下などを理由に、早々に退職する人も多いといいます。給与の大幅減などがモチベ低下の理由とされていますが、なかには思いもしないことから仕事への興味・関心がなくなってしまうこともあるようです。

定年直前で「月収90万円・年収1,500万円」の勝ち組サラリーマン

2025年4月から、65歳までの雇用確保が義務化となります。さらに現在、70歳前の雇用確保が努力義務となっていますが、義務になるのも時間の問題という専門家も。

希望すれば定年後も働き続けるための環境整備はどんどん進められていますが、一方で定年後のサラリーマンには厳しい現実が待っています。継続雇用に関しては、多くの企業で再雇用制を採用。定年でいったん退職、契約社員や嘱託社員として再び採用されます。その際、多くのサラリーマンは給与が大幅に減少します。厚生労働省の調査によると、60歳を過ぎたサラリーマンの給与は、定年前の約7割から8割に減少することが一般的。定年前の月収が約44万円だった場合、再雇用後は月収が32万円にまで落ち込むこともあります。

ただ、それは平均値によるもの。さらに悲惨なサラリーマンも。

内藤正さん(仮名・62歳)。38年間、大手製造業で働いたのち、再雇用となりましたが、定年直前の役職が部長。月収90万円、年収1,500万円だったといいますが、月収の内訳をみると、基本給は40万円ほど、役職手当が50万円ほどだったといいます。定年を機に、まず役職手当がなくなり、基本給からさらに25%減で月収は30万円に。実に、現役時代の給与から7割減。給与の急下降は定年前からわかっていたことですが、目の当たりにすると、その衝撃は相当なものだったと振り返ります。

――30万円といっても額面ですから。実際の振り込み額は23万4,000円。思わず二度見する金額でした

内藤さんの会社のように役職手当の割合が多いと、定年以降の給与減のインパクトは大きくなります。給与明細をしっかり確認しておけば、給与減の衝撃を少しは和らげることができるでしょうか。

再雇用から半年で仕事を辞めた「まさかの理由」

定年から2年が経った内藤さん。サラリーマンとしてのセカンドキャリアはいかがなものか、聞いていくと、実は再雇用から半年ほどで会社を去っていたことがわかりました。なぜ?

――いや、やる気がでなくて、会社に行くのがツラくなって……

現役時代にはなかったモチベーションの低下。仕事内容が大きく変わったり、給与が大きく減ったりしたことが原因かと思いましたが、実は違うところにありました。会社退職後も症状が改善されないことから、病院に駆け込んだという内藤さん。そこで意外な診断がくだされます。それは「更年期障害」。

――男性の更年期障害は聞いたことはありましたが、まさか60歳でなるとは……

厚生労働省『更年期症状・障害に関する意識調査』によると、60~64歳男性のうち、「医療機関への受診により、更年期障害と診断されたことがある/診断されている」が2.0%。「医療機関を受診はしたことがないが、更年期障害を疑ったことがある/疑っている」が9.4%、「自分では気づかなかったが、周囲から更年期障害ではないか、といわれたことがある」が4.2%でした。60代前半の6人に1人が更年期障害が疑われるのです。

しかし、定年で会社を去らず、月収90万円から月収30万円でも再雇用を選んだのは、老後に対してまだ不安があるから。現役時代、住宅ローンの返済、教育費、親の介護と立て続けに出費が続き、定年で仕事を辞められるほどの余裕はなかったといいます。しかし会社を辞め、収入が途絶えたことで不安感が膨れ上がり、さらに更年期障害の影響が拍車をかけました。

とはいえ、いまから元の会社に戻るのは気が乗らなかったといいます。そこで始めたのがコンビニバイト。時給1,380円、9時~17時の1日8時間で週5日。月収は20万円弱と、再雇用後の給与からさらに収入は下がりました。しかし、さらに気楽な立場になったことと、収入があるという状況がよかったのでしょうか、更年期障害からくる不安感やイライラは最近は収まっているといいます。

なぜコンビニなのかと問うと、今から40年ほど前、コンビニでバイトをしていたことがあったから。「懐かしい」と思い応募したのだとか。ただこの40年でコンビニ業務は大きく変わり、やること、覚えることがいっぱい。

――よくレジを待たせてしまって、「早くしろよ、ジジイ」なんてどやされることも。それでも今は、以前よりもさらにお気楽な立場。これであれば働き続けることができるという自信があるのです

[参考資料]

厚生労働省『更年期症状・障害に関する意識調査』

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